行きました!あーとすぺーす風というギャラリーで定期開催の「汲沢寄席」

地元“戸塚”出身の柳家小せんくんのローカル独演会!今回が28回目なんだそうです。

昼・夕の二回公演で6席やるのですが、片方だけなら2千円!通しで聴くと3千円です。勿論、私は通しで6席聴きました。

1席目、マクラで“泥棒”“つんぼう”“ケチんぼう”の3棒と言う棒がありまして、

と、言って三遊亭さん生時代の川柳師匠と、柳家小エん時代の談志師匠のケチ話を振って『秋刀魚火事』をやりました。

寄席では聴くんですが、あまり聴かないケチ物語です。

油屋のケチぶりに、長屋が迷惑しているが、なかなかやり込められない。

そこで、大家さんに知恵を借りて、秋刀魚を焼く煙で油屋を「火事だぁ~」と驚かそうとするけど…

秋刀魚を焼く煙とバレて、臭いを食事のおかずにされるというオチ。

小せんくんに合った噺ですね。細かい所作が抜群です!

あーとすぺーす風のホームページ用みたいですが、小せんくんが話している間にカメラマンが写真撮影を。

これが、結構煩い音を発すのです。シャッター音と脚立の移動音!手ブレするのか?

そんな雑音に折れそうになりながら、二席目に入らず、マクラを続ける小せんくん。

戸塚駅が、「トツカーナ」と言うなんか意味不明な建物に生まれ変わっているのだが…

デカいだけで、店が整理されてないし、中途半端で迷路みたいなんですよね。

役所と公会堂が移転するらしいのですが、まだ少し先になるみたいです。

そんなマクラで、撮影が終わるのを見計らって、『町内の若衆』へ。軽~く!少しだけ艶っぽく。仲入りです。

仲入後、広小路の話から見世物小屋のマクラへ。そこから、『ガマの油』をやりました。

うーん。文化放送で談春の『ガマの油』を聴きましたが、口上の切れが残念ながら足りません。

この一点だけが不満でしたが…欲かな?


夕方の部、始まりは新聞記事の話をマクラでは「地方行政60周年」の根多をいじって、

江戸の咄家では珍しい“阿弥陀池”をベースにした『新聞記事』という根多をやりました。

この話を聴くと思うのは、『阿弥陀池』のスペシャリストは、間違いなく“ざこば師匠”です。

しかも、一度言いたかったのは、ざこば師匠が「朝丸」時代!この頃、談志師匠は、

ざこば師匠をして、「落語のフリはしているけど、アレは落語ではない芸」と、切り捨てた。

しかし、俺が観ている限りでは、談志の言う「イリュージョン」は、正に、ざこば師匠の演出なんです。

誰も言わないけど、これは「ざこば師匠を談志ファンに見せない」仕業か?と、俺は思いました。

ざこば師匠の『天災』『阿弥陀池』『厩火事』は、談志師匠の晩年の『やかん』『千早振る』と、スピリッツが似ているよね?

『新聞記事』は珍しいが、ざこば師匠には、遠く及ばないデキでした!


『新聞記事』に続けて、『講談社長』をやりました。久しぶりに聴く根多で、圓歌一門以外で聴いたの初めてかも?

圓歌師匠がやるのをよく真似ていて、懐かしくて懐かしくて、時々聴くと笑えます。正に、昭和の笑いです。

夕方の部のトリ根多は『夢八』でした。これも、上方落語以外で聴くのは初めてです。

一昨年、雀々のを聴いたのですが、あれより遥かに小せんくんの方が良かった!

ただ、非常に残念なのは、こんなこじんまりした会なのに、携帯を鳴らすオバサンが居たのです。

しかも、一番しんみりする首吊り死骸を、八っさんが発見する場面でよ。

それを除くと良かったのに、大変残念でした。八っつぁんが奇妙な夢を見るという根多振りから、

首吊り死骸の番を、大家に騙されて引き受ける場面、

そして、最後に黒猫の腹話術で死骸が喋りだし、八っさんが仰天!失神する場面と、どれも爆笑でした。

次回は3月25日土曜日です。