久しぶりに成城ホールに来ました!昨年は、談春監修の成城寄席をやっていたから、毎月必ず来たけど、
今年は、広瀬さん肝入りの「一之助とこしら二人会」なんですよねぇー、どうも嗜好が合わないのです。
そして、今夜は、ついに桃月庵白酒くんが、世田谷・成城ホールでの定期独演会を始める、その第一回なのです。
で、成城ホールのロビーに居て、流石、都会のホールだと感じたのは、Wi-Fiが繋がったこと!
そんな会が始まる前に、12月18日の北沢タウンホールの文左衛門・菊之丞・白酒のチケットを引き取りました。
そしてそして、朝は志の輔onにぎわい座のチケットをゲットして、アレアレ?ACTシアターの指定席が復活している?
と、アクセスしてみたら、8列目[H列]が余っているジャン!すかさず金曜日の夜をゲット!
次は、SWAファイナル公演だ。23日の日曜日!並ぶぞ、本多劇場に。
超満員の成城ホール!相変わらず成城とは思えないセコイ椅子、前後の席の間隔が狭い。
記念すべき第一回の開口一番は、白酒師匠お気に入りの前座・林家扇チャンでした。
根多は、先に国立演芸場で滑りに滑った『牛ほめ』でした。前回よりは、かなり進歩していましたが…
落語のリズムが続かないのです。3分、5分、7分、10分、15分と時間の経過と共に、
「あぁ~」「えぇ~」などが入る回数と時間が増えて、喋り全体が普通の語りに成ってしまうのです。
声自身は、かなりイイのに、自身の声の使い方を理解していない。実に残念であります。
まだまだ、前座!声使いと落語のリズムを早く会得して、ゆっくりでイイから一人前に成って欲しい。
さて、成城に登場の白酒くん!毒を吐き捲りでした。
思わず、お前は「ザ・グレートカブキか!?」と突っ込みたくなる毒々しいマクラでした。
まず、毒々しいマクラをタップリと。成城と言う地名だけで上がるって話をしながら、
前座の“はたご”時代に豪徳寺に住んでいたけど、自転車で祖師ヶ谷大蔵までは行けるけど、成城には、足を踏み入れられなかったと言うのです。
成城大学、青山学院、そして上智の英文科には、ハイソなイメージがある。
と、言って挫折を知らない「坊ちゃん」「お嬢様」が集うイメージで、挫折と言っても、クラス委員長選挙の落選ぐらいで…
そのかわり社会に出たら、パワハラ&セクハラ地獄に合うと、心がポッキリ折れて、引き籠になるような育ちの良さ!
いきなり成城弄りから入って客席を暖めた白酒くん。流石!ガッチリ客のハートを鷲掴みです。
ここから、最近、落語ブームも寄席を中心に下火です。新しい会をと、言って貰えるうちが花!
この会も、人気がなくなると「成城」から「絹田」「芦花公園」辺りに流されたりするかもしれません、と言う。
そんなマクラから、寄席の縁起かつぎに泥棒の噺がありまして、と、記念すべき一席目は『だくだく』をやりました。
八五郎が元気に、絵描き先生の所へ「先生!先生!」と、強烈な大声で入って来ると、
絵描き先生が「なんだ、八っさん!まるでラッキー7のコントの関武志だなぁ」とくすぐる辺りが白酒くんらしく、
八五郎と先生のやりとりが、微妙に噛み合わないのも彼ならでは。
そして、床の間を描かせて、掛け字の文句が、「原発反対」→「欧州金融不安」→「小三治万歳」と三段落ちにする辺りが素晴らしい。
ここから、泥棒と八五郎の「○○のつもり」合戦になりますが、この切り返し合いが強烈です。
泥棒「懐から吹矢を出して、毒針攻撃したつもり!」
八五郎「間一髪で避けて、槍に手を掛け、しごいたつもり!」
泥棒「煙玉で見えなくなったつもり!」
八五郎「精神統一して、心の眼で捉えて、一突きにしたつもり!」
更に、毒々しいマクラを振りました。この「セゾンド白酒」の会が決まった時に、館長さんから、会場を観て雰囲気を感じて欲しいと、
「一之助とこしら」の二人会を見せられた話になり、更に、一之助が21人抜きで真打昇進した話になりました。
で、今の二つ目連中で、ちょうど抜かれた二人と朝日新聞浜離宮ホールでの「いつかは名人会」で一緒になり、
白酒くんが、しつこく聞いたらしいけど、この二人は「いやぁー、今は芸で負けているんだから仕方ない」とか、
「この悔しさをバネに、芸道に精進したい」とか、優等生な答えしか返らなかったそうです。
ただ、白酒くんは、言わせようと「小三治師匠には、不満はないの?」とか、やたら「小三治」を連呼していたらしいのですが、
後からよくよく考えたら、この「朝日いつかは名人会」って、テレビ朝日のBSチャンネルで放送されるんですよね。
上手く編集して欲しいと言っておりました。
更に更に、抜擢真打昇進の話は、どういう経緯で一之助、その後に予定されている朝太、菊六が真打昇進と成ったか?
