今年最後の“かもめ亭”です。この会も来年は五周年。

1月~3月に特別企画の落語会が開催されます。

ただ、これが出演者が偏っているんですよねぇー

1月は、小満ん・白酒・百栄とまずまずの布陣で、

2月は、雲助・喬太郎・一之輔と超~豪華なのに、

3月は、寿輔・兼好・きつつき、そしてオマケで宮治くん。

普通、兼好と喬太郎を入れ替えて、バランス取るよね。


さて、今回の「立川流忘年会」は、こんな内容でした


 

 

・狸札改       立川吉笑

・堀の内       立川談笑

・井戸の茶碗    立川談幸


仲入り


・口入屋(引越しの夢) 立川らく次

・鰍沢改          立川談笑


 

 

 

1.狸札改/吉笑

超スピード出世の吉笑くん。

志らくんところの“こしら”とテーストの似た落語をやります。

喋り方が、落語のリズムというよりも、今時のお笑いの喋りなのです。

好き/嫌いが分かれます。私は正直“苦手”です。

 

 

 

 

2.堀の内/談笑

年に10席くらい談笑を聴くと、必ず当たる根多です。

本人も好きなんでしょう。そと彼に非常に合っています。

スピード感と、独特のクスグリが笑いのアクセントになります。


一方、この噺のマクラで、「独裁者が死ぬ年ですねぇー2011年」

「フセイン、カダフィ、立川談志、そしてキム・ジョンイルですから」

「将軍様も、家元みたいに、二日間死を伏せてましたね、独裁者は似るのか?」

相変わらず、ブラックなマクラ全開の談笑でした。


 

 

 

3.井戸の茶碗/談幸

かなり久しぶりに聴きました、談幸!なんとなく兼好くんに似ています。

というより、兼好くんが談幸師匠に似ているんですけどね。

実に王道をいくような、笑いタップリで本寸法の『井戸の茶碗』を満喫。

若い二つ目、成り立ての真打には、教科書のようなデキでした。

鍛えられた仕方・仕草、クスグリの加減、程よい解説、

無駄がない噺に久しぶりに感動しました。

 

 

 

 

4.口入屋(引越しの夢)/らく次

新文芸坐と根多がかぶって、少しがっかりしました。

ただ、できはあの時より、更に良くなっていました。

でもねぇーこれで三回目の『引越しの夢』

らく次!根多増やしなさい。

 

 

 

 

5.鰍沢改/談笑

談笑流に改作された『鰍沢』です。

古典では、元花魁のお熊が、日蓮宗総本山身延山久遠寺をお参りし、

帰り道、吹雪にあって遭難しかかった旅人に、

毒の玉子酒を飲ませて殺し、その持ち金を奪おうとするのだが、

ゲコの旅人は、毒玉子酒を致死量飲めず、代わりにお熊の旦那が飲んでしまう。

体の痺れた旅人が雪の鰍沢を逃げて、鉄砲を持ったお熊がこれを追う。

その鬼気迫る展開に、この噺の“肝”があるのだが…


談笑のは、お熊の設定は古典通りなのですが、

迷い込む旅人は、久遠寺から来たのではなく、

身延山周辺を行商で廻る薬屋という設定。

しかも、お熊が月ノ戸花魁だった時代のなじみ。


ここで逢ったも何かの縁と、男がお熊に言い寄って、

撚りを戻そうと画策し、旦那に毒を盛って殺そうとする。

しかし、最後はお熊と瀕死の旦那に男が鉄砲で撃ち殺される。


中途半端なハッピーエンドなのです。

『鰍沢』は、おどろおどろしく後味の悪いのが私は好きです。

 

 

 

さて、立川流忘年会の点数は、80点です!