検査の翌日。(6月3日)
症状は明らかに悪化。
呼吸はかなり苦しそうで瞬膜が出てくる事も。
お世話になっている病院へ電話にて相談。
症状を伝えても、FIPだった場合はこの病院での処置に限界があるのはすでに聞いており、他の治療法についてしっかり調べていたので、意を決して主治医の先生に治療の為のセカンドオピニオンを具体的に薬と病院の名前を上げつつ相談。
すると、ここからは個人的な意見ですがと前置きした上で、
『治療へ向かう気持ちがあるならすぐにその病院へ行ってください』
と勧められ、FIPの治療実績のある病院へ電話。
ショップと提携している病院ですから、契約の内容も知っているわけで、先生としては私の考えがわからない以上、めったな事は言えない状態だったと思います。
こちらの決意を確認できた事で、[個人的な]ではありますが、踏み込んだ話をしてもらえました。
この時に具体的に治療薬としてあげたのは
モルヌピラビル。
人間用の抗ウイルス剤ラブゲリオです。
かつてはMUTIANとかGS-441524、レムデシビルなど、非常に高価な薬(60〜150万)が必要でしたが、最近は比較廉価なモルヌピラビルによる治療が一定の成果をあげているみたいです。
薬の話をした所で更に先生が、
『インフルエンザの治療に使われているタミフルとかと同じで、効果を上げるにはタイミングがある。
症状から考えると、すぐにいった方がいいです。』
と言われたので、すぐにその病院へ電話してみました。
その病院は時間外でしたが症状とこれまでの経緯を話すと診てもらえる事に。
車で40分程の距離です。
行きの車内。
大人しいと言うよりぐったりしている小麦を見て、チョビの最期を思い出していました。
お迎えした以上、お別れは避けられない。
だけど、それは今ではない。
今でいいはずがない。
涙が出そうになるのを堪えて治療へ向かう気持ちをしっかり固めて病院へ。
病院到着後、待っている間に前の病院での検査結果を取り寄せてもらいつつ、電話で話をしているのが聞こえてきます。
その間、胸水を抜いてもらうと
少しと言われたのですが20cc。
やはりかなり溜まってました。
検査の結果からはやはりFIPの可能性がかなり高い事。
血液検査の結果も一日で悪化していて、もしもFIPだった場合、確定してからでは手遅れになる可能性がある事などから、FIPの治療に踏み切る事に。
投薬開始です。
貧血の状況とか、他の症状も考えつつ粉薬で調薬していただき、飲ませ方を教わって帰宅。
胸水を少し抜いてもらって楽になったのか、帰りの道中は車の中でぐっすり寝ていた小麦。
帰宅後はサークルで隔離。
後は薬が効いてくれるのを祈るのみ。
一般にモルヌピラビルによる治療はまだデータが少なく、副作用とかは未知数な部分もあります。
しかも、ただ薬を飲ませれば治ると言う簡単な物でもなく、症状を把握しつつきめ細かな量の調整、他の症状への対処が必要だそうです。
ですが、ステロイド剤やインターフェロンの対処療法のみでは、多少の延命にはなるものの最終的にはほぼ100%亡くなってしまうそうです。
ならば、確実ではなくても助かる道を選びたい。
うちはそんなに裕福でもありませんが、投薬84日、トータルで15万円程ならなんとかなります。
ましてや生体の返却なんて絶対にありえない。
できる限りの手を尽くします。
次の通院は4日後の6月7日。
実際に足を運んだ病院は治療の実績もあるので、安心してお任せできそうです。
まずは、しっかり薬を飲ませて見守ります。