ロシアの大作曲家「セルゲイ・ラフマニノフ(1873年4月1日~1943年3月28日)は、アメリカ国内で最後の演奏旅行へ出た時に、体調が急変して重体に陥りました。そのため演奏旅行は急遽中止になり、ラフマニノフはビバリーヒルズの自宅へ運ばれました。この家はラフマニノフが以前から「私はここで死ぬだろう」と、終の棲家になることを予言していた家でした。1938年3月28日の夜、ベッドで寝ていたラフマニノフの容体は悪化します。寝室には急を聞きつけて家族や友人が集まっています。やがてラフマニノフの息遣いは荒くなり、眠ったように意識を失って動かなくなりました。室内にいた人たちは、“いよいよ最期の時がきたのか”と考えて静まり返りました。そのとき突然、ラフマニノフは目を開けて意識を取り戻したのです。そしてハッキリとした口調で「今、私の最後の音楽が聞こえた」と言って目を輝かせました。しかし、実際にこの部屋にいた人たちは誰一人としてその音楽を聴いていません。ラフマニノフは自分が耳にした人生最後の音楽のことを周囲に説明しようとして熱心に話し始めました。しかし、友人の一人が、「この部屋は今、静まり返っています。あなたが聴こえたという音楽についても誰も聴いていません」と答えると、ラフマニノフは周囲に説明することを諦めて静かに語りました。

「では、私の頭の中で鳴っているのであろう」

そう言うとまた、目を閉じて眠り、間もなくして亡くなりました。

 後からこの話を聞いた人たちは、「あのとき周囲にいた人たちは、どうしてラフマニノフに“どんな音楽が聞こえたのか”を尋ねなかったのか?」と、残念がりました。もし、近くにいた友人が、”音楽なんて何も聞こえていない“と答える前に、誰かが”その音楽はどのような曲調だったのですか?“或いは、リズムやテンポはどうでしたか?”つまり、「音楽が聞こえた」というラフマニノフの話を否定するのではなく、“自分には聞こえなかったけど、この天才作曲家には何かのメロディーが聞こえたのかもしれない”という肯定的なスタンスで話を引き出すべきでした。もし、そうやってこの曲の話を進めていれば、世界的大作曲家が人生最後に作った幻の名曲が、ワンフレーズでもこの世に残されていたかもしれないのです。その曲が“室内で本当に鳴っていたのか、いなかったのか”は、大きな問題ではありません。ラフマニノフが「音楽が聴こえた」というその言葉をきちんと受けて止めていれば、その旋律がどのようなものだったのか、そこへ興味が注がれるはずなのです。

 考えて見ればほとんどの人は、自分の目に見える世界だけが現実の世界だと思っています。しかし、死を前にしたたくさんの人たちが、現実には目の前にいるはずのない人と会話をしたり、その存在を感じている以上、目に見えない世界も現実に存在していることを謙虚に受け止めるべきだと思います。そうやって目には見えなくても話の内容にきちんと耳を傾けたり、一緒にその世界を感じることが出来れば、私たちはそこからたくさんのメッセージを受け取ることができます。それができなかったばっかりに、偉大な作曲家が人生最後に残した貴重なメロディーをこの世に残すチャンスを失ったのです。(3)へ続く。

 

四条大橋

 

【2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。

 

霊界が教えてくれるこの世で幸福になる方法


■書名

霊界が教えてくれる

この世で幸福になる方法

■著者:霊能者SHUN(シュン)

■四六判248頁

■定価1650円(本体1500円+税10%)

■ISBN978-4-341-08818-7

■発売 株式会社ごま書房新社

 

 目次

序章:地球の誕生と人類の出現

第一章:霊界の存在とその仕組み

第二章:人の縁の不思議

第三章:心霊スポットが危険な理由

第四章:霊障は理不尽なもの

第五章:先祖と私たち

第六章:この世の上手な過ごし方

 

シュンさんのX ここをクリック!

 

シュンさんのYouTubeチャンネル ここをクリック!

 

シュンさんのホームページ ここをクリック!