第１４５１回　霊の見え方

　先日、私は「霊が見える時、体の一部分だけが出てくることはありますか？」と質問を受けました。私はすぐに「はい、霊体は多くの場合、生きている人間と同じ姿で出てきますが、体のパーツだけが強調されて現れることもときどきあります」と答えました。それは私自身が、そういった姿形で現れた霊体と何回も遭遇しているからです。よくあるのは“目”です。球体の目玉だけが出てくるのではなく、車のルームミラーに写る自分の目のように、左右の目玉を含めた周囲だけが現れたことが何度かあります。それは非常に小さくてベッドと壁の隙間からこちらを見ていたり、洗面所の排水溝の入り口からこちらを睨んでいたこともあります。毎日、目が出てきたときに「今日は出てこないな」と思いながら町を歩いていると、目上げた空の４分の１ぐらいな巨大な両目が目玉をギョロギョロ動かして私を見ていたこともあります。大きさはその時によってさまざまですが、スキーのゴーグルを目から外したときのように、両目の部分だけが現れてきます。それは夜、ベッドに入ってなかなか寝付けないときに、ふと天井に目をやると、私を見つめている視線と目が合ったこともありました。

　顔のパーツで言えば、口だけが出てきたこともあります。口は食卓に並んでいた料理に口のようなものが見えて「魚の口でも誤ってついてしまったのか」と思った瞬間、その口がパクパクと動き出して移動して行きました。またあるときは鏡の付いているエレベーターに一人で乗っているたときに、何気なく見た鏡に私の顔ぐらいの大きさの口が写っていました。その時はその口に吸い込まれそうで一瞬恐怖を感じてすぐに降りました。しばらくして再びそのエレベーターに乗ると、さっき嗅いだ口臭の匂いが残っていたのです。

　他にも手とか足といった体のパーツだけが出てきたこともあります。一度は夜、寝ているときに細くて長い指をした節のない手が出てきました。この特徴的な手の形はまさに私の手でした。夢の中に出てきたその手は、目を覚ますと部屋のタンスの上を指を足のように動かしながら生きのものように這っていました。私はまるで自分の手が、手首から切断されたようで見ていて気持ち悪くなりました。このときは浄霊を実行中で、対象となる不浄霊と一日中やり合っていました。こういった光景を私に見せて驚かしたのは、不浄霊から私に対する“警告”であり、”脅し“だったのです。「お前ごときがオレを祓おうなどと、ふざけたことをするんじゃない！お前の手をこうやって切り落としてやろうか？」という脅しです。除霊や浄霊で不浄霊と対峙するとき、ほとんど毎回、不浄霊は上から目線で脅しをかけてきます。その一環として、体全体の姿ではなく、体のパーツだけを見せてくることがあります。

　あとは亡くなった霊体が、良い意味でも悪い意味でも自分の身体の中でそのパーツを強く意識していた時に、その部分だけが現れてくることもあります。目がとてもかわいらしくて、周囲の人からいつも目を誉められていた女性が、亡くなったあとも、自分の目を見てもらいたくて、目だけが現れるようなケースです。逆に自分の手や足にコンプレックスを持っていて、いつも気にしてその部分ばかり見つめていた人は、死んだ後もそれが気になって、その部分だけ強調されるケースです。このように理由は異なっても、体の一部分だけが現れてくることは、決して珍しいことではありません。

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