先日、「睡眠と意識の謎」について研究者が書いた本が発売されて、すぐに3刷も増版されて話題になりました。睡眠は数多くの研究者が注目していますが未だに謎の多い分野です。そもそも睡眠とは、単なる休息ではなく、心と体の健康を支える重要なプロセスです。その役割の大きさは、睡眠をとらないでいた時のことを考えれば良く分かります。私は若いころのサラリーマン時代に、非常に忙しい仕事をしていました。その部署では老若男女を問わず、1週間に1日か2日は徹夜で働くような職場でした。最も忙しかったときは、忙しい仕事が重なったことで、2日連続で徹夜で働いて、それから2日間は普通に睡眠をとった後、3日連続で徹夜で働いたことがあります。1週間に5日間徹夜で仕事をしていたのです。眠らない状態が長く続いてくると、”不眠ハイ“と言われるように、意味もなくテンションが高くなります。職場の中でやたら大声で話し続ける人や不意に笑い出す人、もちろん目を空けたまま寝ている人もいました。感情が不安定になり、意識障害や認知障害が出ている人もいました。
1963年にアメリカの高校生「ランディ・ガードナー」は、世間から注目を浴びるような科学実験をしたいと考えていました。そこでランディは、「人は眠らなかったらどうなるか」断眠の実験を思いついて、自分の身体でそれを検証しようとしました。1963年12月28日、ランディはクリスマスの休みを使って挑戦を始めました。まず、協力者を頼んで、ランディが眠ってしまわないように常に話しかけてもらったのです。徹夜2日目になると、彼は目の焦点を合わせることが難しくなってきて、テレビを見なくなりました。3日目になると情緒が不安定になって吐き気を催しました。4日目になると幻覚や妄想が現れて、道路標識が人間に見えたり、自分が偉大なフットボールプレーヤーと自慢したりしました。そして7日目になると言語が不明瞭になって、まともに話をすることが出来なくなりました。そこでもう実験を中止してもよさそうなものですが、ランディはさらに耐え続けて、1964年1月8日まで、11日間264時間の断眠記録を達成しました。これは当時の世界最長記録ですが、ギネスブックは断眠の危険性を鑑みてこの記録を認定しませんでした。
この実験が続いてからランディは専門家の観察を受けていました。そして断眠を中止した後、“いったいどれくらい眠るのか、またどのような後遺症が出るのか”専門家は注目しました。11日ぶりに眠りに入ったランディは15時間経って目覚めました。それから軽い、記憶障害や睡眠サイクルの乱れがありましたが、それも10日ほどで改善されて正常な睡眠サイクルに戻りました。さらに心身を検査したものの特に異常は認められませんでした。それは6週間後や7か月後の検査でも同じでしたから、11日間眠らなくても心身に大きな影響が残ることはありませんでした。ただ、この実験から40年が経過したころに、再びインタビューに応じたランディは、後年、深刻な睡眠障害に陥って「毎晩眠ることが出来なくなった」と語りました。この後年の不眠症とこの実験との因果関係は定かではありませんが、睡眠時間をとらないことが健康に悪影響を与えることは今では常識になっています。
私の場合はまた別の意味で睡眠に注目しています。睡眠中の“夢”は霊体験と重なることが多々ありますし、眠りに入る前や起きた直後の“まどろんだ状態”は、脳の波長が“α波”になりますので、それも重要な意味を持ちます。それは私が除霊や祈祷などさまざまな施術を行う時、脳の波長がα波であることがポイントだからです。そしてα波は睡眠の前後にも発生するものだからです。ですから霊能者は覚醒時でも、脳の状態を睡眠の前後のようなリラックスした状態にする“訓練”をしなければなりません。それは多くの場合、座禅や瞑想、内観などを通して行います。(2)へ続く
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方