今回は「ゲーム実況」というコンテンツについていろいろ考えてみたいと思います。

ここに書かれたことの多くは僕個人の意見なので、
変にうのみにしないようにお願いします。


ゲーム実況とは、ゲームをプレイしている動画に対してリスナーが実況コメント等をすること、又はプレイヤー等が喋りながらゲームをプレイすることである。

ニコニコ大百科より

おそらく多くの方が思い浮かべるのは後者の方でしょう。
僕自身もゲーム実況といえば、後者のイメージがあります。

古くは、ゲームセンターCXの有野課長から始まり、
今では、プロ・アマ関係なく数えきれないほどのプレイヤーが存在します。
(プロ・アマについての定義が非常にあいまいですが、
今回はこれについて考えないものとします。)
またニコニコ動画で最も多い再生数のゲーム実況は1000万再生を超えるなど、
非常に人気の高いコンテンツになっています。

この記事で言う「ゲーム実況」は
「プレイヤー(実況者)が喋りながらゲームをプレイすること。またはその様子を撮影・録画した動画」

という定義にします。

また、ゲーム実況と似ている、「字幕実況」「ゆっくり実況」については別物だと考えているので触れないことにします
何故別物なんかについての説明はあとで説明します。

今回は、
・ゲーム実況のコンテンツとしての構造とは
・具体的なゲーム実況の面白さとは

の2つについて考えてみたいと思います。

まず関連記事、
『ゲーム実況』時代のゲームプロモーション niconicoの事例から
を紹介しておきます。
こちらはCEDEC2014に行われた、
ニコニコ動画の会社であるドワンゴ、会長室ゲーム戦略グループの伊豫田旭彦氏の
講演をまとめた記事です。
この講演では、ニコニコ動画の中の人が持つゲーム実況のデータが紹介されたり、
ゲーム会社とゲーム実況動画の付き合い方(ゲーム会社向けの内容)などについてお話しされています。


では、僕が考えるゲーム実況のコンテンツとしての構造ついてお話ししましょう。

ゲーム実況は、「ゲームが面白いから」という要因が大きいから人気なのではありません。
(誤解をうまないように言っておきますが、決してゲームがつまらないという意味ではありません。)
もちろん、それも1つの要因だと思います。

最初はシンプルにプレイヤーとゲームの関係性について考えています。

ビデオゲームにおいては疑似体験というのが基本になっていると思います。
例えば、具体的には、魔王が支配する世界を救う勇者になるという体験。
チームで活躍するスポーツ選手になるという体験。
ある企業を運営するという体験などなど。
抽象的には、スリルある緊張感・興奮、
達成感などなど。
ゲームはプレイヤーに対して様々な体験を提供してくれます。

プレイヤーはその体験に対してのリアクションします。
このリアクションの意味は、
ゲームに対してアクションをするためのキー入力(キャラクターの操作、コマンド選択など)という意味と、
ゲームの装飾的要素(キャラクター、ストーリー、ギミックなど)に対して様々な感想を抱くという意味
の2つあります。
前者の意味でのリアクションを受けて、ゲームは新たな体験を提供します。

これらが繰り返されることで、プレイヤーとゲームの関係性は成り立っています。


ゲーム実況ではそのプレイヤーとゲームの関係性に第3者である視聴者が加わります。

視聴者はそれらの関係性に対して注目して楽しんでいます。
つまり、与えられた(非日常的な)体験に対して
ある人物がどのようなリアクションするかを見て楽しんでいるんです。


この構はテレビのドッキリ番組と構造が似ています
ドッキリ番組でいうターゲットは、ゲーム実況でいうプレイヤーで、
ドッキリ番組でいう仕掛けは、ゲーム実況でいうゲームそのものです。

ドッキリ番組≒ゲーム実況ということがわかっていただけたなら、
ゲーム実況と、ゆっくり実況&字幕実況が別のコンテンツだということがわかってもらえるでしょうか?
ドッキリ番組で重要なのは『生のリアクション』なのです。
これはゲーム実況においても同じことが言えます。


