JALの機内放送に流れる演芸の収録が、
内幸町ホールで開催されました。
一応、入場料を千円取るのですが、勿論、超満員でした。
さて、今回の収録のメンバーは、下記のような感じです。
私は、お目当ての談春を聴く為に行きました。
・開口一番 子ほめ/柳家おじさん
・新作落語(東北の宿)/桂文ぶん
・漫才/タイムマシン3号
・五貫裁き(一紋惜しみ)/立川談春
仲入り
・漫才/昭和のいる こいる
・新作落語/桂竹丸
1.子ほめ/おじさん
おじさんは、諸注意を喋って『子ほめ』へ
可も無く不可も無く、、、口調はいいけど相変わらず声がカン高い。
2.東北の宿/文ぶん
昨年3月に真打昇進されたばかりで、文生師匠のお弟子さんです。
『東北の宿』という自作の新作のようですが、あまり笑いが多くない噺。
一応、しっかりした話術は持っているのですが、印象に薄い一席でした。
3.漫才/タイムマシン3号
元気のいい漫才なんだけど・・・ 俺は笑えなかった。
NHKのオンエアーバトルなどでやっている根多の方がいい感じです。
4.五貫裁き(一紋惜しみ)/談春
マクラで、前回JAL名人会に呼ばれた時、あまりにマクラが受けていたので、
本編よりも、このマクラが使われるなぁ?と思って、わざと使えないように、
「ANA!!ANA!!全日空!」を連呼したら、それが使われたんだそうです。
それが使われたのを知ったのは、永六輔のラヂオ放送で、
永さんが「談春が飛行機の機内寄席で、JALなのにANA!ANA!って言って面白かった」
と、喋ったからなんだそうで、しかも、これがJALの役員の耳に入ったそうです。
後日、この役員がその録音を取り寄せて聞いて激怒!!
談春は、JAL名人会を出入り止めになったそうです。(本人の弁)
また、JAL名人会では談志も『権兵衛狸』をやった時に、
あの狸の頭を刈る場面で、「このやろう!慎太郎カットにしてやろうかぁ?!」と、
ちょうど、裕次郎が慶応病院に緊急搬送された時で、
「舎弟の搬送に自衛隊機を使いやがって!」
「警察のピンチに自衛隊を使って何が悪い!と慎太郎は言うけど、
西部警察は、本物の警察じゃないぞ!」と言いたい放題でした。
盟友・石原慎太郎の名前を出して、散々、毒を吐き捲ったらしい。
それが、JALの機内で流れたんだけど、これを慎太郎本人が飛行機で聞いてしまい、
談志に文句を言えばいいのに、自身が運輸大臣だったもんで、
JALに対して、けしからん!放送を直ぐに辞めろとクレームを付けたんだそうです。
この事件、これでは終わらず、放送を途中で切られた談志が、
こんどは慎太郎ではなく、JALに噛み付いたんだそうです。
なぜ、お前んとこは、所轄大臣に言われたくらいで、放送を中止するんだ!
大臣に言われて中止にするなら、最初から放送するな!
その了見が俺は気に入らねぇーと、JALに猛抗議、担当者は勿論、
統括役員にまで、噛み付いたんだとか。
そんな奴の弟子が、「ANA!!」連呼ですから、出入り止めも仕方ない。
さて、謹慎明け?の談春は、たっぷり30分掛けて『五貫裁き』をやりました。
いやぁー家元のを見事に踏襲した『五貫裁き』でした。あのフレーズ
“糞を食らって西へ飛べ”
このフレーズが飛び出した時には、何とも嬉しくなりました。
ただ、最後のサゲは、流石に家元のようにはやりません。
家元のは、因業な徳力屋万右衛門が改心して、施しに目覚めるんですよね。
「施し」をした後で、された側が喜ぶ姿を己の心に投影して、
あたかも、マラソンランナーのランニングハイのような“施しハイ”になる万右衛門!!
結局、徳力屋は三年と身代が持たずに潰れたとさ。
みたいなブラックジョークで終わる『五貫裁き』です。
是非、みなさん!談志の音源を聴いてみてください。
5.漫才/のいる・こいる
いやぁータイムマシン3号は勉強になったと思います。
まったく普段通りの「のいる・こいる」師匠の芸でした。
笑いました。和みました。ちょっぴり関心されられました。
6.新作落語/竹丸
おそらく面白くないと思って、聴かずに帰りました。
おかげで、20:30の通勤ライナーに乗れました。
JAL名人会、これで千円ならば95点です。