年に2~3回開催されている地元還元の柳家三三独演会です。

最近は、首都圏各地から三三ファンが集まるようになり、

150人で超満員の会場が、二回とも満杯になります。


今回は、横浜から新幹線で来たという30人くらいの団体さんがありましたネ。

私は、この谷津公民館の裏に住んでいる友人に10時ころに場所取りを頼んでいたから、

かんとか地元一番乗りを果たしましたが、もう少しで、横浜の団体に負けるとこでした。


さて、そんな柳家三三独演会は、12時/15時それぞれ、こんな演目でした。

 

 

≪第一部・12時の会≫

 


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1.二人旅/三三

マクラで秋田の落語会へ行った話をしました。新幹線で行って5時間掛ったそうです。

打ち上げでなぜか?熱!熱!のきりたんぽ鍋が出て、閉口したらしい。

そんな話の後、小田原での夏の独演会、ゲストに六代円楽を迎えて8/20(土)にやるらしい。


さて、そんなマクラから『二人旅』に入りました。


三三くんの旅噺、おれは好きです。弥次喜多風でね。

なぞ掛けしながら、都々逸を唄いながら、実にのどかに展開します。


ただ、この噺、なかなか終盤の一膳めしの“やなぎや”の部分が難しい。

談志師匠のは、この部分が絶品でしたが、あんな『二人旅』はもう聴けません。

三三くんのも、それなりに良かったんだが… まだまだです。

 

 


2.猿後家/三木男

マクラで、末広亭での震災寄席出演の話をしました。

小三治会長の挨拶の後、高座に上がった三木男くん、

小三治のオーラに包まれた客が、クスリとも笑わなかったそうです。

そんなマクラの後、十八番の志の輔仕込みの『猿後家』をやりました。


これで、三木男くんの『猿後家』は三回目になります。

細かいところで、気になる部分は多々ありますが、

毎回、成長の跡は感じられます。稽古はそれなりにしていそうです。


話に遠近感が出せないのが、少し残念でした。

あと、猿顔の後家さんの怒る場面が、イマイチ弱いのも。

 

 

 

3.転宅/三三

仲入り後、マクラは、国民的行事・AKBの総選挙の話から、

総選挙と言いながら"選抜”はおかしい!と、言う三三くん。

なんかサントリーが、ニューオールドって宣伝してた時みたい。

古新聞とかもそうだし、一番訳が分からないのが、

イタ飯屋で見た手書きメニュー“こだわりシェフの気まぐれサラダ”

なんて事を喋って、受けていました三三くん。


そして、石川遼くんの無免許運転が、一番ホッとしたニュースと言って、

あの子も、普通の20だと思った。微笑ましいと感想を語ってましたネ。

特に、国際免許のルール&注意書きが英語だったから、

遼君は、理解していなかったと聞いて、スピードランニングは眉唾だ!

と言って受けてました。

最後に、六億円事件に触れて、この犯人の手配写真!!

こんな典型的な悪人顔はないと言っておりました。

 


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そして、犯罪話の流れで、定番の泥棒マクラを振って『転宅』へ。

このマクラで、携帯電話が鳴ったけど、それを上手くいじる三三くん!!

「曲者ぉー(臭せぇーもの)」「仁王かぁー(臭うかぁー)」で鳴りました。


三三くんの『転宅』って、タバコ屋のおじさんの語りが笑いますね。

間抜けな泥棒が、押し入った家の食べ残しをつまみ喰いする場面、

ここも、三三くんらしい所作が見られました。

 

 

 

 

≪第二部・15時の会≫


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1.人形買い/三三

秋田市内での落語会は初めてとかで、秋田駅前の久保田城に行ったそうです。

東日本の城らしく、石垣のない土塁の城、二時間かけてじっくり見学したそうです。

そして、秋田の会場:県民会館、ここも喫煙は「喫煙室」でと言われて、

開演前は、一般の「喫煙室」を使ったそうですが、誰にも気付かれなかったそうです。


そんなマクラから、『人形買い』へ。俺は三三くんのこの噺は初めてかも?


長い噺なので、途中まで、定吉が若旦那と女中の不義の話をする場面あたりで切りました。

ですから、八卦見も講釈師も登場しなかった。元は上方の話で、春團治一門はやりますね。

江戸の噺家で聴いたのは、圓生の音源くらいかもしれません。

 

 

 

2.花見の仇討/三木男

長かった40分以上やりました。タップリでした。退屈はしませんでしたが…

やや中だるみでしたね、悪くはないのですが、もう少し工夫が必要です。

四人で稽古する場面などは、悪くないのですが、

六さんがお酒を、おじさんから飲まされて潰れる辺りがねぇー

面白い部分が少ないのです。もう少しですね。

 

 

 

3.青菜/三三

たっぷり30分やりました。「植木屋さん!植木屋さん!精が出ますなぁ」から、

「弁慶にしておけ!」まで、本当に爆笑の連続でした。数年前より格段に良くなった。

お屋敷の御主人の語り方が、良くなったからですね。この日、一番はこの『青菜』でした。

 

 

 

 

 

さて、柳家三三独演会 on 小田原谷津公民館の点数は、90点!!

1,500円の木戸銭にも、大満足です。3,000円で六席たっぷりで
した。