その日の夕方、A子さんは会社の「女子トイレ」へ入りました。そして洗面台の鏡を見ながら髪の毛を整えていると、A子さんの後ろを同じ制服を着た女子社員が通り過ぎました。横顔が鏡に映りましたが、その女性は今日、資料室で会った社員でした。A子さんはあいさつをしようとしてその女性の進む方向へ目をやりました。しかし、トイレにはA子さん以外誰もいませんでした。

~あれ、確かにあの女性が鏡に映っていたのに…気のせいかな~

 そう思いましたが特に深く気に留めることはありませんでした。その日の夜、A子さんは久しぶりに“金縛り”に遭いました。それは数年ぶりのことでした。体は重く動かせなくなり、息が詰まりましたが、それ以外特に変わったことはありませんでした。翌日、会社でエレベーターに乗る時に、また資料室の女性が遠くに見えました。離れていたので声はかけられませんでしたが、会釈だけでもしようと思いました。しかし、改めて体を向けるとその女性はまた消えていました。それからも社内でこの女性とはたびたび遭遇しました。しかし、声を掛けようとしてもいつもどこかへ消えていて喋ったことはありませんでした。A子さんは資料室で初めて会ったときのこの女性のはにかんだ笑顔が忘れられませんでした。

~一度、ちゃんとお話ししてみたいな?~

 いつもそんなことを考えながら通り過ぎていたのです。やがてこの女性とは、町の中でも何度か会うようになりました。横断歩道の反対側やビルの角などでしばしば見かけるようになりました。ただ、いつ会ってもこの女性は会社の制服を着ていました。そのことにA子さんは少しずつ違和感を感じるようになりました。そしてこの女性はとうとうA子さんの住んでいるマンションの前までやってきました。家へ帰る時、マンション横の電柱の影に立っている姿を目撃したのです。

~何でここにいるの?~

 A子さんはだんだん怖くなってきました。そして翌日、会社へ行ったら、この女性がどこの部署の人なのか、先輩に尋ねてみようと思いました。その日の夜、A子さんはまた金縛りに遭いました。そしてこの女性が部屋まで入ってくると、A子さんの上に乗ってきました。そして顔を目の前まで近づけると

「そんなに私のことが気になるの?だったらずっと一緒にいてくれる?」

 そういって夜叉のような表情でA子さんを睨みつけました。翌日、出勤したA子さんはこの女性のことを尋ねてみようと思い、先輩社員のデスクへ行きました。すると先輩社員のデスクの上には写真立てが置かれていました。そして中の写真には先輩社員とこの女性が写っていたのです。Aさんはあまりのショックに声が出ませんでした。そして唖然としてその写真を凝視していると、

「あなたも会ったのね、B子っ言うんだよ、私と同期の子でね、明るくて優しくてみんなに好かれてたの…」

先輩はそう言うと言葉を詰まらせました。

 先輩によると「東日本大震災」の時、B子さんはたまたま資料室で仕事をしていました。そのときに倒れてきた大きな書棚と本棚につぶされて大ケガしました。出血が止まらない中で、挟まれたB子さんは身動きが取れなくなり、そのまま資料室で亡くなったのです。資料室には滅多に人は入らないので、そのことにしばらく誰も気づきませんでした。「東日本大震災」では東京でも天井や壁の崩落で7人の方が亡くなっています。

「あの子、会社が大好きだったから、まだ会社から離れないんだね…」

先輩はそう言うと涙をぬぐいました。

 

 

2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。

 

霊界が教えてくれるこの世で幸福になる方法

 

■書名

霊界が教えてくれる

この世で幸福になる方法

■著者:霊能者SHUN(シュン)

■四六判248頁

■定価1650円(本体1500円+税10%)

■ISBN978-4-341-08818-7

■発売 株式会社ごま書房新社

 

 

 目次

序章:地球の誕生と人類の出現

第一章:霊界の存在とその仕組み

第二章:人の縁の不思議

第三章:心霊スポットが危険な理由

第四章:霊障は理不尽なもの

第五章:先祖と私たち

第六章:この世の上手な過ごし方

 

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