先日のこのブログで、霊は死んだときの状態が(腐敗臭などが)“霊臭として臭っていることがある”と話しました。以前、私に相談した人は、夜間に山の峠道を車で走りに行った帰りに、山道で迷って不思議な体験をしていました。その人は“走り屋”の若者が集まることで有名な峠道で深夜に競走した後、峠を越えて国道を下っていました。途中にはダムにかかる橋があって、この橋は心霊スポットとしても知られています。この橋を一気に通り過ぎて国道を下っていると、ガードレールで区切られた歩道に白い服を着た女の人が立っていました。その人は車道に背を向けていたので顔までは確認できません。ただ、白い服のところどころに泥が付いて黒く汚れていました。スピードを出していたので一度は通り過ぎたものの、深夜の山の中に女性が一人でいたのでは、事件や事故に巻き込まれる可能性もあります。気になった相談者は、すぐにギアをバックに入れて、女性のいた場所まで急いで戻りました。
すると女性は先ほどと同じ場所にまだたたずんでいます。相談者は車を女性の隣に止めると助手席の窓を開けて大声で声をかけました。
「大丈夫ですか?こんな時間に女性が一人じゃ危ないですよ、私はこれから山を下りて町まで行きますから、良かったら麓まで乗っていきませんか?車なら15分で着きますよ」
そう言って女性を覗き込みました。するとその女性はこちらを向いて小さな声で
「ありがとう」
と言いました。髪の毛が顔にかかって顔は良く見えませんでしたが、20代前半ぐらいに感じました。そして助手席のドアロックを解除すると、その女性はドアを開けて車に乗ってきました。そして相談者はすぐにエンジンを吹かして山を駆け下りました。麓の町までは峠を越えて一本道です。途中、ただうつむいている女性に気を遣って、一言二言話しかけて見ました。
「これからどこまで帰るのですか?」
「………かながわ」
「それじゃあ、まだ朝まで電車は動きませんよ、もしよければ家の近くまで乗っていきますか?夜中ならすぐに着きますから。神奈川のどこですか?」
ここは山梨県ですが、相模湖を抜けていけば神奈川ならすぐです。横須賀や三浦方面では大変ですが、手前なら1時間以内に着けます。
「………あつぎ」
女性は小さくてもはっきりした声で、そう答えました。相談者は
「厚木ならここから1時間はかかりません。市内に入る前に声をかけますから、道を教えてください」
そういって対向車のいない深夜の山道を軽快に走りました。
「ありがとう」
ふとそんな声が聞こえた気がしました。飛ばしていたので景色を見る余裕はありませんでしたが、ようやく赤信号で停止するとあたりは完全に町中に入っていました。街路灯や看板の明かりがかなり目立つようになっていました。そして隣の席を見るとさっきまで話していた女性はいなくなっていました。相談者は慌てて車を路肩に止めると助手席やドアの周りを確認して回りました。ドアノブとシートには水がぐっしゃりと付いて濡れていましたが、女性の姿はどこにもありませんでした。ただ、車内には生臭い臭いがこもっていたため、車の窓を全開にして帰りました。
私は相談者の依頼を受けて車のお祓いをするとともに、女性を載せた場所まで行って、相談者と二人でこの女性の霊を供養をしました。私にはこの女性が今でもこの山間のダムの下に眠っている様子が浮かんでいました。
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■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方