昨日は、去年に引き続き、全日本社会人落語大会に行きました。
12時10分前に、会場入りして日本橋亭での指定席:上手の角に着席。
ちょうどいいタイミングで、呼び出し太鼓が鳴りお囃子が。
1.表彰状(大野桂作)/鹿鳴家 傳右衛門
かなり緊張なさっていた様子で、徐々にエンジンが掛ましが、
調子が出た辺りでサゲになってしまいました。
2.夢の果て/社繁亭 倍蔵
消費者アドバイザーの免許を持ってらして、
マルチまがい商法への啓発セミナーでやられているネタをなさいました。
技術は、高いのですが、ネタの性格上笑いが少なくて、少し残念でした。
3.壺算/鹿鳴家 吉遊
笑いました!先の二つが固かった分一気にはじけた感じで。
よくネタを研究されていて、所作と間の取り方が完璧。
客を掴んだ笑いは重ねて、喰い付きが浅いネタはサラっと流すのが気に入りました。
なかなか、こんな風には、プロでもできないと思います。
4.悋気の独楽/新宮亭 当り目
去年同様に、カンカン帽をゴムで飛ばして登場!!
面白かったんですけど、ペースが同じなんですよね。
話芸は上手いのだから、もう少し緩急があるといいと思います。
サービス精神旺盛なんですね、流石、関西人。
5.錦の袈裟/めずらし家 芝楽
ピッカリ頭の芝楽さんです。味のあるゆったりした語りで、
上手ぁーく客を掴んで話に入ります。上手いのですが、
全部が、ちょっと控えめなんですよね。
このネタなんかは、もっと職人の吉原でのドンチャン騒ぎは、
ハデに演じてもいいなぁーと思いました。
6.腕食い/千里家 圓九
怪談っぽい上方落語のネタです。あんまり聴かない噺ですね。
放蕩三昧の大家の次男坊が勘当されて、家の掛取りの銭を持って家出。
結局、食い詰めて乞食に成り下がり、流れ流れて故郷の大阪へ戻るのですが、
既に、実家は兄の代に成っているので、なかなか敷居は跨げない。
そこで、暖簾分けして分家になっている元番頭の店に厄介になる。
半月ほどして、この元番頭が婿養子の縁談を、元若旦那に世話するのだが、
この相手というのが、夜になると病気が出るという、変わった癖のお嬢さん。
真夜中、人の生血を啜りたさに、隣寺に忍び込み、赤子の死骸を掘り起こして、
その腕を喰い千切って生血を啜るのです!! あぁー怖い。
圓九さん、ちょうどいい加減の怖さ、おどろおどろしさで演じてくれました。
7.鰻の幇間/湯好家 三助
仲入り後は、三助さんの登場!悪くはないのですが、
幇間が、旦那にヨイショする時と、鰻屋に文句をタレる時とで、
もう少し調子を変えた方が、この噺は笑いになると思いました。
難しいんですよね、プロはそこを実に上手くやりますから、
どうしても、その切り替えしを期待してしまいます。
8.祇園祭/火災亭 珍歌
関東の人が京都の男性を演じるというのが結構難しいと思います。
落語なので、完璧な京都弁は使わなくて良いのですが、
京都は、大阪と違って、男言葉と女言葉を区別します。
ここを是非演じて欲しかったです。ちょくちょく女言葉が出るのです。
9.二人癖/久寿里 菊之助
ここまでしか聴けませんでした。この後、横浜へ行ったので。
この『二人癖』、なかなか良かったのですが、
“のめる”の方と“つまらん”の方で、性格を演じ分けて、
喋りにもうひと工夫あると、完璧だったと思います。
橘ノ 百円の『強情灸』、南遊亭 栄歌の『夢八』柳花楼 扇生の『たがや』
それと、三遊亭圓龍師匠の特別公演が聴けずでした。
私は、『腕食い』と『二人癖』が良かったのですが、誰が大賞だったのか?
最後に気になったので一言、今年のこの会、何を考えているのか飴を配るのです。
しかも、演じている最中に、飴の入った缶を廻して配るのです。
当然、客はそれを食べようとする。すると、あの包み紙を開ける音ですよ。
もう、カシャカシャいって煩い!煩い! せっかくの熱演が台無しです。
飴を配ってもいいから、ドロップスにして欲しいです。