イメージ 1
 

 

 

七夕の日に横浜へ行く途中、平塚の七夕祭客とも一緒になりました。

平塚の七夕、今年は節電で、19時で終わるんですね、盛り上がらない!!

さて、この連続シリーズも三日目となり、噺も中盤の盛り上がりへ。


 

・桑名船/柳亭市楽


・嶋鵆沖白浪~その5~/柳家三三


 

仲入り


・嶋鵆沖白浪~その6~/柳家三三

 

 

 

 

1.兵庫舟/柳亭市楽

二つ目に上がったばかりの、市楽さんをなんかの会で聴いた時に、

この『桑名舟』のいわゆる“鮫講釈”の部分をやりました。

その時は、初々しいというより、たどたどしい芸だったのが、

この日は、なかなか決まっていました。2年で格段に上手くなった。

声が、ややくすんだ感じのカスレ声なんですけど、

なかり聞き取り易くなりました。努力しているのが分かります。

大好きな講釈の根多なんでねぇ、十八番根多にできるように磨いて欲しいです。

 

 

2.嶋鵆沖白浪~その5~/柳家三三

マクラで、六月に寒い北海道へ行った話から、禁煙/タバコの話へ。

そして今回は、成田で佐原の喜三郎と分かれたお寅のその後を語り出す。

お寅は、一足先に喜三郎が姿をくらましたと聞いて、母親を連れて江戸へ戻る。

旅の疲れからか、母親が病にかかり、看病の甲斐もなく亡くなってしまう。

半分やけくそになり、自ら吉原に実を沈め、親の借金を清算するお寅!!


ここからは、馬生師匠・今松師匠でもおなじみの『大阪屋花鳥』の部分が始まります。


吉原の中店:大阪屋へと身を売ったお寅、源氏名を花鳥という花魁になる。

花魁になるったって、1日や2日で成れるわけじゃなく、歌・三味線だけでなく、

踊り、芝居の素養、お茶、生花、書画、歴史の素養などなど、

当時の一流の文化を身に付けて、初めて花魁になれるのです。

そんな修行を1年続けて花魁デビューの花鳥、なんと1年で全盛と呼ばれるようになる。


そこへ悪友に誘われて吉原/大阪屋に入った旗本の梅津長門がやってくる。

この長門、生まれて初めての吉原で、全盛の花鳥にもてなされすっかり入れ揚げる。

そして、花鳥の方も、この長門があの喜三郎にそっくりだってんで、これまた惚れる。

ハナは蓄えもあり、続いたが三日と空けずに通う吉原、金子が続くわけがない。

次第に借金がかさみ、茶屋には五十両の借りができてしまう、もうこうなると花鳥には会えない。

それでも何とかと、親戚にも借金を申し込むが、相手にされない始末。


そんなある日、幇間と田舎者のお大尽が「一晩で二百両使うぞ!」

と、景気の良い話をしながら吉原を目指しているのに出会う。


これだ!と長門、前にこっそり回って、大刀を一文字に払うと、

幇間の持つ提灯を斬り捨てる!! 「ひひひぃ、人殺しぃーーー」

雄叫びを上げて、幇間が立ち去るのを見て、こんどは田舎大尽を袈裟懸けに斬る!!

ギャッと短い悲鳴を上げて、お大尽は絶命、鉄の臭いをさせて一面が血の海になる。

素早く、長門は大尽の懐から二百両をせしめて、“中”へと進む。


これを少し後ろで見ていたのが、町方の手下、岡っ引の木村家金蔵・更にその手下の竹市に見られたのです。

長門が、吉原の茶屋に入るのを見届けて、親分の金蔵へ、これこれこうでと一部始終を伝える。

金蔵は、町方の手を借りて、梅津長門が入った大阪屋を慎重に取り囲むのでした。

梅津長門も、これまでか?!と思われたのですが、なんと!花鳥が大胆な機転を利かせた行動に出る。

そうです!店に火を付けて、吉原じゅうを火の海にして、長門を騒ぎに紛れさせて逃がしたのです。


ここまでが、前半のあらすじですが、この一番のクライマックス!!

花鳥と長門が再開し、花鳥が大阪屋の旦那様に呼ばれて出ている場面で、

こともあろうに私は、空のビール缶を倒してけたたましく「カンカラカン」と音をさせてしまいました。

すると、長門のセリフの最中の三三くんが、「おい!気をつけろ、物を倒すんじゃねぇーよ」と、

私をイジルもんだから、場内はドッ!と笑いが起きました。


三三くん、ごめんね。

 

 

 


3.嶋鵆沖白浪~その6~/柳家三三

しかし、当然火付けの嫌疑が、花鳥にかかり、取調べの為に伝馬町の牢へ。

散々な責め苦を受けた花鳥でしたが、一切口を割らず。

牢の中でも、その女っぷりが認められて、牢名主的存在になった花鳥。


結局口を割らないので、死罪にはできないというので、三宅島への流刑。

その流刑になる前夜、牢の中で別れの酒盛りが行われた。

そして、いろんな罪人の身の上ばかしを聞いていると、その中に、

お嬢お兼と呼ばれる、ジゴク(素人の女郎)が話す身の上話に花鳥が反応する。


そのお兼、番町の旗本の娘で、梅津長門と昔恋仲だったそうで、

その不義が両親にバレて勘当、叔父方に引き取られたけれども、

その叔父にも手ごめにされて、叔父の屋敷を抜け出し一人暮らし。

そのうちに、夜鷹みたいな素人ジゴクに身を窶しその日の糧を得ていたそうです。

そんなある日、暮れも押し迫った時に、梅津長門に再開して、

今では、長門と夫婦同様に暮らしているんだと聞かされたのです。


よくも私を裏切ったな!長門、この女をこのままでは帰さない!と、

半紙を使って病死にみせかけて、窒息死させる花鳥でした。

そして、翌朝、女は病死で処理されて、花鳥は伊豆七島の三宅島へ送られた。

流された罪人は、島の監視人:壬生大介という役人から厳しく管理される生活になる。

そこで、花鳥は、この大介をたらしこんで、家を一軒もらってそこで愛人として暮らします。

この日は、ここまででしたが、マクラで、三三くんが行った言葉が、

なかなか、言葉遊びではあるのですが、含蓄のある言葉で関心させられました。


「予想を裏切り、期待に応える」というもの、

逆だとダメですよね「予想通りで、期待を裏切る」

なんだか、九代目・正蔵の落語みたいです。

 

 

 

 

さて、柳家三三「嶋鵆沖白浪」三日目の点数は88点です!