台風の影響で断続的な雷雨の中、出張の一ノ関から下北沢へ直行しました。

18時15分頃に着いたんで、久しぶりに創業45周年の「共楽」で札幌チリラーメンで腹ごしらえ。

18時40分頃に会場入り、プログラムを見ると、開口一番に正蔵一門のエース/たけ平くん。

仲入り後の喰い付きには、紙切りの正楽師匠の息子/二楽さんが登場です。

せいこさんご贔屓のたけ平さんを初めて経験。マクラを15分くらい振りました。北千住に住んでいる話から、

稽古事をイロイロやっている話、長唄/踊り/講釈などなど…

志ん朝と先代・小せんの思い出から「小満ん」師匠を“こみん”だと思っていた話。

そこからの『コオモリ』へ。居酒屋“日の出屋”を営む清蔵が主人公。

コオモリ版の“鶴の恩返し”みたいな噺で、たけ平さん、今時のお笑い口調でマクラを語り、

本編に入ってもそれは同じでした。で、せいこさんご指摘のように噛みました。

たけ平くんの後、喬太郎登場。マクラも振らず『牡丹燈籠』へ。


旗本飯島平左衛門が若い日に、湯島天神の“聖徳太子御開帳”の折に、

酔った浪人に因縁を付けられて、これを切り殺す場面から話が始まります。

それから、18年の歳月が流れて、一人の若い新しい草履取りが奉公に上がる。

名前を、孝助といいまして、18年前に平左衛門が殺した浪人の倅だと分かる。

それでも、男の子のない平左衛門は、この孝助に何かと目を掛けて、

剣術を教え、もし孝助が親殺しの仇が自分だと知ったなら討たれる覚悟でした。


平左衛門には、娘がありその名をお露、このお露が平左衛門の後妻・お国と仲が悪い。

ついには、家を出てしまい、飯島家の寮に女中のお米と二人暮しをしている。

そこへ、出入りの幇間医者・山本志丈が出入りしている。その志丈が連れて来た若侍、

萩原新三郎という浪人に、お露が恋焦がれる!!


話は、孝助に戻り飯島平左衛門の屋敷です。

平左衛門には、できの悪い甥の宮野辺源次郎というのがいる。

何につけ源次郎に目を掛けていた平左衛門だったが、

この源次郎が食わせ者、なんと!平左衛門の妻・お国と不義の仲になっている。

そして、ある日、平左衛門を釣に誘って、船から突き落として殺す算段を・・・


この悪巧みを孝助が聞いてしまい、その釣に行く前夜、

錆た槍で、宮野辺源次郎とお国を殺そうと孝助は決意。

闇夜の庭影で隠れてそのチャンスを狙っている。


しかし、


廊下つたいに、中二階のお国の部屋へ忍ぶ人影が一つ

『ヨシ!源次郎だ』と、思った孝助、背後から近付いて、

これを槍で一突き! やった、仕留めたと思ったら、

これがなんと!人違いで飯島平左衛門だった。


平左衛門、孝助に自分がお前の親の仇だと説明して、

恐縮しきりの孝助に脇の大刀と金百両を渡して逃がす。

そして、孝助を養子にとかねてから申し出のあった、

相川家を頼るようにと言う。


深手を負った飯島平左衛門、最後の力を振り絞って、

お国と宮野辺源次郎を討とうとするが返り討ちにあって絶命。

お国と源次郎は、飯島屋敷から金目の物を持って逃げてしまう。


この日は、本郷刀 ~ 臥龍梅の梅見(お露新三郎) ~ 飯島討ちなででした。


なかなか本寸法で張り詰めた空気が実にどうも。

喬太郎の会では、めったに感じられない世界でした。

ただ、流石に、時々、クスグリを1つ2つは入れます。


お露が新三郎を柱の影から見ている!!

まるで、星飛馬の姉、秋子のように!!

みたいなのは、入るのです。喬太郎らしくね。


それでも、かなりピーンと張り詰めた空気でした。

特に、孝助が飯島平左衛門を間違って刺す場面などは、

本寸法の語り芸を存分に披露してくれました。


続きが楽しみです。


この“その壱”で喰い付きに登場したのが紙切りの二楽師匠でした。

作品を切っている間のトークが結構面白かった。まず出たお題が「牡丹燈籠」と「コオモリ」でした。

二楽さん、意外と芝居や踊りは見ないそうで…「鳴神聖人」と聞いて、何か売る“商人”だと思っていたそうです。

芸術協会の某師匠が、「ちびっ子日焼けコンテスト」の司会の仕事をしていて、

ステージに上がっている子供達より、真っ黒に日焼けした子を客席で見付けて、

その子を飛び入りでステージに上げて一番にしようとしたら、その子は黒人とのハーフだったというオチ。

この他にも、オカマ軍団と飛行機で出会った話や、自分の披露宴で文左衛門師匠が大暴れした話、

更に更に、自分の父親の変わった性癖などなど寄席では聞けない話のオンパレードでした。


良かったよ。