ゆっくりや字幕では、すでにゲームプレイ(体験)が終了した時点で
リアクションが編集によって追加されます。
つまり「計算されたリアクション」なのです。
ゲームがこういう体験を提供するから、それに対してこういうリアクションをしようという風になるわけです。
言ってしまえば、ゆっくりや字幕はテレビ番組でいうところの「漫才・コント」なのです。
なので、僕は「ゆっくり実況」と「字幕実況」はゲーム実況とは別のコンテンツだと思っています。
(これらの関係がが兄弟であることは否定しません。
また、ゆっくり実況と字幕実況において、プレイした時の感想をそのまま表現している場合があることも理解しています)

ところが、動画を見て「あぁ面白かった」で終わらないのが、
『ニコニコ動画での』ゲーム実況なのです。


ニコニコ動画では視聴者によって投稿されたコメントが動画上に流れてきます。
つまり、視聴者のリアクションが動画に残るのです。

「実況者さん慌てすぎやろw」
「このシーンプレイした時泣いたわ」
「犯人はお前だったの!?」など
プレイヤーのリアクションに対して、またはゲームの体験に対してリアクションを残せます。
しかも、番組放送から何時間と経ってから学校で友人と番組についてを語るのではなく、
リアクションが動画上に残せるため、より「生なリアクション」が残せます。
つまり視聴者同士で楽しみを共有しやすいのです。

さらにそのリアクションがプレイヤーにも届くため、
視聴者側から「ここはこうした方がいい」などというコメントが届き、
それがプレイ、動画に反映されることがあります。
つまり、プレイヤーと視聴者間でのコミュニケーションも可能だということです。
プレイヤーとしてもリアクションがある方が実況を続けるモチベーションにもなります。
(自分も動画を投稿してるのでリアクションがある喜びがわかります。)

(もちろんコメントを残す場合、
公共の場であること、不特定多数に発信されることを忘れてはならない。)


なので、僕はニコニコ動画がなければ
ゲーム実況は今ほどの人気はなかったのではないかと思います。

それではここでゲーム実況というコンテンツの構造についてまとめます。

ゲーム実況の構造

図のように
ゲーム実況は、視聴者が、実況者がゲームをプレイする様子を楽しむだけでなく、
感想・コメントを残すことでコミュニケーション(感想の共有など)をする楽しみが加わります。

つまり、僕は感想・コメントもゲーム実況のコンテンツの一部だと考えています。
もちろん実況者、視聴者のコミュニケーションが動画外に広がる場合もあります。(SNSなど)
このコミュニケーションはネット上であることには変わりないので、
それぞれの人がうまい付き合い方を心掛けることが大切ですね。


さて2つ目に具体的なゲーム実況の面白さとは何なのかについて考えてみます。

面白さの要因は主に2つに分けられると思います。

1つが先ほど少し触れたように
ゲームの要素が面白さの要因になっています。
ゲームの面白さにもさまざまなものがあります。
同じアクションゲームでも
スマブラのような対戦プレイのあるゲームと
モンハンのような協力プレイのあるゲームでは
面白さのベクトルが違います。

ゲームがある程度面白ければ、
どういうゲームが実況プレイに向いているかというのはあまりないように思います。
ですが、1人プレイのゲームに関しては初見プレイのゲームの方が
リアクション生まれやすいため向いていると思います。
リアクションが生まれやすいという意味ではホラーゲームが向いていますね。
もちろんスゴ技プレイを見せるなどのために既プレイというのも悪くありません。

もう一つがプレイヤー(実況者)による要因です。

ゲーム実況の基本はリアクションです。
プレイヤーのリアクションがゲーム実況の面白さを左右します。
先述の通り、リアクションには2種類あり、
ゲームに対してアクションをするためのキー入力、という意味と、
ゲームの装飾的要素に対して様々な感想を抱く、という意味があります。

今回は前者での意味のリアクションを「プレイ」、
後者の意味でのリアクションを「実況」
と呼ぶことにします。

プレイは所謂ゲームのうまさに相当します。
ゲーム実況に置いてゲームがある程度うまい方がいいと思いますが、
うまいからといって面白いゲーム実況になるとは限りません。
実際下手なプレイヤーでも人気がある場合があります。
なので、僕はプレイのうまさはゲーム実況の面白さをあまり左右しないと考えています。
グダグダプレイでもうまく編集すれば、動画としてのテンポを保てます。
後で記述しますが、編集もゲーム実況の面白さを左右する要因です。