これについて白酒くんが言及しました。つまり、二つ目研鑽会を小三治師匠が観て、これなら真打だと認める芸だから、したんですよね。
ただし、表向き「研鑽会」は、昇進試験でも、品評会でも、トライアルでもないが、
小さん→圓歌→馬風時代とは違う、あたかも、アレ立川流?みたいな昇進システムに変わった事を意味しています。
ただ、白酒くんは、小三治師匠の目が決めるんだから異論も出ないだろうし、
三遊亭天どんみたいな二つ目が、真打に成れないのは、仕方ない定めだと言っておりました。
また、抜擢は、抜いた方より抜かれた方の努力を生むから、これは必要とも言っていました。
現に、小朝に抜かれた「さん喬」「権太楼」「雲助」は、完全に抜き返して差していると。
更に、マクラは咄家の酒癖の話になりました。まぁ、伝説の男・川柳師匠を筆頭にロクな酒飲みはいない!
落語会の打ち上げなんて、まず、行くもんじゃないと、咄家の酒癖批判が始まりました。
更に、じゃぁ酒のあまり飲めない、いや!殆ど飲めない市馬師匠なんかは、それじゃイイか?と言うと、あそこまで素面で歌い続けられたら、それはそれで迷惑するそうです。
そんな酒癖の話から十八番の『ずっこけ』をやりました。
何度聴いても、同じところの酔っ払いの仕種で笑います。
この『ずっこけ』、『替り目』そして『うどん屋』は、本当に白酒で聴きたい酒飲み噺だと思います。
くすぐりを入れるタイミングと、定番の「これを言って!」が、いいバランスなんですよ。
テンポの上がり方が、また、絶妙なんですよね。マクラの余韻も使いながら、笑いの渦が巻き起こる。
そして、毒だけじゃないよ!です。
仲入り後、もうマクラ無しで根多か?と、思ったら最後も毒を吹いてからでした。
三平が披露宴を10月02日に一次会を帝国ホテルでやり、二次会は都内某所に咄家を中心に集めてやった!
これについては、三三くんの会でのマクラで触れたから、詳しくは書きませんが、
なんと!白酒くんには、二次会の招待状が来なかったそうです。
落語協会で、あの白鳥師匠や、あの同門とはいえ文左衛門にすら来たのに…
白酒くんかなりショックだったそうですが、それはねぇー
前座の“はたご”時代に、「いっ平兄さん!兄さんの着物は、made in 根岸だから、安い木綿とかじゃないから燃えませんよね?」と、
嫌がるいっ平の着物に、火を点けて、焦がして大なしにしたり。「オフィス根岸のツケで焼肉食わせろ!」と、豪遊を強要したり、
「この伝票、オフィス根岸で落としてくれ!」と現金を恐喝したりで、招待状こずだったそうです。
更に、三平攻撃は続き、着物焼かれたぐらいで逆恨みするような了見だから、
招待した白鳥兄さんも、高田文夫先生も、当日は、ニッポン放送の「白鶴寄席」を理由に欠席!
二人とも、どうせ離婚するんだから、御祝儀は取られ損だ!と言っていたと楽屋話を暴露。
更に、スポーツ新聞の芸能記事とかは、綺麗ごとみたいに“助さんの東幹久が愛のキューピット”とか報道しているけど、
早い話が、東幹久のお下がりなんだろう!と、まで楽屋の裏話というか世間の評判を暴露されていた。
実にどーも三平くん、悪い敵を作ってますね。
そんなマクラから『五人廻し』がトリ根多でした。これも良かった!久しぶりにやったようですが、
廻される五人、チャキチャキの江戸っ子/軍人/カマっぽい若旦那/相撲取/杢兵衛大尽。
この五人が、少しずつ早くなるのがデキているのです。
ダメなのは、軍人や若旦那で受けると長くなるの!完璧百点です。