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昨夜行われた神宮花火大会のスペシャル企画、

落語祭りに行って来ました!! 暑かった。

千駄ヶ谷駅からテクテク外苑通りを抜けて、

会場である日本青年館大ホールへ。

 

このホールは、私の記憶が正しければ、TBSの「8時だよ!全員集合」を、

都内で放送する時のメイン会場だったはずです。

舞台、舞台袖、花道とまではいかないけど、舞台端が客席に伸びる構造。

今は、こんなホール少ないです。川崎の麻生ホールぐらいか?


 

さて、そんな花火大会の前に開催された落語会、

こんな内容でした。

 

 

 

1.一目上がり(七福神)/柳亭市也

八五郎が隠居の家の掛軸に始まり、賛(三)ですね!と褒めろと教えられ、

大家さんのところでその通りに言うと、亀田望斎先生の詩(四)だ!!

と、三ではなく四だと言われたと思って、医者の家でみた掛軸を、

素晴らしい四ですね!と褒めると、これは一休禅師の悟(五)だと返される。

いよいよ分けが分からなくなる八五郎。そして、これまでの展開を復習する。

「何だ一目づつ上がってる。今度五と言ったら六と言われるから、

はじめから六と言おう」。と先回りして言うことにした。

そして、友人の芳公のところへ。芳公が一本しかない掛け軸を出してきた。

それを見た八公「賑やかな絵だなぁー おいおい、男ばかりの中に女が一人、

しかも船の上だぞ!大丈夫か?この絵」と言う始末、芳公から冷たい目で、

「バカ言うなよ!これは、この上なくめでてぇー絵なんだ」


そして、回文の有名な歌が

”ながき夜の とをの眠りの みなめざめ 波のり舟の 音のよきかな”


これを聞かされた八五郎、すかさず「結構な六だな」と言うと、

「いいや、これは七福神の宝船だ」というオチ。


市也くん千五百人の客にビビることなく元気に開口一番を勤めました。

なかなか、彼も咄家らしくなって来ました。


 

 

2.火焔太鼓/柳家花緑

かなり久しぶりに花緑くんの落語を聴きました。

2~3年前までは、かなり迷った感じの芸で、

非常に、ムラの多い芸を見せられていたのが、

かなり弾けていて、吹っ切れた観がありますね。


そんな花咲いた花緑くんにはピッタリの『火焔太鼓』

昔だったら、ここまでは弾けませんでした。

悪くなかったと思いますが、ややくどいのです。

もう少し、勢いそのままで短く終わって良いと思いました。


本人のサービス精神が、ややアダとなっていますね。


 

 

3.独楽曲芸/三増紋之助&高田文夫

笑いました!最高でした。この芸がトリでもおかしくなかった。

紋之助は、この神楽芸をやる前は、たけし軍団で漫才やっていました。

あのそのまんま東・宮崎県知事の秘書、クロマニヨン吉川の相方でした。

だから、高田先生との息はピッタリなんだけど、高田先生が足を引っ張る!引っ張る!


一応、高田先生が紋之助くんの独楽芸に挑戦するという設定でした。

二本の羽子板を使って、小さい独楽をお手玉風にやりとりする芸に挑戦しました。

一度失敗するも、なんとかこれは無事にできたのですが、この後が凄かった。


まず、独楽の綱渡り、独楽の上で宮崎駿の“ととろ”が回る芸なのですが、

高田先生が、これを許しません!「著作権料も払わないで“ととろ”なんて使うな」と言うのです。

あまりのシュールな突っ込みに、オドオドする紋之助。


「心配するな、俺が震災復興に向けての切札を買って来てやったから」と、言って出したのが、

あの会津名物の「赤べこ」 おいおい、放射能牛で大変な時期に「べこ」かよ!!

