本書は、58歳で余命宣告を受けた作家・山本文緒さんによる、最後の日々を綴った日記。
2021年4月に突然膵臓がんと診断され、
その時既にステージ4b。
治療法はなく抗がん剤で進行を遅らせることしか手立てはなかった。
山本文緒さんは抗がん剤治療に臨んだが、
副作用は過酷で、
がんでしぬより先に抗がん剤で死んでしまうと思ったほど。
抗がん剤治療はやめて緩和ケアへ進む。
5月時点で余命は4ヶ月。
この本の副題は
「120日以上生きなくちゃ日記」
4ヶ月といえば約120日間。
山本文緒さんは10月13日に逝去されました。
余命宣告より1ヶ月と少しは長く生きることができました。
120日以上は生きれた。
58歳で亡くなった山本文緒さん。
私は今年その年になります。
今、膵臓がんと宣告され余命4ヶ月と言われたら、
どんな気持ちになるのだろう。
結末がわかってるだけに、
読み進めて行くのが少し辛いような本でもありました。
でも、
山本文緒さんらしく、
文章が軽いというか透明感があるというか、
悲壮感は漂ってない。
彼女はこう書いてました。
私の人生は充実したいい人生だった。
58歳没はちょっと早いけど、短い生涯だったというわけではない。
どんなにいい人生でも悪い人生でも、人は等しく死ぬ。
それが早いか遅いかだけで一人残らず誰にでも終わりがやってくる。
山本文緒さんは毎年人間ドックを受けてたのに、
体調不良になり病院に行ったら末期の膵臓がん。
このパターンで50代後半で亡くなった知人が2名います。
お二人とも1年間も生きれなかった。
毎年人間ドックを受けてたのに。
怖いですね。
運命といえば運命なんだろうけど。
「わたしの人生は充実したいい人生だった」と
思えるような人生を送りたいものです。
ところて、
山本文緒さんは8月後半の頃、
胸がザワザワしたり、酷く落ち込んだりと自分で感情をコントロールできなくなります。
残り少ない時間、なるべく穏やかに過ごしたいのに。
夜中に目が覚めて驚くほどイライラが込み上げてくる。
山本文緒さん、少し前から睡眠薬を出してもらって飲んでました。
「もしかしたら、この睡眠薬のせいかもしれない」
と思い、
睡眠薬をやめたら、イライラが収まった。
と、
日記に書いてます。
やはり、睡眠薬ってそういう作用を持つ薬なんですね笑😆
この本は山本文緒さんの余命宣告されてからの日記。
最後は亡くなる9日前で幕を閉じます。
最後の文章は
「今日はここまでとさせてください。
明日また書けましたは、明日」。
なんだか、切ないです。
コロナ禍の中で発病してお亡くなりになった。
本のタイトルは「無人島のふたり」。
コロナ禍でもあり、山本文緒さんも重篤な病になり、
軽井沢の自宅で夫さんと2人で篭ってる日々が増えた。
まるで「無人島にいるかのような2人」と感じたので、
このタイトルになったそうです。
わたし含め、人は必ず死ぬ。
ガンなどの病気で亡くなる場合は時間がある。
残された時間を自分は山本文緒さんのように送ることができるのだろうか。
そして余命宣告された時
「わたしの人生は充実したいい人生だった」と
素直に思えるように、
今を精一杯生きなくてはいけないんだな、と思わせてくれる一冊でした。
話は変わりますが、
ベンゾや向精神薬の減薬断薬で離脱症状の辛さから
「ガンになって死ぬ方がマシ」だと発言する人が
何人かいた記憶があります。
その時に
「よく、そんな酷いことが言えるな」と思ったものです。
それとも
余命4ヶ月のガンと宣告される方が、
本当にマシだと今でも思ってるのでしょうか。
わたしは逆に
「離脱症状では死なない」という思いが救いと望みになりました。