もう一つのリアクション、実況はゲーム実況の面白さを大きく左右する要因になります。
実況の内容にも種類があり、
・プレイや画面内の状況をそのまま言葉にする「状況説明」
・ゲームに対して生まれる「感想」
・ゲームのプレイやギミックに対してのプレイヤーの考えを話す「考察・解説」
・ゲームから連想された「雑談」

の4種あります。

「状況説明」は本来の意味での実況となります。

自身のプレイや画面内の状況をそのまま説明することを言います。
ゲーム内のセリフ等を読み上げることもこれに含むことにします。
「今度はこっちの道に行きます」「左の方に敵が見えてきました」など。
ゲーム実況においてあまり重要ではなさそうですが、
沈黙の時間を減らせるので、
おろそかにできない要素だと思います。

また、視聴者にゲームの状況を説明することによってよりゲームを理解してもらえるため、
視聴者をゲーム実況に引き込める要素だと思います。

「感想」はプレイヤーがゲームに対して感じたことや考えを述べることです。
また自身のプレイに対する評価も含みます。

「このキャラのこういうところは好きだなぁ」「このミニゲーム面白い」
「うわあああああああああ!!」など。
これが実況動画の面白さを左右する一番大きな要因だと思います。
また一プレイヤーの人間らしさが出ます
この「感想」がないとゲーム実況として成り立たないと思います。
この「感想」があることでプレイヤーがゲームを楽しんでいるということが伝わるため、
ゲーム自体が好きな人が楽しめる動画になると思います。
ゲーム実況におけるコミュニケーションの中心となるため、
非常に大事な要素です。

「考察・解説」はプレイヤーのプレイに対して述べることです。
「あそこの宝箱は左から回って取るのだろうか?」
「敵が逃げると思うので、先回りします」など。
ここでも、ゲームプレイが堅実派なのか猪突猛進派なのかなどの、
プレイヤーの人間らしさが表れると思います。
視聴者がプレイヤーのプレイに対しての理解を深めることができるため、
ある程度必要な要素だと思います。

最後の「雑談」は、文字通りです。
ゲーム内の要素から連想して自身の体験や雑学などを述べます。
「馬といえば、去年乗馬したんですよね」「○○っていうのは・・・」など。
主にマップの移動中やローディング中に語られます。
雑談は必須事項ではありませんが、
無言の間の減らすために必要だと思います。
無言の時間が多いと、本人が楽しんでいるつもりでも、
視聴者から見れば楽しんでプレイしているように見えないため
ゲーム実況としては印象が悪くなります

プレイヤーが実況する内容について語りましたが、
これらを意識して「ゲームをプレイしながら話し続ける」というのは
実は結構難しい技術
だと思います。
というか、そもそも他人を魅せるように話すこと自体が難しいので、
さらにゲームをしながら「リアルタイムにゲームについて」話すということが難しいというのは
ある意味当然だと思います。

プレイヤー(実況者)による要因はリアクションだけではありません。
先ほど少し述べたように動画編集も面白さの要因になります。

ゲーム実況において動画編集はあまり必要ないように思えますが、
動画としてのテンポをコントロールしたり、
字幕をつけてプレイヤーのセリフを強調したりと、
より動画を面白くできます。

動画編集もプレイヤーの腕の見せ所です。

以上が僕が考える具体的なゲーム実況の面白さです。


さて、ここまでゲーム実況について語りましたが、
結局のところプレイヤーも視聴者も楽しめるのであればそれが一番だと思います。
この記事を通して
それぞれがゲーム実況というコンテンツについて考え直すきっかけになれば幸いです。
では前回の続きです。

今更なんですけど、
記事の中でめっちゃTPSって言ってますけど、
今回は割とTPSとFPSの共通部分、
というか対人型シューティングゲームについて述べている気がするので、
そこを頭の片隅に入れておいてもらえればなぁと思います。
ただ「スプラトゥーン」がTPS視点、
かつ、「対人型シューティングゲーム」より「TPS」の方が文字打ちやすいので、
TPSで統一させてもらいたいなぁと思います。


