かなり古い話ですが、テレビで犬の映画を見ました。主人公は確か山口県か島根県か、本州の西端に住んでいる中学生ぐらいの女の子です。ある日、この子の元に生まれたばかりの子犬がやってきました。それは「犬が飼いたい」といつもおねだりしていた娘のために両親が子犬をもらってきたのです。少女は両親と約束した通り、一生懸命に犬の面倒を見ました。餌をやったりトイレの始末も自分でやりました。晴れていれば必ず犬を連れて散歩へ出かけます。散歩から帰るとタオルで体をふいて家の中へ入れます。そして夜は犬をベッドへ入れて一緒に寝ていたのです。
そんな生活が10年ぐらい続いた後、少女は学生時代からお付き合いをしている彼氏と卒業を機に結婚することになりました。ただ、ここで大きな問題が生じました。彼氏は地元の学校を卒業した後、東京の会社へ就職が決まりました。そしてまだ貯えも無い二人は、結婚後、会社の社宅で一緒に暮らすことになったのです。社宅ではもちろんペットは飼えません。そうなると彼女は家族のように仲の良かった犬と別れなければなりません。彼女はそのことをずっと悩みましたが、好きな彼氏との将来を優先することにしたのです。引っ越しの日、彼女は号泣しながらずっと犬を抱きしめていました。しかし、駅へ向かう自動車は、彼女一人を乗せて、実家を離れて走り去っていったのです。
それから何日か経ったとき、東京の社宅に実家の母親から連絡が入りました。彼女が大切に飼っていた犬が、散歩の途中でお母さんを振り切って逃げだしてしまったのです。実家の家族は必死になって近所を探し回りました。しかし飼い犬を見つけることはできませんでした。そして1年が経過しました。その間、映画の中では、犬は本州の西端から大好きな飼い主に会うために走り続けていました。食べ物が無くなればフラフラになってゴミ置き場のゴミをあさりました。喉が渇けばドブの水を飲みながら、その足取りはしっかりと東京を目指して進んでいたのです。その途中で、薄汚れて野良犬のようになった犬を保護して飼ってくれた飼い主にも出会いました。その飼い主は犬の身体をきれいに洗い、食事と寝床を与えてくれました。そして首輪を付けて散歩にも連れて行ってくれました。その犬にとっては第2の優しい飼い主に巡り合えたのです。しかし、その犬は元の飼い主に会うことを諦めませんでした。その優しい飼い主の元も脱走して、ボロボロになりながらも東京を目指したのです。
東京ではクリーニング屋の自転車が届け物の洋服をカゴに入れて多摩川沿いの土手を進んでいました。出来が合った洋服を依頼者の家まで配達していたのです。すると川原から一匹の野良犬が飛び出してきました。そして洋服を入れたカゴに飛び掛かり、一着の女性用の服に嚙みつきました。店員は必死で犬を追い払いました。しかし預かりものの洋服は犬にかまれて破けてしまったのです。店員は届け先の近くまで来ていたため、依頼者の家へ行って謝罪しました。そして事情を話している時、クリーニングを頼んだ女性は気が付きました。店員が話す野良犬の姿が、1年前に別れた愛犬と重なったからです。女性は家を飛び出して多摩川の土手へ走りました。土手の道は大きな夕日に照らされて真っ赤に染まっていました。その土手を一匹の犬と女性が走り寄り抱き合いました。そしてこの話は実話であることが字幕で流されました。この感動的な場面は今でも覚えています。人は離れていても人とつながることができます。同じようにどれだけ離れていても人と動物も思いをつなげることはできるのです。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方