警察署からの依頼を受けて身元不明の遺体の歯や口の中の状態と、生前に歯科治療を受けた際のカルテ記録やレントゲン写真を照らし合わせて本人の確認を行う歯科医師のことです。
昭和60年の日航機墜落事故を契機に広く知られるようになりました。
歯は人体の中で一番の硬さを持っており、高温にも強く、肉体や骨が朽ちた後でも残り安い部分です。
また、指紋と同じように並び方、治療痕が同じ状態の口腔内が少ないことからDNA鑑定と共に使われています。
未だ記憶に新しい2001年の貿易センタービル爆破事件では、身元が判明した遺体の35%、2004年のスマトラ島沖地震によるタイの津波災害では56%が歯や口の状態から身元確認されました。
このように大規模災害で多数の遺体が発生する場合には生前の歯科データをもとに高確率の絞り込みが可能となっているのですが、2011年の東日本大震災ではデータが歯医者ごと流されてしまったため、警察歯科医による本人確認は困難を極めたそうです。