冬を代表する清らかなスノードロップは、春の訪れを待つ象徴でもあり、物語の中でも語られています。
中でも有名なのが、ロシアの詩人・劇作家のマルシャークによる童話劇『森は生きている』の登場です。
この「森は生きている」は現在、学校図書版の中学校の英語の教科書にも掲載されている、有名な童話で、映画やミュージカルにもなっています。
心優しいアーニャは、意地悪な継母と、その娘とくらしていた。
ある大晦日の日、継母と娘は、寒い冬の森に薪を拾いに行くよう、アーニャに命ずると、二人は町に遊びに行ってしまいました。
寒さに震えながら、アーニャは若い兵士に出会います。兵士は女王様の命令でモミの木を探しにきていました。薪拾いを手伝ってもらったアーニャは、兵士を森一番のモミの木がある場所に案内します。
我儘な女王様は、モミの木に満足すると、次は待雪草を取ってくるよう命じます。
それは冬にはどうしても手に入らない花でしたが、待雪草を届けた者にはカゴ一杯の金貨を与えるとお触れを出します。
それに釣られた継母は、アーニャに待雪草を取りに行かせます。
アーニャが寒い森の中で絶望していたとき、森の中で焚き火をしている12人の老人に出会います。
12の月の精でした。
アーニャが一生懸命生きているのを知り、森の精はアーニャの為に時間を逆に回して、森に待雪草を咲かせ、指輪を贈ります。
アーニャが困難なとき、その指輪を投げて呪文を唱えると、12人の精に会えるという、不思議な指輪でしたが、12の月の精に出会ったことは、決して他言しないことを固く約束します。
待雪草を持ち帰ったアーニャに、継母と娘は歓喜します。そして、アーニャが眠っている間に、その指輪を奪ってしまいました。
女王様は、待雪草を大変喜びますが、二人に、それが咲いている場所に案内するよう命じ、出来なければ死刑にすると言います。
二人はアーニャにすがり、アーニャは指輪を返してもらうことを条件に森に出掛けます。
アーニャの後をこっそり娘がつけ、継母はアーニャが森に出掛けたことを女王様に知らせます。
アーニャから指輪を取った女王様は、指輪を返すかわりに待雪草の咲いていてる場所を教えるように言います。
しかし、アーニャは約束を守って答えない。
怒った女王様は指輪をほうり投げた。
その瞬間、呪文をとなえるアーニャ。
季節は一瞬のうちに冬から春になり、夏、秋と変り、冬に戻った。寒さの中、継母と娘はシューバを取りあっているうち犬になってしまいました。
最後まで約束を守ったアーニャに、12の精たちはソリとシューバをプレゼントしました。
我儘な女王様も、待雪草を咲かせたのが、アーニャの優しさだと知って改心し、すっかり仲良しになりました。
ソリに乗って家路に向う二人を、三年間おとなしくしていれば元の姿に戻してくれると12の精が約束した継母と娘の犬が後を追う・・・。
「森は生きている」は、有名なロシアの童話で、学校図書の中学生英語の教科書にも登場しますが、その中にスノードロップ(待雪草)が出てくることに、気付きませんでした。
次回はスノードロップ最後のお話です...