反物からこんなワンピースが出来た | 洋服直し屋の日常

洋服直し屋の日常

服の直しや仕立ての仕事をしています。
日常で出会ったおもしろいこと、服の製図や
自分でできる修理方法など書いています。


               反物からこんなワンピースが出来た

(60才くらいの婦人)
「形見分けでこの反物をもらいました。これを略礼装として、
90才になっても着られるワンピースを仕立ててください。
その頃には首にはシワが満載だと思います。
くびのシワ隠しとしてボータイ、夏でも着られるように袖は7分丈がいいです」
と、依頼を受けた.

                    



故人はこの反物で、準礼装の着物を作る予定でいらしたのではないか?
この無地反物は洋服に仕立てても略礼装として充分だ。

たとえば、
〇婚約者のご両親との会食をホテルで
〇公式・非公式のパーティ
〇卒、入学式 、お宮参り etc
〇もちろん通常の街着としても着られる




できあがり (ボータイの巾は調節可能)
ご本人はイタリアのシェフのようなタイをご希望


                   



着物といえば

私が結婚するとき、今は亡き母が、
豪華な全部手刺繍の留め袖を、特別オーダーしてくれていた。
私は洋裁師です。着物には興味ゼロ、現金のほうがほしかった。

                             

 

 

10年前、娘は外国青年と現地で結婚式をあげることになりました。
ニュージーランドの晴れ渡った碧空の下で、留め袖なんぞ
場ちがいです。リメイクしました。

 

 

                   


 
                   


パーティに参加していた人たちは、
私の裾にへばりついている鳥をガン見します。


私は 「それ、日本のチキンなの?」 と、言われたらどーしよう。
英語で『 チキンなヤツ 』 は、いい意味ではありません。
しょーもない、取りえのないアホという意味です。
んで、尋ねられたときの答え方を暗記しました。


                  「No, this a peacock.」


                  

ニュージーランドの結婚式は風変わりだった。

①    結婚の誓いまで、新郎 新婦は顔を合せてはならない。
②    リング交換したあと、招待客たちは、新郎のポッケにドル札を
       むき出しのままツッコむ。だれがいくらご祝儀をくれたのかわからない。
③    食事とスピーチのあとは、新郎 新婦、招待客みんなでダンス。
       私は新郎の親父さんとヒョイヒョイ踊っていました。


ビンボーな母が、コツコツ貯めたお金で買ってくれたこの留袖。
私がリメイクして、帯もぞうりも不要になり、パーティドレスとして大いに役にたった!
娘にあげると言ったら、3代目になる娘は

婆ちゃんが買った当時40万円の留袖。
洋裁師の母がリメイクしたその留袖。


「これ、私が誰かの結婚式で、ここニュージーランドで着るの? 
ムリ、もうそれゴミだよ!」

そうか、もはや、ただのゴミかい?  だけど

あんた達ふたりが、結婚式のために貸し切ったワインレストラン。
招待客がめっちゃ笑い転げた思い出だけは、強烈に染みこんでいるわぃ!



(参)【晴れ着のアレコレ】 意外と知られていない礼服のエチケット

                                                                                        にほんブログ村 ファッションブログ リフォーム・お直し(服)へ
                                                                                        にほんブログ村