訪れた真珠の故郷
この真珠の首飾りに誓うよ
あなたとの永遠の未来
とても素敵な景色だね
二人同じ海を見ている
霞棚引くその先には
幸せな未来があるのかな
オトコのワガママだね
この目で見てみたいんだ 霞の向こう側
すぐに戻るから待っていて欲しい
そしてもう一度誓うよ
「ずっと愛してる」
あれからもう一年
私はまたここに来ました
孤悲心抱いて
過ごしてきた日々
今もずっと慕っています
あの日あなたは
春の嵐に誘われ
この海に還っていった
約束も果たさないままに・・・
あなたも見ていますか
この赤く輝く海を・・・
あなたが寂しくないように
桜を植えていくわ
私の中の孤悲心
あなたの面影抱いて
そしてこの桜に誓うの
「愛してます」
西山慕情ヶ丘の由来
ある年の春、若い男女が真珠の故郷「多徳島」を訪れた
男は婚約中の女性に真珠の首飾りを贈るつもりであったが
始めて見る英虞湾の見事な造形美に都会育ちの二人は想像を絶するばかりで
殊に対岸の西山は霞に棚引いて目を奪うばかりであった
この景観に魅了された青年は好奇心も手伝ってか対岸に渡りたいと言い出し
一人小舟を借りて西山へ向かって漕ぎ出して行ったが
変わりやすい春の嵐に巻き込まれ舟は助け求める暇もなく転覆し
遂に帰らぬ人となってしまった
この悪夢のような出来事に最愛の人を失った女は
傷心の身を両親の元で過ごしていたが
翌年の春想い出の西山の地に桜を植えて
恋しい人の面影を募った
毎年春になるとこの桜のもとに乙女の祈る姿を見て
哀れと想い「慕情ヶ丘」と名付け
日毎に映える荘厳な夕焼けを
せめてもの若い二人への神への餞けとした
(松葉清香)


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