マット・ヘイグの『ミッドナイト・ライブラリー』を読みました。

 

 

 この本は偶然図書館で手に取っただけなのですが、海外作品のわりには本が傷んでいてたくさんの人が借りた形跡があるな~と思って調べてみたら、テレビでも紹介されたベストセラー作品とのこと。

 

 主人公は30代のイギリス人女性ノーラ。大学を主席で卒業したほど賢い女性ですが勉強や仕事や人間関係がうまくいかず過去の選択への後悔にさいなまれ、とうとう自殺未遂をしてしまいます。そこからの回復のお話です。回復というか、見方を変えて現状に良い点も見いだせるようになったというか。

 

 ノーラは仮死状態でミッドナイト・ライブラリーにたどりつき、過去別の選択をしていた人生を生き直します。別の道を選べば幸せになれたと考えていたのに、そちらはそちらでまた別のつらいことが待ち受けていました。またノーラが今の人生を選んだからこそ救えた人もいたということが判明します。

 

 暗いお話なのにベストセラーになるのだから、後悔や悩みを抱えている人って多いんですね。普段職場では友達とディズニーランドに行ってきたみたいな明るい話をきくことが多いのですが、みんな言わないだけで後悔にさいなまれているのかもしれません。でも過去への後悔は無駄。どんな道を行っても大変なのだからどんな道を選んだって同じこと、全部正解なんです。

 

 この本の終わりには、現在どれほど絶望的な状況にいようとも未来は不確定で可能性があり、どんな結末が待っているか誰にもわからないとありました。全くその通りだと思います。

 

 ものすごく励まされるというわけでもないけどいい本です。そのときいいと思ったことをせいいっぱいやって生きていこう。