「犬鳴山」と「旧犬鳴トンネル」は名前が似ていますので混同されがちですが、場所も状況もまったく異なります。「犬鳴山」は大阪府泉佐野市にある“霊山”とされている山です。山に入ると渓谷や温泉もあります。春は桜・夏はホタル、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の景色が楽しめます。「大阪府の緑の百選」にも選ばれていて関西国際空港からも近いので、人気のレジャースポットになっています。
この山が”霊場”と言われているのは、約1300年前に開祖された真言宗犬鳴派の大本山「七宝瀧寺(しっぽうたきでら)」という修験道場があるからです。このお寺は「女人大峯」とも呼ばれ、女性も修業できる数少ない修験道場です。犬鳴山の由来となった「義犬伝説」は、猟師を大蛇から守ろうとした愛犬を「吠えて獲物を逃がした」と怒った猟師が、犬の首をはねてしまいます。ただ、そのはねた首のおかげで命拾いした猟師は、悔いて修験者となって殺した犬の供養をします。この話を聞いた当時の「宇多天皇」が感心して「犬鳴山」の勅号を授けたと伝えられています。
そのような由緒ある場所なのですが、私の印象は大きく異なります。実は私は今から約20年ほど前に、行方不明者の捜索でこの山に何度も入りました。そして「七宝瀧寺」や「行者の滝」なども何度も行ったのですが、結論は逃げるようにしてこの山を下りました。この山が力があることは間違いなのですが、私からするとその力は“危険で恐ろしい方向”へ向いているのです。実際この山では、暴行や誘拐事件も起きています。山に入り込んだまま足取りの途絶えた人が何人もいます。私が捜索した行方不明者も自殺願望を持ちながらこの山へ入っています。そのとき私はこの人はこの山の中で死んでいると感じたので、大阪府警の刑事にそのことを伝えて依頼者と一緒に捜索を頼んだ記憶があります。力の強い山だけに、力の向かう方向を誤ると命の危険にさらされることがあるのです。
一方「旧犬鳴トンネル」は、福岡県宮若市と久山町の境に位置し、しばしば“日本最恐の心霊スポット”などと言われています。その発端となった事件は1988年12月に起こりました。10代の少年グループが、20代の男性へ「車を貸してくれ」と言って断られたことに逆上して、仲間の家に監禁後、このトンネルへ連れて行きました。そして凄惨な暴行を加えた後、ガソリンをかけて焼き殺したのです。この事件はただちに全国に報道されて「旧犬鳴トンネル」の名前は一気に広がり、心霊スポットのイメージが作り出されたのです。そして2020年に公開された映画「犬鳴村」によって、そのイメージは定着しました。
実際、「旧犬鳴トンネル」では数々の都市伝説や心霊現象が報告されています。まずはトンネルの周辺に「この先、日本国憲法は通じません」という看板が立っていたという話。トンネルの先には地図から抹消された村があって、侵入者は村人に襲われるという話が有名です。実際にはそのような村はありませんが、トンネルの先には1989年に廃村となった「犬鳴谷村」という集落がありました。そしてこのトンネルを出たら、「車に無数の手形が付いていた」とか「犬の泣き声や女性の声が聞こえた」といった話が後を絶ちません。
ただ現在は、「旧犬鳴トンネル」は、行政によって「立ち入り禁止区域」になっていますし、入り口がブロックやフェンスで完全封鎖されているので中に入ることはできません。それでも肝試しや心霊ファンの訪問者がしばしば訪れています。私からすると、この2か所は場所と内容は異なりますが、どちらも危ないエリアであることは間違いありません。もし、ここに棲む者たちとあなたの霊的な波長が合ってしまったとき、何か取り返しのつかない落とし穴に落とされてしまう可能性は十分です。近づかないでください。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方