「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」は、滋賀県と京都府にまたがる比叡山の山中で行われる天台宗の回峰行(=山中の300か所の聖地を巡礼する修行)です。私を含めて多くの人は、「千日回峰行」は1000日間続けて、ほとんど飲まず食わずで山の中を走り回る修行だと思っているのではないでしょうか。しかし、調べて見ると実態は違います。まずは先達(修行を導く指導者)から戒を受けて、「千日回峰行」の作法と所作を学んでから、“回峰行初百日(この期間中は、修行者は深夜2時に出発して真言を唱えながら、毎日30キロの山道を歩き、山中の260か所の礼拝所を巡る。もし途中で行を続けられなくなったときは、自害を覚悟して臨む)”を行います。この”回峰行初百日“が満行後に、先達会議で認められた者が「千日回峰行」に入れます。まず、行に入ってから3年目までは、1年間で100日間連続で比叡山の山中を歩きます。4年目・5年目は1年あたり200日間連続で歩きます。この5年間、計700日間の回峰行が満行すると、”堂入り”と言われるさらに過酷な修行に入ります。

 行者はまず自分の”生前葬“を行ってから、比叡山の中にある「無動寺明王堂」で9日間の断食・断水・不眠・不臥の四無行(=食事をすることも、水を飲むことも、眠ることも、横になることもできない修行)に入ります。行者はここで1日3回の勤行をするとき以外は、飲まず食わずでひたすら不動明王の真言を唱え続けるのです。勤行では毎晩深夜2時に近くの井戸で水を汲んで堂の中の不動明王に供えます。それ以外、堂の外に出ることは許されず、10万遍のご真言を唱え続けます。

 堂入りが満行して「堂さがり」をすると、行者は生身の不動明王とも言われる”阿闍梨“となり、信者たちの合掌で迎えられます。この日から行者は自分のために行う”自利行“から衆人のための”利他行“へ入ります。そして、6年目に入ると、これまでの比叡山山中の行程に、京都の「赤山禅院」への往復が加わって1日60キロを100日間歩きます。最後の7年目は、最初の100日間は、京都を大回りするルートで、1日84キロを歩きます。後半の100日間は、比叡山山中を30キロ歩くルートに戻ります。こうやって7年間、実際に歩く日数は975日の修行を満行すると「北嶺大先達大行満大阿闍梨」と称されて、京都御所内を土足で参内して加持祈祷をすることが許されます。この修業は平安時代に始められたと言われ、この行を生涯で2回終えた人は3人、3回終えた人も1人います。さすがに4回満行した人はいません。この行は、“悟りを得るためではなく、悟りに近づくことを理解するための修行”と言われています。

 ここまでの苦行を7年間行ったなら、霊的に見ても間口が開いて、霊的な感性を得ることは間違いありません。臨死体験を975日間毎日繰り返しているようなものだからです。本来なら修行によって霊的なセンスを得るなら、これくらいの厳しい修行を積まなければならないことを「千日回峰行」をニュース映像などで見るたびに思い知らされます。私にはこのような苦行は到底行うことはできませんが、霊能者の一人として、常に自分を律することを求めていかなければならないと感じさせられます。

 

 

2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。

 

霊界が教えてくれるこの世で幸福になる方法

 

■書名

霊界が教えてくれる

この世で幸福になる方法

■著者:霊能者SHUN(シュン)

■四六判248頁

■定価1650円(本体1500円+税10%)

■ISBN978-4-341-08818-7

■発売 株式会社ごま書房新社

 

 

 目次

序章:地球の誕生と人類の出現

第一章:霊界の存在とその仕組み

第二章:人の縁の不思議

第三章:心霊スポットが危険な理由

第四章:霊障は理不尽なもの

第五章:先祖と私たち

第六章:この世の上手な過ごし方

 

シュンさんのX ここをクリック!

 

シュンさんのYouTubeチャンネル ここをクリック!

 

シュンさんのホームページ ここをクリック!