3月になりました。
早いもので今年も既に3つ目の月を迎え、3月といえば「ひな祭り」「卒業」があり、さくらの開花が楽しみな月です。
今年は寒さが緩やかだったので、寒い時期につぼみを膨らませて開花に備えるさくらはどうなるのかと、開花を危ぶむ声がありましたが、どうやら今年は開花が早いようですね。
明後日はひな祭りです。
ひな祭りの風習は平安時代にまで遡ることができ、宮中の子女の遊びに起源します。
それが江戸時代になって女の子の「人形遊び」と節句の儀式が結びついて広まり、徐々に遊びから「ひな祭り」の儀式へと変化しました。
この当時のひな祭りは、一生の災厄をこの人形に身代りさせるという祭礼的意味あいが強く、武家子女など身分の高い女性の嫁入り道具の重要な家財のひとつに数えられていました。
江戸時代初期には、お内裏様とお雛様だけの男女一対の内裏雛でしたが、やがて技術が進んで人形作りも精巧になり、元禄の頃には豪華さも増して、金屏風と十二単の装束を着せた現在のようなお雛様に近づきます。
現在、正式な雛人形は九段飾りですが、江戸末期から明治にかけて雛飾りは二人だけの内裏人形から、嫁入り道具や台所の再現、内裏人形につき従う従者人形たちや小道具、御殿や檀飾りなど急速にセットが増え、スケールも大きくなったようです。
現在私たちが見ることのできる古いお雛様では、徳川家に伝わる雛人形が知られていますし、旧宮家のご婦人が昭和初期に五摂家に嫁いだときのお嫁入り道具の雛人形を見せて頂いたことがあるので、ひな祭りの習慣は武家だけではなく、明治以降は公家の間にも定着していました。