出会いもお別れも割と突然でした。


出会いは結婚して2年目。


家に帰ると何故か子猫がいる。


うちによく餌をおねだりしに来てた野良猫が産んだ子供らしい。


生まれてすぐに奇形だった左脚が取れてしまい、尻尾の先も鍵状に曲がっていました。


流石に放り出すわけにもいかず、そのまま家族の仲間入り。


猫を飼うのは初めてでした。


名前は近所の子供達が呼んでいた『チョビ』になりました。



飼い始めてすぐ気になったのは度々出血してた左脚。


人間で言えば足首あたりからの欠損だったので、歩く度に先っちょが擦れたりしてちょっと可哀想に思い、病院へ行くと根元からの切除を勧められちょっと悩みましたが、この時は妻が猛反対。


結局、そのまま残す事に。


大きくなるに連れ歩くのも上手になり、片足とは思えないジャンプ力も身につき、今となっては取らなくて良かったと思います。


やがて、発情期を迎えたのを機に去勢手術をしました。


今思えば、もっと早くやっとけば良かったと後悔してます。


去勢の時期が早いと乳腺腫瘍のリスクはかなり下がると言うのをこの頃はまだ知りませんでした。



好きなおやつは鰹節。


目立って食欲がなかったりお腹が下ったりとかは全くなく、エサはいつでも食べれるようにと割と多めにあげていましたが、ちゃんと自分でコントロールでき、太る事もありませんでした。


病院やペットホテルなどに連れていった時はいつも大人しくお利口さんで、初めて会う人にも上手に甘える賢い子でした。


その一方で2人で出かけて帰って来ると、一旦玄関まで出て来てお出迎えした後に、こちらを見ながら爪研ぎをバリバリやってストレスアピール。


ご飯のおかずに刺身があると首を縦に振ってちょうだいアピール。


部屋で横になると乗っかって来て、かまってアピール。


休みの日にいつまでも寝てると顔をペシペシ叩いて起きろアピール。


仕事から帰ってきて着替えていると、足に頭突き攻撃で遊んでアピール。


引越してからは2階のベランダがお気に入りで、妻が洗濯物を干す時は追っかけて先回りしてベランダに出たいアピール。


一度、朝の出勤時に玄関を飛び出して脱走を図り、慌てて追いかけるも、すぐに全力疾走で戻ってきたり、昨年の秋には知らないうちにこっそり窓を開けて脱走し、いなくなったのに気付いて慌てて探し回っていたら、庭の端っこでちょこんと座って探しに来るのを待ってたりと、何度か肝を冷やした事もありましたが、いつも大事には至らず、割と甘えん坊で臆病な子でもありました。


ペットに興味がなかった私もチョビと過ごす間にすっかり猫派になってしまいました。



怪我や病気もなく健康そのものでしたが、昨年10月に乳腺腫瘍が見つかり、手術にて取っていただきましたが、肺への転移も判明。


12月には右足のリンパに転移があり、こちらも手術にて切除。


度重なる手術はやはり負担だったと思います。


年明けあたりからは食欲もだんだんなくなり、呼吸もかなり早くなって急激に痩せ細って弱っていきました。


ここ2週間程はこたつの中でじっとしている事が多くなり、呼吸も少し苦しそうに見えたので酸素室のレンタルを考え、予約の連絡をした矢先の事でした。


昨日は朝から食事も水も全く取らず、コタツの中から出てこなくなりました。


そして、夜。


かなり呼吸が荒くなり、病院に連れて行こうか悩んでる間に容体が急変。


そして、2024年3月28日23時30分。


妻の膝の上でチョビ永眠。


2011年3月27日生まれ。


13才になったばかりでした。


子供のいない私達夫婦にとってかけがえのない家族を失ってしまいました。


妻が『うちに来てくれてありがとうね』と涙をポロポロ流しながら何度も声をかけている間、私は放心状態で何も言えませんでした。


正直、気持ちの整理が全くつきません。


スマホの壁紙を見ると涙が出ます。


何とか仕事には行きましたが、今日は1人の作業に没頭させてもらいつつ、昼休みに人目につかない場所で明日の火葬と葬儀の予約の電話をしてる時は涙が止まりませんでした。


今、ブログを書いている間も涙が溢れてきます。


自分自身、こんなに堪えるとは思っていませんでした。


いつも一緒にいる当たり前が突然断たれるのがこんなに悲しいとは・・・。


それでも、だからこそ、思い出を整理しながらしっかり残したい思いで綴ってます。



今の家への引越しの日。


チョコチョコ動き回って邪魔にならないようにと二階の天袋に避難してもらってた時の写真。


1番のお気に入りの写真です。


うちに来てくれて本当にありがとう。


たくさんの楽しい思い出を本当にありがとう。


一緒に過ごせた日々は一生忘れないから、虹の橋のたもとで待っててね。


そして、僕たちを見つけたらひとしきり爪研ぎバリバリやってから頭突きしてきてね。


大好物の鰹節持って行くから。



明日、しっかり送りたいと思います。