第１５５１回　しっぺ返し（２）

　電話の向こうが静まり返ったのは、憑依していた不浄霊が抜けたからです。それでも確認のために私はきついお経を唱え続けていました。しかし、電話からは何の音も聞こえてきません。不浄霊は非常に狡猾なので、祓われたように見せかけてまだ隠れていることがしばしばあります。しかし、強いお経を入れ続けて、それに黙って耐え続けることはできません。きつい戦いが終わりました。あとは10日ぐらい様子を見て、舞い戻って来なければ大丈夫です。それは祓った不浄霊はまだ現世にとどまったままですから、しばらくして戻ってくることがまれにあります。そうならないように不浄霊には苦しい思いをさせて二度と戻らないように強く祓います。さらに家には結界が張ってありますし、霊に対抗するパワーストーンも持っています。それでも波長の近い人に憑依すると、不浄霊はそれだけ居心地が良いのでまた戻ってくることがあるのです。私は状況を本人に説明して遠隔除霊を終えました。何よりも苦しかった本人が楽になって本当に良かったです。

　私がそれでホッと胸を撫で下ろしていたのもつかの間、私に立て続けに嫌なことが起こり始めました。私は若い頃に指を遣い過ぎて腱鞘炎になっています。それは左右の小指を除いた8本です。今は更新していませんが、私のYouTubeチャンネルを見ていただけると、両方の指にいつもテーピングをしているのが分かります。それはまず、指にロキソニンテープを貼った後、その上からテーピングをして固めていきます。そうしないと指を使う時に“ガクッ”と折れて強い痛みが走ります。本当は8本の指すべてを固めておきたいのですが、この作業には時間がかかるのでいつもその時に特に痛い３～4本だけテーピングしてその他の指は痛みを我慢しています。

　私は除霊が終わって喉がガラガラになりましたから、コップに飲み物を注いで右手で掴みました。それを口まで運ぶ間に指に突然痛みが走りました。そして飲み物をテーブルにこぼしました。そこには除霊の前に書き終えていた霊符が4枚置いてありました。飲み物でびしょびしょになった霊符は、すべてが作り直しになりました。次はパソコンで1時間以上かけて書き終えたメール鑑定の回答を指が震えて消去のキーを叩いて消してしまいました。これから保存しようと思っていた時でしたので、この回答も一から書き直しになりました。さらにはマンションの駐車場で車を出すときに柱にボディーを擦って傷つけてしまいました。私の車にはセンサーが付いていますので障害物があれば警告音が鳴って教えてくれるのです。しかしなぜかその時に限って警告音は鳴らなかったのです。これらはどれも命にかかわるような大事ではありません。ただ、気持ちは凹みますしイライラします。この遠隔除霊によって強い霊障を受けたわけではありませんが、終わってから自分の状態が何かいつもと違うのです。こんな不快な状態が丸1日続いたため、翌日に知り合いのところへ行って私の除霊をしてもらいました。

　これは遠隔除霊で祓った不浄霊が、抜けていく時に私につながっていたため“しっぺ返し”をしていったのです。霊障のように大きな影響を出さなくても、私のしている無意識の選択やタイミングを微妙にずらしてりして、物事が上手く行かなくなるようにしていきました。強烈な痛みや苦しみが伴わなくても、こういった嫌がらせはかなり不快にさせられます。霊に対処するということは、さまざまな形で苦痛や不快感を与えられることを改めて実感しました。

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