寒い寒い小田原市民会館の大ホール!超満員の会場で開催された、新春恒例の「柳家三三独演会」
今年は、小ホールではなく大ホールでの開催!去年は、小ホールで立見まで出る満員札止の大盛況だったから、今年は大ホールにしたみたい。
会場に入って、三三くんの母上に箱根の友人Fさんから預かった正月の縁起物の“凧”をプレゼントして席へ。
ちょうどイイくらいの空調の加減だったのに…開口一番の柳家ろべえくんが上がり、
毎度おなじみの「名前の由来」をマクラで語り出したら、舞台から客席に向かってすきま風が吹く!吹く!
ありえないくらいに寒くって、寒くって、舞台の下手から上手に向かって時々、かなりの強風が吹き抜けるのです。
前の十列目くらいまでは、まともにこの風を浴びるのです。
ろべえくんは、毎度おなじみの根多、『穴泥』を始めました。この根多ばっかりやるよなぁー、悪くはないが、根多増やそうぜ!ろべえくん。
ろべえくんの『穴泥』が、15分くらいで終わった時には、極寒の市民会館に成っていました。
外より寒い“節電”モードです。三三くんが登場、マクラでいきなり「寒い」と言いました。
普通、高座のライトは熱くて大嫌いなのに、今日は心地イイと言いながら、
正月の寄席の風景のお決まりの根多をマクラでふりますが、三三くんの声からも寒さが伝わります。
いつもより、早口で微妙に震えていました。
マクラは、初詣の話へ。賽銭箱の近所には、やたらフードの付いたパーカーを着た奴が多く居るって話を振って、
甚平さんが登場する噺、『加賀の千代』を始めました。三三くんで聴くの初めでした。
甚平さん夫婦の噺だと『鮑のし』は、三三くんで何度も聴いたけど、これは初めて。
しっかり者の嫁さんが、三三くんらしくて良かった!また、ぼーっとした昼行灯の甚平さんも。
この噺の最中に「どうらく息子」の単行本の宣伝をクスグリに。
三三くんの後に、花緑登場!あまりの寒さにカイロを手に持ち高座に上がる。
20年以上前、小緑だった時代に小田原市民会館で、歴史学者の講演とセットの落語会に出て、
堅い歴史学者の講演の後で『御神酒徳利』をやった思い出をマクラで話、
何度も聞いている世襲の咄家は、落語家全体の22人しか居ないって話へ。
そして、taxiに乗って運転手に「いい匂いがしますね?お客さん、ソープランドの帰りですか?」と、
柳家喬太郎じゃあるまいし!そんな話を振ってから、祖父譲りの『長短』へ。
寒さもあるのか?長さんの喋りが少し早いのです。また、饅頭を食べる仕種が、目白の師匠とは違います。
暮れに聴いた小三治師匠は、小さん師匠と同じだったのに!
花緑にしては、オーソドックスな演出の『長短』でしたが、
小三治師匠と比べると「熟成」していないのです。何か自分らしさを出さないと!物足りない『長短』でした。
仲入り後、流石に寒いと気付いた会館側が、暖房を入れてくれて、
何とか外よりは暖かく成りました。どうやら、小田原市長が客で来ていて、
仲入りの最中に、関係職員へ電話で「市民会館の空調を何とかしろ!」と指示した結果みたいでした。
さて、膝代わりの登場は、長唄三味線のユニット“スクイーズ&ハジキーズ”のお二人。
松永鉄九郎先生のお弟子さん二人による、三味線ユニットです。
鉄駒さんと鉄六さんという二人で、鉄駒さんが小田原出身だから、呼ばれたみたいです。
その三味線ユニットの後、トリに再度、三三くん登場!久しぶりに『長屋の花見』をやりました。
大根が蒲鉾、たくわんが玉子焼きになり、お酒はお茶け!モウセンと呼ばれるムシロを敷いてやる花見。
蒲鉾を小田原らしく“鈴廣”のと表現する三三くん。
“籠清”より“鈴廣”なんだぁ~と小田原の客は、妙な所に関心します。
三三独演会の点数は85点!