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このシリーズは、毎回中日を見ていたが、チケットが落日しか取れず、

初めて、落日の公演を観ました。今回は、こんな内容でした。

 


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1.たらちね/春松

初めて聴きました、春松さん。“春松”と聞いて思い浮かぶのは「磯春松」

ご存知の方もあるかと思いますが、有名な群馬県の日本料理屋さんです。

彼は、群馬出身?どうなんだろう?落日にしたので、春松くんが観れたようですね。

アナザーワールドは、5日間通しでやるので、談春師の弟子が五人同じ根多で、

その開口一番を勤めるらしいですからなぁー 『道灌』の時は全員『道灌』だったとか?!

これまで、中日で春樹と春太を観て、この日が春松。

談春師の弟子たちは、本当に、元気が足りないと、この春松にも感じます。

前座さんは、上手い/下手より元気です。楽しく元気にやって欲しい。

 

 

 

2.岸柳島/談春

延期が決定した「貴方が選ぶ60席からのBEST2」 所謂、白談春。

このリクエストで、1票も投じられなかった作品が3席あり、

この『岸柳島』は、そのうちの1席なんだそうです。驚きました。

前座時代からやっていて、二つ目の頃は十八番中の十八番だったはず。

なのに、あぁーそれなのにそれなのに、1票も入らなかったとは!?


この『岸柳島』を談春師匠で聴くのは2年ぶり、厚木での独演会以来でした。

談春さんは、同然、談志の型でこれを演じます。だから、キセルの雁首を落とす侍の、

この相手になる侍が、年寄ではなく若侍という設定で演じます。

その方が、スリルと臨場感が増す感じがして、落語より講談調になりますね。


今年は、正月に小田原の市民会館で三三くんの『岸柳島』を聴きましたが、

あれよりも、遥かに談春師の『岸柳島』の方が、手に汗握る展開です。

志らくの弟子の二つ目連中も、『岸柳島』を演じますが、貫目が違いますね。

それと、本人も言ってましたが、根性がネジ曲がったチンピラみたいな侍を演じさせると、

談春師匠の右に出る咄家は、本当に居ないと思います。そんな『岸柳島』でした。

 

 

 

3.高田の馬場/談春

通称・仇討ち屋と呼ばれている噺で、先の馬生師匠がよくやってました。

ガマの油売りが、件の口上を述べながら売をしていると、そこに一人の浪人風の老人が現れる。

年齢は、もう六十になろうかという老人の侍だ。そして、この老人がガマの油売りに、

二十年前に受けた古傷に、ガマの油が効くか、と尋ねる。

傷を見ないとわからぬと油売りの男がこたえると、

背中に受けた古傷を見せ、昔、不義を働こうとして受けた傷であると懴悔話をする。


それを聞いた、油売りの姉弟は、武家の名前をきくと「岩淵伝内」と名乗る。

「すわ、親の仇、我こそは…二十年前に貴様に討たれた…、」と仇名乗りをあげ 、

姉は「親のかたきぃ~!」。境内は騒然となった。

岩淵伝内は「観音の境内を血で汚すわけにはいかぬ」と、

翌日牛込高田馬場で巳の刻に果たし合うことを約して去っていく。


これを見ていた者たちから噂が噂を呼んで、

次の日、高田馬場は仇討見物の客でごったがえした。

臨時のかけ茶屋まで出る大にぎわい。

誘い合わせて仇討を見に来た男たちが、

茶屋に入り一杯やりながら刻限を待っていたが始まらない。


巳の刻をとっくに過ぎた頃、くだんの侍が徳利をならべてすっかり酔っぱらっているのを発見。

その武士に訳を尋ねると、岩淵伝内は仮の名前、

自分は仇討ち屋である、と言う。

ガマの油売りは自分の子ども達、狐につままれたような心もちの野次馬どもに、


「ああしておけば、本日ここに人が出る。

茶店の上がりの二割をもらって楽く~に暮らしておる」というオチ。


さて、談春さんの『高田の馬場』、勿論、悪くはない。

ガマの油の口上などは、本当に上手い。だが・・・

遊んでいいところが硬く、硬く続けたら良さそうなのにクスグリを入れる。


特に、「高田馬場」だけに、先の文治師匠のハッピーおじさん伝説を語りたくなるのだ。

これは仕方ないとは思うけど、もう少し短めで良いかと思います。

緊張を緩めるだけ緩めた後で、また緊張を高めようとすると、

客は、白けたり、疲れたりしますよねぇー


『高田の馬場』を談春師匠は30分掛けてやりましたが、

25分以下、20分ちょっとで仕上げて欲しいと思います。


 

 

 

さて、談春アナザーワールドⅨの点数は、85点です。

6月1日に、もう一度、にぎわい座でも『高田の馬場』は聴きま
す。