3つ目に、あくまでもTPSでないと言ったのは、
・インクを塗るブキのある1種が特異であるから
・陣取りゲームであるから

です。

では、ブキについてお話しします。

ブキには大きく3種類あります。

1つ目は「シューター」と呼ばれるブキです。
これはハンドガンのようなアイテムで、水鉄砲の要領でインクを発射します。
ボタンを押し続けることで連続的にインクを発射できます。
2つ目は「チャージャー」と呼ばれるブキです。
これはスナイプライフルのようなアイテムで、同様に水鉄砲の要領でインクを発射します。
シューターに比べ射程距離が長いですが、射撃の威力を貯めないと真価を発揮できません。
シューターが数で押すタイプなら、チャージャーは一撃に重きを置くタイプのブキと言えます。
そして、3つ目が「ローラー」です。
これは版画用ローラーや壁紙施工用ローラーのような形をしていて、
ローラー部(円柱部)にインクが付いていて、地面に転がしインクを塗ります。
同様に敵プレイヤーを轢きつぶすこともできます。
また「ローラー」自体を振ることでインクを広範囲に飛ばすことができます。

このローラーが非常に考えられたアイテムで、
・TPS初心者でもプレイヤーキルが狙えるという点
・インクを塗れる範囲が広く陣取りの貢献度が大きいため、TPSにはない達成感が味わえるという点

が、よいゲームデザインのポイントとして挙げられます。

TPSは非情に繊細なエーミング(銃の照準を敵にあわせること)スキルが必要とされるゲームで、
初心者と上級者の撃ちあいではほぼ上級者が撃ち勝ち、
初心者は達成感が中々得られません


そこで任天堂の出した解決策が、
・敵に近づいてキルを狙える武器
・広範囲に攻撃できる武器
・プレイヤーキル以外の達成感

です。
(最後に関しては、「社長が訊く」を見るとそういう意図があってローラーが生まれたと断定できないけど、結果的にそういう意図に繋がっていると思います)

この3つの解決策を持ったローラーが初心者をスプラトゥーンへと引き込んでいきます。
最初の2つがTPS本来の目的である、敵を倒すという達成感をプレイヤーに与えます。
最後の1つがTPSにはない、陣取りへの貢献度の高さによる達成感を与えます。
このプレイヤーキル以外の達成感というのがスプラトゥーンにおいて重要なゲームデザインだと思います。

ここまでの説明だとローラーは初心者向けのブキだと思われてしまいますが、
ローラーを愛用する上級者もいて非常に奥深いブキになっています。
上記の通り、近接戦闘が得意で、
インクの中に隠れてからの不意打ち、奇襲攻撃が有効で、
そこの駆け引き、読み合いが非常に重要なブキになっています。
(まぁ意外とゴリ押しでなんとかなることも多いですが)

もう一つの陣取りゲームであるというお話をしましょう。

もう一度思い出してください。
このゲーム、「スプラトゥーン」の勝利条件は
「敵チームより多くの陣地を獲得すること」です。
TPSの勝利条件の多くは「敵をよりたくさん倒すこと」とは違います。
スプラトゥーンの対戦ではキル数が少ないチームが勝つことだったあります。
陣取りゲームの戦略の選択肢として「敵を倒す」という要素があるにすぎません。

ローラーのところでもお話しした通り、
初心者にとって難しいTPSの敵を倒すという達成感とは別の達成感を与えていることが、
スプラトゥーンにおいて最も重要なゲームデザイン
の1つだと思います。

TPSでは被キル数が増えていくほど、その対戦に対するモチベーションが低くなりがちですが、
(少なくとも僕はそう感じています)
キル数ではな陣取りゲームに目的を置き換えているため、
スプラトゥーンでは一発逆転で決着が付く対戦が結構あるので、
対戦のモチベーション維持にもつながっています。

この逆転要素があるってのもなんだか任天堂らしい気もします。

またチーム戦であるため、お互いのプレイを補うことができるため、
ある程度の勝率を維持でき、勝利したという達成感が与えることができます。
これも対戦のモチベーション維持につながっていると思います。
(まぁチーム戦だからこそあるゲームの闇もあるけどねぇ・・・何とは言わない・・・)
ちなみに、マッチングは似たプレイスタイルの人同士で組まれやすいらしいです。
情報ソースがあいまいなのでわからないですが、
雑誌のインタビュー記事の写真をちらっと見たことがあります。


