京急の“六郷土手”から歩いて20分。
一本道で分かりやすいのですが、駅から800mくらいあります。
これが二回目です、ここ宝幢院。前回は雑色駅から歩いたが、
六郷土手でも同じくらいの距離ですね。
前回は、小せんくんのプチ襲名披露会でした。
ゲストは、川柳師匠。リレーガーコンを聴きました。
ちょうど、会場するくらいのタイミングで到着。
既に、15人くらいが列になっていて、ご近所さんらしきお客さんも。
結局、50~60人が入って満員御礼状態でした。
さて、今回の宝幢院のたから寄席のメニューは、こんな感じ。
1.芋俵/自由猿童歌
“じゅうえんどうか/拾円銅貨”さん。関西の落研さんが前座を勤めました。
素人にしては、いいと思いました。最初、入りを間違えたのはご愛嬌。
鶴瓶師匠の母校、京都産業大学の落研です。プロになるのか???
2.干物箱/遊雀
マクラは、前回の遊雀玉手箱と同じで、赤羽に一戸建てを買った話。
さて、『干物箱』、この噺は、三人の登場人物が居る。
若旦那、大旦那、そして、貸本屋の半公。そして、半公は声色上手の設定。
しかし、この半公の声色上手を、分かりやすく演じる演じては少ないように思います。
半公が、若旦那の真似をして喋る時と、自分の声で喋る時、この使い分けを、
厳格に演じてくれると、面白いと思うのだが・・・
遊雀くんの『干物箱』も、さほど厳格ではありません。
若旦那、大旦那の会話で、半公の声色上手を表現します。
一人三役なのだから、半公の声と若旦那を使い分ければできるのに、
その辺りが、曖昧のまんま噺は進みます。ここだけが残念でした。
ちなみに、兼好くんも『干物箱』をやります。
そして、彼のも、はっきり声色は使い分けてなかったように思います。
3.猫の災難/兼好
コレが、この日一番のお噺でした。笑った!笑った!マクラから。
動物好きの兼好さん、震災で殺処分される牛や豚が可愛想だと言うの。
そして、彼らも被害者なんだから、東電で飼うべきだと。
あんだけ役員を頸にしたんだから、飼えるはずだと言う。
そして、東電の敷地に牛や豚が居れば、それを観る度に、
みんな震災を思い出して戒めになると言うのです。
そんなマクラから、『猫の災難』へ
なんせ、酔っ払いの演技が最高に面白かった。
兄貴分が買って来た酒を、兄貴の帰りを待てずに飲む熊五郎!
そして、ついには飲み切ってしまうのだが・・・
途中で、兄貴に一合だけ酒を残そうとするんだけど、
酔って、徳利からおちょうしに酒を取分けられない熊五郎。
フラフラしながら、壁で安定感を出そうとするのだが、
勢い余って、酒を畳に零してしまいます。
この酔った熊五郎が、実に良かったです。
4.猫の皿/兼好
遊雀から「やり逃げだ」と揶揄されるくらい駆け足にやりましたが、
それでも、去年聴いた、弟弟子の王楽なんかよりは数段上でした。
できれば、もっと、フワフワやって欲しい根多ですけどね。
猫が二席連続で登場するのも、兼好くんらしいと思いました。
5.居残り佐平次/遊雀
四月にも聴いたばかりなので、その時と変わらぬ熱演でした。
その時よりも、後半が丁寧でしたね。トリに相応しい一席でした。
さて、たから寄席 三遊亭遊雀&三遊亭兼好 二人会の点数は、86点。
次回は、十月だそう
です。