娘が通っていた塾(予備校)は、普段利用している路線沿いにはありません。
普段はK駅からの路線で学校にもバイト先にも今までの塾にも通っています。
娘は、家からK駅とは反対方向にあるS駅からの路線で通っていました。
各停で1時間、急行でも40分くらいかかります。
私が仕事のため、夕刻予約をし、最寄駅で待ち合わせにしていました。
「遠い…
」
電車に乗っているアキから一言LINE。
普段は学校まで1時間くらい乗っているのですが、乗りなれない路線で落ち着かなかったのかもしれません。
着くとすぐに案内され、説明会参加者記録のようなものを書かされました。
アキの名前、高校名、進学の希望などです。
紹介者に娘の名前を書き、在籍時のコースを書こうとしましたが、あまりよく覚えていませんでした…
「メディカルなんとかっていうコースだったと思うのですが…」
「ああ、そのコースなくなったんですよ。
あれ?Yさん?一昨年ですよね?私、担任でした
」
と娘の話で盛り上がり…和やかに話しやすい感じで助かりました。
「高校生コースではなく、高卒生コースですね?」
この塾は、高校生向けに夕方からのコースもありました。
昼間の時間を有効に使うということで、高卒生コースを希望していると話しました。
・1年3学期から病気で学校へ行かれなくなり通信制に転校したこと。
・この1年はほとんど勉強しておらず、とても受験できる状況ではないこと。
・特に英語は中学生レベルが危ういこと。
・前日、2年がかりで国立を目指すと言っていた話。
「経済学部志望、国立どこ目指したいの?」
「首都圏で…」
「首都圏だと、東大とか一橋?」
「いや、そこまでは…」
「その下だと千葉大あたりかな?私立の明治大学のセンター受験合格レベルは千葉大のセンター点と同じくらいと言われてるんだけど、
もし、千葉大と明治大に受かったらどっちに行く?」
「明治」
「そうだよね、この両方に受かった生徒達は全員明治を選びました(笑)」
先生は続けて
「今年頑張ってこのレベルに合格したら、それでも来年はレベルを上げて東大や一橋を目指す?」
「………
」
アキは何と答えてよいのかわからないらしく、私の方を振り返りました。
私はアキが考えるように黙っていると
「…明治に行く…と思う」
これを聞いて先生の話されたことは、以前はMARCHに現役合格していても、東大、一橋を目指して浪人する子も多かったそうですが、最近はずいぶん減って、この塾の東大・一橋コースも10名いないそうです。
アキの話を聞いた後、1つのコースを提案していただきました。
「以前からの私立文系コースもありますが、お姉さんのころにはなかった新しいコースがあります。通常のコースはそれぞれの選択する科目、レベルに分けて同じコースでも授業は別々になり、空きコマも発生するのですが、こちらは全員が同じ授業を朝から夕方まで同じ教室で受けます。学校の授業のようですね。教科は国語、英語、日本史のみです」
数学受験を考えていたアキとしては、日本史というのに引っかかりました。
「日本史の代わりに数学とか受けられないんですか?」
「このコースは日本史だけです。数学は好き?得意?」
「わりと好きだけど得意では…」
「国立の数学は数ⅡBまでです。数学に苦手意識がなければ、夏休みからでも十分間に合います」
理系街道しか見てこなかった私は、数学はひたすら問題を解く、どれだけの問題数をこなせるかが合格のカギというイメージだったのですが、文系の数学は、基本をしっかりと理解することが大事だそうです。
なので、数学に抵抗がなければ、受験に備えるのは簡単だと…
ただ、東大や一橋では、話が別のようですが。
話は戻りますが、提案されたコース、実はアキのように現役高校生(高卒生以外)も何人か在籍しているそうです。通信制高校に通っていたり、高校へは通っていないけど高認を取って受験したいという生徒。
まともに高校の授業を受けていないために、部分的に理解が不十分という生徒を対象として、高1からの3年分を叩き込む感じ。
………落ちこぼれ寄せ集めクラス…?
なんて感じてしまいましたが、アキのためにあるようなコースでした。
「1年間3教科だけを学習し、MARCHに合格させます」
塾で『MARCHを目指す』と言えば、そのクラス内の上位数名だけがMARCHに合格できるレベルです。
だけど『MARCHに合格させる』と言った…?
「このコースに通う生徒さんのほとんどが家庭学習は苦手です。同じ塾に通っても結果に差が出るのは家庭学習のやり方が違うからです。
授業自体は日によって2時限で終わったり、6時限まであったりしますが、その後は演習時間として個々に合わせてプリント学習で授業内容を定着させます。
このコースの生徒たちは、18時半までは塾にいることになっています。
演習時間が終わっても21時までは自習室が使えます。
予習も復習も、全て塾で終わらせ、家庭でできなくても大丈夫なようにします。
もちろん、家庭でも学習できれば、してもいいのですけど(笑)」
勉強嫌いな私などは、朝8時から夜21時まで勉強してたら十分でしょ…って思っちゃいましたけど…![]()
毎朝テストがあり、予習、復習、自習の全てを管理され、言われたとおりに素直に従って行けば、確かに可能かもしれないとは思います。
そこにアキがどれだけ参加できるか、通学できるのかどうかから不安ではあるのですが、行けさえすれば、強制的に勉強させられるわけで、確実に学力を伸ばすことはできるでしょう。家でダラダラしてバイトに明け暮れているよりはいいかもしれません。
何より、先生の言葉に乗せられて、アキがやる気になっています。
不安要素はたくさんありますが、ここに通うことを決めてきました。
最初に書いた不安要素、通学ですが、
S駅からの路線ではなく、K駅からの路線が直通運行している地下鉄の駅からも歩いて行かれることがわかりました。やはりこちらの方が慣れているし、所要時間も変わりません。アキはこちらから通わせることにしました。
これによって一番喜んだのはアキかもしれません。
予備校は学校法人なので、通学定期(大学生と同額)が購入できます。学校は通信制で1日/週登校ですから通学定期の対象にならず、割引回数券を買うことができました。
通常の回数券が半額になるので、これは大変助かるのですが、定期券のように途中下車して寄り道して帰るなどということはできません。もちろん、通学時以外にも使えません。
これが、自宅から山手線内まで行かれる定期券が持てるようになったのですから、子供は喜びますよね。
……まあ、遊びに行く暇ができるのかどうかは疑問ですけど。
こんなわけで、5月からWスクール生活が始まったのでした。