寒い中、超満員でした。“訊け!”の広瀬さんも居ました。
19:30開演と遅い時間に始まるので、下北沢の「三日月ロック」で一杯!
いやぁー利いた酒。あまりに寒くて日本酒を二合も飲んでしまった。
さて、ほろ酔いで参加した第二回「セゾンド白酒」は、こんな内容!
1.小粒/一刀
一朝師匠のお弟子さんです。一朝師匠と言えば一之輔の師匠ですね。
10年で真打に育てた師匠ですよ。時代劇の江戸弁の指南役も勤めたりする。
いつも、“いっちょうけんめい”の一朝師匠の弟子なので、
一刀さんも、前座の割りにシャープで良い滑舌です。
是非、二つ目に上がったら“春風亭”から屋号を“拝”に変えて欲しいです。
地噺が得意な咄家が、拝一刀だと迫力満点!! 髪も髷に結って欲しい。
2.粗忽長屋/白酒
マクラで、成城ホールと館長さんへのヨイショをしたのですが、
人物を間違えて、No.2の仕切り屋の女性を館長だと勘違いした白酒さん。
この女性を凄くヨイショしたんだけど、仲入りで「まだ、私が館長です」と、
年配の男性に告白されて、非常に驚いた様子でした。珍しいですよね。
館長を間違えるなんて! あまりに意外で笑えてました。
『粗忽長屋』に入るまでのマクラは、この失敗を知らずなので、
他所のホールやホール寄席だと、体型を観てデブの喜びそうな、
弁当だったり、お菓子だったりするし、飲み物もやたら炭酸で甘いそうです。
それに比べると、ここはいいですね、ブルボンのお菓子ですよ!!
と、やたら成城という土地柄と世田谷区を褒めるのです。
確かに、池袋とか浅草よりは、土地柄はいいと俺も思います。
意外と普通の『粗忽長屋』でビックリしました。決して悪くなのですが…
3.お茶汲み/白酒
この噺は、古今亭の噺ですね、特に、志ん朝師匠はやりました。
おそらく志ん朝さんのマクラで聴いたと思うのですが、
狂言に『墨塗女』というのがあり、そっちの方が落語よりもえぐい!
この『お茶汲み』は、女郎は、客の男をホロリとさせる為の、
ごく定番の泣かせる話を必ず持っている。
とある女と、中で良い仲になってみたら、女がいきなり絶叫して驚く。
そして「お前さんかい?」と言うので、男はキョトンとしてしまう。
続けて、女があれこれ質問、男がそれに答えると、
「なんだい、他人の空似か…」と、ガッカリして、身の上話を始める。
この女郎には、手に手を取って駆け落ちした旦那があり、
はなは、二人でつつましく生活していたものの、持って出た銭が底を付いて、
それからは地獄のような日々が続く、結局、女は岡場所に身を沈め、
男も半分ヤクザのような生活になり、別れてしまって7年の歳月が…
その昔の男に、この客の男が瓜二つと言って泣くのだが、
女郎の米噛みに、さっきは無かったホクロが在る。アレアレ?
と、思っていたら、そのホクロ、ポロっと落ちて実は茶殻だと分かる。
なんだ!この野郎、お茶で涙をこさえていたか?すると話も全部嘘。
怒った客が兄弟分にこの話をする。
「ヨシ!おいらが仇討ちしようじゃねぇーか」と、兄弟分がその女郎に会いに行く。
そして、女を上げておいて、今度は、兄弟分が「お前さんは?!」と逆に、
女がいつもの話を切り出す前に、そっくり同じ狂言を始めてしまうのだ。
すると、女は、奥に下がり何やら仕度をして戻る。
男が、「どうしたんだい?」と訊ねると、女が「そろそろ、お茶がいるだろうと思って…」
これがオチになります。
で、狂言『墨塗女』は、仕返しがそっくりやって見せるんじゃなくて、
こっそり女の使うお茶を墨と摩り替えるんですよねぇー
女がクライマックスでお茶だと思って塗ると墨だから顔が真っ黒に!
そして、オチも強烈、逆ギレした女が、墨に摩り替えた野郎に、
墨を塗ってやる!と、追い掛け回すんです。実に現代のコント風です。
4.花見の仇討/白酒
昨年も横浜にぎわい座で聴いた白酒くんの『花見の仇討』
六さんの耳がよく聞こえないオジさんのキャラが私は好きです
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