渋々、“ととろ”は止めて、赤べこを独楽に乗せる紋之助。見事、なんとかこれもクリアー


そして、問題の!! 最後の芸:竿の上で大独楽を、らせんに回す「風車」の芸に移ります。

何が問題かというと、この風車の後、独楽の先にヒマワリの飾りを高田先生が載せて、

竿の突先で、ヒマワリがクルクル回って、夏らしい花車で終わる予定だったのが…


何度も、何度も、挑戦したのにできないのです。最後は独楽を止めてしまいます。

この芸のBGMが伊藤咲子の「ひまわり娘」ですよ、3回通しで聞きましたヨ。

3コーラスじゃないよ、3回ですよ「ひまわり娘」を。歌詞を覚えましたヨ。


“涙なんかぁ!要らない”って歌詞が、この芸にぴったりでした。


結局、最後の最後に、なんとか1回だけ成功して、会場と芸が一体化して大拍手のフィナーレでした。


 

 

4.鰻の幇間/立川談春

非常にやりにくい場面で登場した談春。軽くマクラで“何ですか?今のは”

“今のがトリでいいじゃないですかぁー”

“ひまわりが嫌いになりませんか?”

“市馬師匠の前にして欲しかった”

“ただ、硬かった会場の空気が、一変して一体感が出ましたネ”


と、言って『鰻の幇間』へ。

あれあれ、先週、柳好さんのを聴いたばかりなのに!!

と思いながら談春のを聴いたのですが、全く別の『鰻の幇間』でした。

談春流の工夫があり、ギャグありの『鰻の幇間』でした。


一番笑ったのは、この鰻屋が、香物に「糠漬」「沢庵」「野沢菜」「シバ漬」なんて、

ありきたりのものではなく、「キムチ」を出すのです。

そして、日本酒は、冷(ひや)ではなく、どこかの蕎麦屋みたいにシャーペットが出る。

更に、更に、米が長粒米のタイ米。勿論、鰻は中国産です。

この国際色豊かな鰻丼に対して、談春の江戸前の啖呵が炸裂し、会場は大爆笑でした。


こいう洒落、本当に上手いと思います。

先の柳好さんのもフラが利いてて良かったんだけど、

この『鰻の幇間』は、次元が違いました。


 

 

5.粗忽長屋&花火芸/林家たい平

高田先生と紋之助が、「ひまわり娘」で20分程度時間をロスしたので、

たい平くんの時間が、15分しかありませんでした。

それでも、彼らしく手抜きなしで一生懸命で良かったです。

しかも、よくやる打ち上げ花火のモノマネをやりました。

それが、本当の花火をこの後、録画で時間つなぎに見せられたんだけど、

その実物よりも、たい平くんのものまねの方が迫力あるんですよね。

で、思ったのは、映像だけ実写で、音をたい平くんにすれば一番いい。

このいいとこ取りは、是非、次回はやってもらいたいです。


 

 

6.片棒/柳亭市場

30分はいつもやる根多、市馬師匠の十八番中の十八番です。

これをタップリ聴いて、今日は終わるのか?と思っていたら、

かなり巻きを入れて、18分弱で終わってしまいました。

(それでも、次男の場面でひばりさんの「そぉーれソレソレお祭だぁー」は歌いました)




理由は、分かりました。この後、大喜利をやったのです。


 

 

7.大喜利

全員で大喜利をやりました。内容は、柳亭市馬歌謡ショー。

歌う副会長全開の芸です。この人、本当に好きです。


和太鼓を花緑が叩き、談春&たい平が合手と掛声のバックコーラス、

高田先生と紋之助は、あの風車の竿(ヒマワリ付)を持って踊りました。


そして、市馬師匠の登場!! 超~ハデな薄い黄緑のシルク調の着物。

あの三波春夫先生ですら、ここまでハデじゃなかった。

何だろう、結婚披露宴の老舗会場で、仲居のおばさんが着ている着物に似ている!!


で、歌うは、東北復興への願いを込めて『大漁唄い込み』


◇大漁唄い込み

http://www.youtube.com/watch?v=tsklU6V-Bl0

このYoutubeの歌手の百倍迫力がありました。


そして、フィナーレの曲は、『東京音頭』


◇東京音頭 三波春夫・中村美律子

http://www.youtube.com/watch?v=yk-DeuDg5ps&feature=related

まさに、このノリで三番まで熱唱した市馬師匠でした。

 

 

 

 

いやはや、全く期待せず行って大満足の落語会でした。

点数は、200点ですね。ひまわり娘が耳から離れません。


 

◇ひまわり娘

http://www.youtube.com/watch?v=ah--d1WxgpI