「聖書」の中のX'mas ①
X'masはキリスト教の最大行事です。
宗教的観点からのX'masについて・・・
最近知人で、「この季節に街中でイルミネーションが輝いているのは嫌いだと」言う人がいました。
キリスト教の人がX'masを祝い、喜ぶのはいいけれど、それ以外の関係ない日本人が浮かれるのは違うと思う・・・というのです。
なかなか信念が通ったご意見に感嘆でした。
X'masを楽しむ方は多いと思います。
折角ですので少しでもX'masの宗教的な面をお伝えできればと思い、「聖書」の中のX'masです。
「聖書」によれば・・・
ユダ王国の創始者、イスラエル人最高の王であるダビデの血を引くナザレのヨゼフとの結婚が決まっていたマリアは、ある日大天使ミカエルの訪問を受け、
「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」
と告げます。
神に使わされた大天使ミカエルガブリエル(訂正:Feb/19)が、マリアに神の子イエスの懐妊を告げる場面です。
これを「受胎告知」と呼び、この場面は数多くの絵画で取り上げられています。
中でも有名なのはフランス、ランスの大聖堂の壁画として描かれているものが有名です。
ダビンチも「受胎告知」を描いており(フィレンチェ美術館所蔵)、今まで一度も館外に持ち出されたことはありませんでしたが、来年3月20日から、東京国立博物館で開かれる特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ――天才の実像」で特別公開されます。
ちなみに、私が一番好きな「受胎告知」の絵は、岡山県の大原美術館に所蔵されている、エル・グレコの絵です。
結婚前のマリアにとって、自身が身ごもることなど考えられず、ただうろたえて、
「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」
と答えます。
しかし、天使は
「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない。」
と言い、
マリアは
「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」
と言い、天使は去って行った。
「ルカによる福音」 1:26-38
このお告げの日を、カトリック教会では3月25日として祝日にしています。
世界の様々な神話の中に、人と人が交わったのではなく、神の御業にて宿った命の話があります。
キリスト教が地中海世界に広がるに際して、処女信仰や太母神信仰と複雑に絡み合い、特に西方教会(ローマ=カトリック)において、マリアは聖母として信仰の対象となり、処女懐胎は最も重要な教理の一つにまでなっていきます。
西欧語では、処女を意味する語が、(大文字にすると)そのまま聖母マリアを指すことが多く、la Virgen(西 )、la Vierge(仏 )、the Virgin(英 )、等。
欧米の文化にはキリスト教は大変大きな影響を及ぼしていますが、ちなみに"Let it be"とは、このお告げが下った時のマリアの受諾に由来する。"let it be to me according to your word."(お言葉どおり、この身に成りますように ルカによる福音 1:38)