震災後、初めて開催されたYEBISU亭でした。
今回は、三遊亭白鳥と桂吉弥、それにゲストはパントマイムの中村ゆうじ。
実に濃いメンバーで楽しい3時間でした。いつもよりかなり長かったです。
17:30スタートで、終わったのは20:25ですからねぇー(15分の休憩は在った)
そんな第三十四回 YEBISU亭の内容は、こんな感じでした。
・オープニングコント
・砂漠のBar「止まり木」/三遊亭白鳥
・今夜は踊ろう!
仲入り
・パントマイム/中村ゆうじ
・蛇含草/桂吉弥
1.オープニングコント
いきなり、黒い前身タイツで客席の後ろから白鳥と吉弥が、
パントマイム風のパフォーマンス、おなじみの壁をやりながら登場。
白鳥は、デブ過ぎて、ファスナーが壊れているし、
吉弥は、顔がデカ過ぎて、頭部のタイツが耳の横までしか入らない。
なかなか不細工な二人に、会場は大爆笑!!
そこへ、中村ゆうじがキャミソールのような黒いタイツで登場!!
ここも、ドカン!と受けて、流石にプロは足の動きが違いますネ。
そして、このコントの中で、中村ゆうじがパントマイムの真髄というか、
落語の所作にも通じる、“動き”のイロハを二人に伝授しました。
まず、下の動き、パントマイム/歌舞伎のみえにも言えるのですが、
その様式の枠を絶対に抜け出さないルールに縛られた動き。
たとえば、パントマイムでいうと、一瞬とまって動作を切ってから、
次の動作を始める動きを、下の動きと呼んでおりました。
次に中の動き、これは、動作を切らずになめらかに動く、
ほとんど演劇の動きと変わらないのですが、パントマイムでは、
動作の支点を意識して動き、無いものが在るかのように見せる。
最後に上の動き、これは、完全に名人の落語の所作なのです。
つまり、目の動きで、中の動きを補完し、さらにスケールの大きな演技にするものです。
たとえば、談志師匠がやる芝の浜に出た勝公が、
その目の動きで、夜明けを迎えて、舟が行き交う様を現す。
あの目でする演技、これに所作を、連動させるのを上の動きと呼んでいました。
たまに、落語家にも居ます。鍋の蓋を開けて湯気が出る様を、
目で追うことで表現する米朝師匠のような動きですよ。
白鳥も吉弥もかなり感激していました。
2.砂漠のBar「止まり木」/三遊亭白鳥
一ヶ月前に、北沢タウンホールで掛けた根多でした。
前回は、“ケイコ”の名前を間違えたリベンジだそうですが、
一ヶ月に、二回聴かされた私は、やや不満でした。
ただ、デキは格段良かったです。オチで噛んだのを除くと。
3.今夜は踊ろう!
相変わらずのマーク節炸裂です。黒柳さんに負けない無茶振りと、
トークが盛り上がっているのに、勝手にマイペースで話題を変える。
マークさんだから許されていますが…
一度、文左衛門とか呼んでやって欲しいと思います。
ここでも中村さんが言いました。以前、NHK大河“新撰組”に出た時、
吉弥くんも共演していたのですが、その時の主役・香取慎吾に対して
「いくらジャニーズでも『御用あらためである!』が言えないのはダメだろう」を連発!
かなり、酷かったみたいですね、俺は全く観ていないけど。
4.パントマイム/中村ゆうじ
凄かった!白鳥の『砂漠のBar「止まり木」』を取り戻すデキでした。
特に良かったのは、女性の着物の八つ口から腕を通して、
侍と町娘の恋の物語を演じるパントマイム!!
その後にやった、モノマネ入りのパントマイムで「ベルバラ」を演じるの。
喋るからパントマイムじゃないけど、小津安二郎関東の東京物語の配役でやるんですよね。
笠智衆、原節子、中村伸郎、そして、ここに美輪明宏がオスカル役で加わるんです。
最高に、バカバカしくて大笑いしました。
5.蛇含草/桂吉弥
この根多は、米朝一門のお家芸でして、みなさんよくやります。
吉弥くんも大熱演で、大変良かった。特に餅を食べる場面がデキていました。
3年前に、都丸時代の塩鯛師匠のも聴いたけど、あれに負けないデキでした。
また、一段と腕を上げています。成長しているなぁーを感じました。
二年ぶりだったからなぁー
さて、第三十四回 YEBISU亭の点数は、85点!!
白鳥が、何か違う根多だったら、90点は超えていました
。