まだ世間がアンチ・エイジングに興味を示していなかった頃、
アメリカの老舗高級ブランド、エリザベス・アーデンから、「セラマイド タイム コンプレックス」
という商品が発売されました。
1991年のことです。
防腐剤を使用していないので、一回きりの使いきりカプセルになっていました。
「セラマイド」という商品名は、成分のセラミドから由来し
今日、セラミド成分を有する商品は多くなりましたが、
「セラマイド タイム コンプレックス」は、その先駆的商品だったでしょう。
セラミドには、細胞膜に高い濃度で存在することが知られている脂質成分の一つで、
特徴的なのは、
細胞をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、細胞の自発的死に方の一種
「アポトーシス」を促す効果のある成分です。
セラミドが肌の細胞をつなぎ合わせる“モルタル”のような働きをすることで
(1) 肌の天然バリア機能を強化。天然コラーゲンのはたらきをサポートすることで
(2) 肌に引き締まって弾むようなハリを与え
(3) シワやちりめんジワを 徐々に目立たなくし
(4) なめらかで色ムラのない明るい肌に導いてくれる。
「セラマイド」を継続して使いつづけることで、これら4つの効果が得られます。
これは画期的な商品でした。
世間には「防腐剤不使用」を謳った商品は様々ありますが、
本当に防腐剤を使用しないためには、このように一回使い切りの形態が必須で、
開封の際難なく回し切ることのできるこのカプセルの製造はとても難しく、
レシピを入手した日本メーカーが類似品を作成しても
同様の使用感のあるカプセルを作ることは、できなかったエピソードがあります。
この、「セラマイド タイム コンプレックス」は、
化粧品史上に残る逸品中の逸品で、
発売初年度には、あらゆるボーテ賞を受賞しました。
その、エリザベス・アーデンの看板商品、「セラマイド」のカプセル美容液が、
先端テクノロジーによりバージョンアップ。
ピンク色のカプセルから黄金のカプセルに装いも変わり、内容もドラマティックな進化を遂げました。
新商品の名称は、「セラマイド ゴールドウルトラ レストラティブ カプセルズ」。
大きな特徴は、独自の成分「CLXコンプレックス」が配合されたこと。
「CLXコンプレックス」とは、アーデン独自のセラマイドと角質層に存在する他の脂質、
リノレン酸、リノール酸(角質層のバリア機能強化)、フィトスフィンゴシンを組み合わせた複合体で、
これらとブレンドするとセラマイド単独よりもより高い効果を発揮できます。
個人差はあると思いますが、従来品同様
一回の使用には少し多い量で、私などは必ず余ってしまいます。
首、手、かかと、髪など、工夫して余った分はつけるとよいかもしれません。
使用感などは、後日レポートしたいと思います。