第１５３４回　土地の波動

　先日、引っ越しをしてから不幸が続いているという方から、「新しい住まいには何か悪いものが憑いているのではないか」と相談を受けました。話を聞くと引越しをしてすぐにご主人が会社で異動になって閑職へ回されました。本人からすると「このような“懲罰人事”を受ける理由はない」とのことで、かなり腐ってしまいました。また、お子さんが“絶対に大丈夫”と言われていた都立高校の受験に失敗して、仕方なくランクの低い私立高校へ通い始めました。息子さんもかなり凹んでしまい、高校ではお友達もできないようです。そしてお母さんは、５年もパートをしていた近所のスーパーを不景気を理由にリストラされました。他にも細かなトラブルが毎日のように続いて、家の中の雰囲気は暗く殺伐としてしまったのです。

　引っ越しは以前住んでいたマンションが手狭になっていたために、２年前から良い物件はないか不動産情報をチェックしていました。そして同じ沿線の２駅先に手ごろな中古一戸建て見つけて購入しました。通勤・通学の時間はほとんど変わりませんし、家は一部屋増えて広くなり、家族全員が喜んで引っ越してきたのです。しかし、新しく引っ越した家は、近所にうるさい人が住んでいて、引っ越し当日にトラックの止め方を注意されました。その翌日には出したゴミの分別に間違いがあって、ゴミ当番の奥さんから苦情を言われました。夢や希望を持って引っ越してきた一戸建て住宅でしたが、トラブル続きで気持ちは落ち込むばかりです。そこで不安になって私に相談してきたのです。

　私は家の中や外観の画像を送ってもらい状況を確認しました。その時点で原因はある程度は感じていました。ただ、実際に家まで訪問してみて問題の原因ははっきりしました。家を含めた周辺の土地が悪いのです。引っ越してから悪いことが続くとき、その理由はさまざまにあります。ただ、土地の波動が問題になる場合、そこに住む人の波長と土地の波動が合わない（ずれている）ケースがほとんどです。しかし今回のように、波長と波動が合わないのではなく、その土地自体が悪いということもまれにあります。

　たとえば古戦場の跡地だったり、洪水や地震などでたくさんの人が亡くなっていたり、昔お墓だった場所を造成して住宅を建てていたケースもありました。このような場所に家を建てて生活していると、体がその状況に反応して悪くなったり、目に見えないタイミングが悪くなったり、運気が下がることは間違いありません。その結果、いつもイライラしたり、不平不満ばかり頭に浮かんだり、意欲が減退して鬱のようになることもあります。この家に引っ越して、ご近所からさまざまな苦情を言われるのは、一見すると相談者がまだこの地域のルールをよく理解していないことに起因しています。しかし、根本的な理由はこの地域（町内）の土地の悪さが原因です。きっとこれから近所の様子が分かってくると、病気で寝たきりになっている人がいたり、犯罪に手を染めて警察の厄介になる人がいたり、隣同士でいがみ合っている家があったり、町内全体がトラブルの“るつぼ”になっています。そんな生活不安や将来の心配が絶えないため、近隣の人たちはいつもイライラや怒りを抱えながら生活しています。だから新しく引っ越してきた弱い立場の”新入り“がいれば、何かにかこつけて文句を言ってくるのです。ですから相談者が、指摘された問題を改善しても、近所からの苦情は無くなりません。また何か事あるたびに、因縁を付けられるように、近所からのクレームは続きます。結論から言えば、住んではいけない場所に、越してきてしまったのです。

　ただ、そうかといって、買ったばかりの家をすぐに売ってまた引っ越しをするわけにもいきません。私はこのことを伝えた上で、家の敷地に結界を張って、ご家族はお守りを携帯することで、土地の悪影響を最低限に抑えることにしたのです。

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