余談なんですが、スプラトゥーンは毎週1・2回くらいのペースで
新ブキや新ステージの追加、またはフェス開催(詳しくは調べてください)があります。
少しスプラトゥーン飽きたなぁ・・・ってくらいのタイミングで
新要素の追加が行われているので、
これもスプラトゥーンをプレイするモチベーションに繋がっていると思います。



では最後にまとめになります。

ここまで上げた工夫されているゲームデザインは
・すべてが塗るという動作に集約していることによるシンプルなデザイン
・キャラクターの特性によってエーミングを補助するというデザイン
・「隠れる」という要素を強くすることによってよりスリリングなゲームになっているというデザイン

・TPS本来の達成感(報酬)とは違う、別の達成感が用意されているというデザイン
・対戦のモチベーション維持ができるデザイン



うまく伝わったかわかりませんが、
スプラトゥーンは様々な工夫が組み込まれたゲームなんだなと思っていただければ幸いです。


久々のブログ更新。もう1年くらい更新してないし、久々に更新しようかなぁと。

とまぁ話のネタは今話題のゲーム
「スプラトゥーン」です。

弟が購入し、僕もちょくちょくやっているのですが、
これが中々旨くデザインされていて本当に面白い。
まさに任天堂の本気という言葉がふさわしいゲームだと思います。

しかしツイッターのTL見てると「ステマトゥーン」とか(一部で)言われてて、
せっかく楽しく遊んでいるのに腹立たしいので、(ぶっちゃけステマトゥーンと言いたくなる気持ちもわかる)
「スプラトゥーンがいかにうまくデザインされたゲームであるか」
ついて語りたいなと思います。

任天堂らしく大人から子供まで、上級者から初心者まで幅広く遊ぶことのできる、
いいゲームデザインだと僕は思っています。

その前に、できれば「社長が訊く『Splatoon(スプラトゥーン)』」を一読してもらえるといいと思います。
読んでもらえるとスプラトゥーンのゲームデザインについてより深く理解できると思います。


ここに書かれる内容はあくまでも個人の感想・考察にすぎないということを
重々承知の上目を通してください。

また、ある程度スプラトゥーンのゲームについて説明しますが、ルール等でわからないことがあれば調べてください。公式ゲーム紹介PVを見れば一発だと思います。



まずはスプラトゥーンがどういうゲームなのかを簡単に説明します。
詳しくは公式HPなどをご確認ください。

スプラトゥーンは、8人のプレイヤーが4人1組の2チームにわかれ、
一定フィールド内の陣地を一定時間内奪い合うゲームです。
陣地を確保する手段は、フィールドにインクを塗ることです。
各プレイヤーが持つ「ブキ」と呼ばれるアイテムでインクを塗っていきます。
また、敵プレイヤーにインクを一定量塗ることで敵プレイヤーを倒すことができます。
倒されたプレイヤーは試合時間内であれば何度でも復活できます。
試合終了時に多くの陣地を確保したチームが勝利となります。
試合終了後に、自分が倒した敵の数のスコアと
自分がインクを塗った時に加算されるスコア
の2つが表示されます。
この上記のルールのことを「ナワバリバトル」と言います。
今回はこの「ナワバリバトル」についてのみ扱います。

スプラトゥーンの特徴は
・いろんなところを塗りまくること
・プレイヤーの操作するキャラクターは人とイカの状態を切り替えられるということ
・あくまでもTPS(サードパーソンシューティング。ゲームジャンルの一種)でないこと

の3つが大きいと思います。

この3つに任天堂の巧妙なゲームデザインが設計されています。

まず、いろんなところを塗りまくることから、
プレイヤーはスプラトゥーンに魅了されていきます。
「ただ塗るだけで楽しい」
童心に返ってありとあらゆる場所を塗りまくる。
ただそれだけで楽しいです。
この単純なデザインがプレイヤーのプレイ意欲を湧き立たせます。
しかも、このインクを塗る行為にはメリットしかありません
そのメリットが
・勝利条件にかかわる陣地の獲得
・相手の行動範囲の制限
・フィールドに塗られたインクの中に潜ることで、素早い移動、インクの補充、敵から隠れることが可能
・ゲージが溜まりスペシャルウェポンが使えるようになる


