「聖書」の中のX'mas ④
祖国を持たないイスラエルの民は
いつか救い主が現れるときを待ち望んでいました
ローマ皇帝アウグストゥスは、全領土の住民に戸籍登録の命令を出します。
人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立ち、ヨセフはダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベトレヘムというダビデの町へ行きました。
聖霊により身ごもっていた、婚約者のマリアと共に登録するためでした。
ところが、彼らがベトレヘムにいるうちにマリアは月満ち、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせました。宿屋には彼らが泊まる場所がなかったからです。
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていました。
すると天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れました。
天使は言った
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。
あなたがたのために救い主がお生まれになった。
この方こそ主メシアである。
あなた方は、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなた方へのしるしである。」
すると、突然、この天使に天の大群が加わり、神を賛美して言った。
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」
(ルカによる福音2章1節~14節)
これが今日私たちがクリスマスを祝う始まりです。
イエス・キリスト出現を境に、私たちは紀元前(BC=Before Christ)、紀元(AD=Anno Domini)と言うように、2007年前イエスは誕生したと私たちは思いがちですが、学校の歴史でもイエスの誕生は紀元前4年と教えていますね。
ですが実際には、大戸籍調査を行った時期はローマ皇帝によるものは紀元前7年で、シリア提督の行なった戸籍調査が紀元前6年であったと言われています。
イエスが誕生したときユダヤの地を統治していたヘロデ王は、東から来た博士たちに、「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおられますか。」と尋ねられ、自分の地位を脅かすものとして恐れ惑い、ベツレヘムとその近辺の二歳以下の男の子をひとり残らず殺すよう命じました。
それに対し天使が夢でヨセフに現われてエジプトへ逃げるように警告し、それからヘロデ王が死ぬまでヨセフ一家はエジプトに滞在し、ヘロデ王の死後イスラエルの地に戻ったといわれます。
イエスの誕生以後数年間のことが不明なのは、この点にあるかもしれません。
ヘロデ王が亡くなった年は紀元前4年であり、以上のことからキリストが生まれたの本当の年は紀元前7~4年と考えられています。