昨日「ブランド」に対する感覚について書きました。
もう少し踏み込んでみますね。
**************************************************************
高校生のある日、「大学生になったら、ヴィトンのバッグを通学カバンにしよう」と思い立ったのはある雨のひどい日でした
学校に着いた頃にはカバンもビショビショで
机の上に中身を全部出して乾かしたのですが
ヴィトンのバッグを使っている娘の中身は被害を受けていない
お店を広げた机の隅っこで授業を受けている私とは対照的に
ヴィトンのバッグの娘は広い机を悠々と使っている。
魅力はそれだけじゃない
満員電車でドアにカバンが挟まれようが、びくともしない丈夫さ。
元々がトランク専門メーカーですから、丈夫さはこの上ありません
私も教科書を守るために、ヴィトンのバッグにしよと思ったのです。
早速、「おじちゃま~大学生になったら、ルイ・ヴィトンのバッグ買ってね
」とお願い
その頃はヴィトン人気は今ほどではなかったのか… 単に私が気付かなかったのか、
今ほどみんなが持っていなかったし、私も好きでしたから。
ところが、、伯父に敢えなく却下されました
伯父曰く、「ルイ・ヴィトンは30代以上の女性をイメージしてデザインされています。あなたの年齢で持っても、似合いません。
カッコ悪いですよ。」と。
30代になったら持とうと思っていたヴィトンも、今ではあまりにみんなが持っていて、挙げ句パリ本店では、日本人購買率が全売り上げの40%を占めながらも、疎まれていると知って
どうして快く持てるでしょうか。
今では、ルイ・ヴィトンを私のクローゼットに入れる気はありません。
ブランドはそもそもそのほとんどが
どこかの王家、貴族のお抱え職人から始まります。
王侯の受注を受け、それに応えて腕を磨き
素晴らしい製品を生み出したメーカーを、
時代が変わり、私たち一般の人が「ブランド品」として手にするようになりました。
20世紀になって興ったブランドは、その師弟たちだったりします。
※例外はあります。
例えばルイ・ヴィトンは、旅行カバンとしての評価から始まり
映画「足ながおじさん」でヒロインが船旅のとき持っていたトランクも
ルイ・ヴィトンでした。
客船での船旅に王侯たちはヴィトンのトランクを愛用しました。
私の教科書を雨水から守り、満員電車にも傷まないカバンとしてヴィトンに着目したのは、理に適ってはいます。でも年齢不相応という理由で却下した伯父の目も、また間違ってはいませんでした。
日本では10代の若い女性がブランド物をたくさん持っていますが、そのブランドの本場であるヨーロッパ各国では、そういう姿は見られません。
こんなエピソードがあります。
高校2年生のお嬢さんのお父様が、出張でロンドンに行くことになりました。
娘さんは、お父様にCHANELのバッグをお土産としておねだりまします。
お父様は黙って承諾しますが、帰国したお父様から渡された彼女待望のCHANELのお品は、、、
小銭入れでした。
彼女は「ちが~うーーー」とわめいたそうですが、
彼女のお父様は、ロンドンのCHANELを訪ね、こう店員さんにオーダーしたそうです。
「16歳の娘にお土産にできるようなものをください」、、、、、と。
お父様は確かにCHANELのロンドン本店を訪ね、娘さんへのお土産を買いました。
但し、16歳の娘に相応しい品を、愛娘のために選んだのです。
素晴しいエピソードでしょう~
ファッションは似合えばいいのではなく、
年齢や立場、また自分の思想、コンセプトも無関係ではありません。ブランドもお金があれば誰でも購入することはできますが、相応しいものを選んでこそ、本当のおしゃれであり、本当に似合うといえます。
自分の年齢、立場、そして表現したい思想を考慮して、自分づかいのブランドを選べるといいですね♪