1つ目は単純にチームの勝利に近づくことをさします。
2つ目は、敵のインクに足を踏み入れてしまうと、行動が制限されてしまい、プレイヤーキルが狙いやすくなります。
また、敵は敵軍のインクの塗られたフィールドとどちらのインクも塗られていないフィールドしか自由に行動できないため、自軍のインクをたくさん塗ることで敵の行動可能なフィールドを減らすことができます。
加えて、敵はインクを塗り替えようするので、ゲームパッドに表示されたマップを確認することで敵のおおよその位置が確認できます。
3つ目は、フィールドに塗られたインクの中に潜っての移動は、歩いて移動するよりも速く、
広範囲にインクを塗ることができるため、より多くの陣地を獲得できます。
またインクを補充することができるため、さらにインクを塗ることができます。
そしてインクの中に身をひそめることで、敵に不意打ち攻撃を仕掛けることができます。
4つ目は、各ブキにはスペシャルウェポンというアイテムが設定されていて、
それを使用するのにに必要なゲージを貯めることができるというものです。
スペシャルウェポンは非情に強力で、
うまく使えばゲームの展開を大きく変えることのできるアイテムです。

このように、塗るという行為には多くのメリットがあり、
どんなにテキトーなプレイをしていても、どんなに下手でも勝利に近づける行為なのです。
つまり、スプラトゥーンにおいて
「とりあえず塗りまくれ!」
という単純かつ分かりやすいゲームデザイン
設計されているのです。
初めてプレイする人でも目的がすぐにわかります。


次に、プレイヤーの操作するキャラクターは人とイカの状態を切り替えられるということに
含まれるゲームデザインついて語っていきたいと思います。

「社長が訊く」でも語られていたと思いますが、
人とイカの状態を切り替えられ
イカ状態だとインクの中に潜るというのが、
このスプラトゥーンのキモ
だと言えます。

プレイヤーが操作するキャラクターは「インクリング」、通称「イカ」と呼ばれ、
人からイカへ、イカから人へと状態を変化させます。
人の状態だと、ブキを使って様々な場所を塗ったり、敵を倒したりできます。
移動やジャンプもできます。
イカの状態だと、インクの中に潜れ、インクの中を人状態より早く自由に移動ができます。
インクが塗ってあれば壁ものぼれます。
インクの中に潜ることで隠れることもできます。
ジャンプもできます。
ただし、インクに潜らなければ、人状態よりも動きが鈍くなります。
また、網や柵などといった障害物をすり抜けることもできます。

人の状態の相手は動きが鈍いため、
初心者でも簡単にエーミングができます。

上記で少し触れましたが、たとえエーミングを外してしまっても、
相手の周りに自軍のインクが塗られるため、
相手は足がとられてより狙いやすくなります。

こういったキャラクターの特性として動きを鈍くすることで
初心者にとって難しいエーミングを補助する
というゲームデザインが組み込まれています。

イカ状態でインクの中に隠れることができるため、
従来のTPSよりも隠れられる場所が増えました。
TPSに含まれる「隠れる」という要素を強くした結果
「敵が近づいてくるまで身をひそめる」「敵が隠れていることを予測し先手を打つ」
などの駆け引きが増し、よりスリルのあるゲームへと変化し、
プレイヤーに緊張感を与える
ことができています。

また、壁にインクを塗れば壁を登ることができたり、網や柵をすり抜けられるので、
行動範囲が広がり、フィールドのデザインにも幅を持たせることができます。
先日追加された「ネギトロ炭鉱」というフィールドは、
坂道や階段といった高低差を移動できる手段は少なく、
壁を登らないと移動できないフィールドになっています。


ここまでであげた、工夫されていると思うゲームデザインは
・すべてが塗るという動作に集約していることによるシンプルなデザイン
・キャラクターの特性によってエーミングを補助するというデザイン
・「隠れる」という要素を強くすることによってよりスリリングなゲームになっているというデザイン



かなり長文になってしまったので、
記事分けたいと思います(´>∀<`)ゝ

というわけで後半に続く。