久し振り小三治師匠の平塚での会である。
二年前に、一門会をやって以来です。
開口一番は、つい最近真打に昇進した三之助くん。
『千早振る』をやりました。持ち時間15分でしたが、
一生懸命のお喋りで、客を十分に温めて下がりました。
二上がりがっこの出囃子で、小三治師匠登場!
薄い紫色の着物でした。ゆっくりおじぎをして、
今年もいろいろ有った1年でしたねぇーと言って、
11月末のタイ旅行を計画したけれど、
タイの大洪水で行けず、結局、ハワイ旅行になり、
時差だけが残って大変だった話を30分振って、
そこから『長短』をやりました。
小さん師匠の十八番ですが、小三治師匠のは随分小さん師匠とは違います。
饅頭を食べる仕草と、灰を叩いた後キセルを"どうだい!”と翳す仕草、
この二つは踏襲していますね。小三治師匠の長さんは、いつ聴いても品がります。
仲入り後、マクラがいつもより短かったので、
19:50から後半がスタートしました。
何をやるのか?『禁酒番屋』?『味噌蔵』?と思っていたら…
「お前さん!起きとくれよ」
『芝濱』だ!!何年ぶりだろう小三治師匠の『芝濱』。
描写が、立川流の人々よりも、アッサリしているのです。
前半は、そんなに長くなくて、芝の濱の描写に力が入ります。
「鐘の音が、ココ、濱で聞くと、一味違うんだ!」と、
早起きで辛い魚屋って商売を、慰められる場面として描きます。
顔を海の水で洗ってから、皮財布を拾うまで、
ここは兄弟子談志と似ていますね。細かいです描写が。
海の水を救って、砂が沈むのを待ってから顔を洗います。
お上さんが勝五郎に、告白して財布を出す場面、
ここが、立川流の面々より、アッサリな小三治師匠。
泣けないけど、これが小三治琉なのです。
大満足の50分の『芝濱』でした。
次回、21日の銀座ブロッサムが今年最後の小三治師匠です。