今年、1回目の新文芸坐落語会。大盛況でした。
メンバーも良いから当然ですけどね、前売完売!!
ただ、常連比率はそう高くない感じなんですよね。
そんな二十九回目の新文芸坐落語会、こんな感じでした。
1.道灌/立川吉笑
吉笑くんの『道灌』は二回目です。前回、北沢タウンホールの時より、
滑らかに落語らしく語ることができたように思います。日々成長しています。
2.紙入れ/三遊亭兼好
この根多を兼好くんで聴いたのは初めてです。ちょっと普通の『紙入れ』と違います。
貸本屋の半公と、親方のお上さんの“濡れ場”がないのです。
いきなり、親方の突然の帰宅で、半公が逃げる場面から始まり、
兄弟分の家に駆け込み、回想シーンで“濡れ場”の状況が説明されるのです。
そして、翌日、親方と半公のやり取りは、普通の『紙入れ』に戻ります。
実に淡白な感じの『紙入れ』です。“濡れ場”が有る方がいいと思います。
“濡れ場”がうまくできないから、このやり方なのか?そんな事はないよなぁー
是非、普通にやって欲しいです。
3.幽霊の辻/桂平治
枝雀師匠以外で、この噺を聴いたのは初めてですね。
小佐田先生が、枝雀さんの為に書いた作品と聞いたように思ったけど、
平治師匠が、許可を取ったんでしょうなぁー関係者に。
平治師匠の『幽霊の辻』は、最初から明るいトーンで始まります。
闇でおどおどする主人公が、恐いというより可笑しいのです。
権太楼師匠とは、また少し違うタッチの爆笑王なんですよねぇー
ただ、最初はおどろおどろしく演出して、幽霊の不発・不出現が続いて、
何もないのか?と思わせて、最後に、幽霊を出して落とす。
この盛り上がりが、イマイチに感じました。笑いは有るんだけどねぇー
4.井戸の茶碗/桃月庵白酒
三回目です、白酒くんの『井戸の茶碗』
少し端折った感じでしたが、その分、スピード感が出ていました。
顔の長い屑屋で、「五代目の圓楽か!」というクスグリが入りました。
あそこは、「柳亭市馬か?!」の方が笑えますね、今だと。
『抜け雀』と『井戸の茶碗』の両方をやる白酒くん!
武士同士の意地の張り合いという部分は薄く演出して、
屑屋さんの悲哀もやや少な目、その分笑いへ向かった『井戸の茶碗』です。
さて、今回の新文芸坐落語会は、82点でした!