肺が悪いと言うヘビースモーカー | 洋服直し屋の日常

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服の直しや仕立ての仕事をしています。
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自分でできる修理方法など書いています。

               肺が悪いと言うヘビースモーカー

うちから10M先にA宅がある。

父親と溶接の仕事をしていらっしゃる
40代半ばの息子さんのふたり暮らしだ。
 

無職のAさん(70代)は
かなりのヘビースモーカー

らしく、
いつもお向かいさん宅の
ブロックに座り込んで、
たばこをふかして

いらっしゃる。



Aさんが、たばこをいくら

吸おうと私には関係ない。
困るのは後に残る吸いガラだ。

コロナのパンデミック(世界的大流行)が日本で起きた

(2019年 / H31 / 令元年)と同時期に、私は膠原病の1種、

ミクリッツ病という難病を発病した。

それまでは毎月1度、Aさんの吸いガラを長い火ばさみで拾い集めて
この小道をそうじしていた。その他、コンビニ弁当の空箱、
ペットボトルやゲロ。

最後にそうじした2年半前

この道路は公道なので、
そうじする人がいない。
しかも駅のプラットホーム

の真ん前で、

始発は5時15分。

それより早い時間にそうじ
してしまわないと、プラットホームで電車待ちをしている
人たちに見られて恥ずかしい。



私はゴミの溜まった汚い道路を見ると、後進国の貧民街を連想する。
クリーンなハイソサエティな街並みと比べて、通るだけでも怖そう。
犯罪と薬物の臭いがする。

言い換えれば後進国ほど衛生観念が薄い!ということになる。
日本は後進国ではない! 秩序正しく、公明正大、勤勉、品性知性あふれている国は
世界一だといつも思っている。

凛(りん)たる精神の武士道、
嫁(か)せば夫・ 舅 ・姑に仕える婦士道の国なのよ!

タバコのポイ捨ては断じて許さん!!!
んで、私はいつも自己満足で吸いガラ拾いをしていた。


だけど ミクリッツ病で股関節が異常を来たし、治療薬の
副作用による特発性大腿骨壊死症になり歩行難民になってしまった。

 この大腿骨壊死症はよくまちがえられるが、2種類ある

①     特発性 というのは、ステロイド薬が原因で急激に発病する。
②     突発性 というのは、事故・ケガ・先天性股関節形成不全。

もう2年半もそうじしていない。

結果こんなことになってしまった。


       

私はAさんに
「タバコ吸うのは勝手だけど、顔色も悪いし、死ぬよ!」
「いいんだ俺、いつ死んでも。どうせ肺も悪いし、泣いてくれる人もいないし・・・・・・」

「あ、そうよね」

そして1月前のある日、この吸いガラ集団の上部に、ポスターが啓示された。
おほほ!な。な。なんてナイスなタイミング! グッドジョブ~~~!!

これを作った人、だ~い好きよ!
きっと役場のまちづくり整備課だろう。

       


その後 Aさんがタバコふかしている姿を見ていない。
おっ! このポスター効果てきめんじゃん!!

先週、医大に受診に行って、Aさん親子の姿を見かけた。
マスクとサングラスと帽子の私を、このふたりは気づいていない。

Aさんはかなり体調が悪そうで、顔はどす黒くげっそりやせていた。
息子さんがAさんの腕をしっかりつかんでいた。
転ばないようとの配慮だろう。
 

私はAさんの死を予感した。

こんどこの「Aさん専用ブロック上喫煙コーナー」(長ッ)で、本人に出合ったら
「好きなだけタバコ吸いなよ!」と言って
元気づけてあげよう!!

 

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