一昨晩、8月に公開予定の映画『千の桜花(はな)びら』の監督山田隆氏とお会いする機会を得て、映画製作のお話をお聞きしました。

終戦から4日後の昭和20年8月19日。
多くの特攻隊員を送り出した教官たちが、自分たちだけおめおめと生き残れないと、九七式戦闘機11機に分乗して、南満州に攻め入ってきたソ連軍に最後の特攻に飛び立ったその中に、2名の女性がいました。
一人は夫に従い、もう一人は恋人だったとも、親戚の女性だったとも言われているようですが、現在ではもう真偽はわからないようです。

この史実が映画として取り上げられ、8月に公開の予定です。

監督は、この2名の女性に焦点を当てるとか。
脚本も見せて頂きましたが、オープニングとラストは大変美しい描写です。
タイトルの「千の桜花(はな)びら」とは、特攻で散華した大勢の隊員たちと桜の花びらをダブらせたもので、ご自身空襲を経験している監督が、あまり公に知られていないこの出来事に心動かされ、長年温めていた作品だそうです。
まだキャスティングも正式に決定していなくて、撮影もこれからですが、かなり大きな作品となりそうな、楽しみな予感です。

監督に是非にとお話したことが幾つかあります。

日ソ中立条約を一方的に破棄という、国際法上有得ない行為によって日本領土内に攻め込み、尚且つ現在までも北方領土を領有するというソ連(現ロシア)の行為を、この映画によって改めて日本人が認識する契機となるような作品であればと願い、
また、攻め入るソ連軍に辱めを受けまいと、夫、恋人について散った女性の心を、現代女性に是非伝えて頂きたいと願いました。

沖縄での自決問題の真偽が議論されているときですが、日本女性には辱めを受けることを良しとせず、自ら命を絶つという精神がありました。
ヨーロッパの歴史小説などを読むと、例えばヨーロッパ版「風と共に去りぬ」と言われている歴史小説「アンジェリク」の中で、宗教戦争が頻発していたルイ14世王朝時代、村では戦争の度に兵士による辱めは通常的なことと女性たちが心得ているシーンがあり、驚愕したことがありました。
しかし日本女性、特に武家の女性は「二夫にまみえず」という心がありましたし、愛する男性以外に触れられたくないと思うのは女性の普通の感覚だったはずです。でもそれを今忘れてしまっている。
以前、愛する人から「(辱めが避けられない状況を目前にしたら)あなたを殺してあげる」と言われたことがあります。その言葉を聞いたとき、私には言葉も、感情も、思考もありませんでしたが、その言葉をよく噛み締め、深い愛情に感じ入ったことがあると、監督にお話しました。

愛する男性のためにも、他の男性に触れられるわけにはいかない。女性ならば、生涯に男性は一人でありたいと私は思っているので、夫、恋人と共に敵軍に激突して、愛する男性に誠を尽くしたこの二人の女性は、とても幸せな女性だったはずと思いました。

夫、恋人と共に特攻機に乗り込んだ女性たちは、貞節で潔い女性たち。
妻、恋人を連れて飛び立った男性は、守るタイプの日本男児、、、というのが私のイメージです。
ナイショでキャスティングの案も伺っていますが、どんなキャスティングが成立するか、楽しみ~♪

今からキャスティングをして撮影を開始し、8月に公開ということが可能と伺って驚きましたが、かなり楽しみな映画です。