岩波少年文庫の『フランバーズ屋敷の人びと2 雲のはて』を読みました。
『雲のはて』は第1巻の『愛の旅だち』と比べると、青春の輝きがテーマになっていて将来に希望を持てる明るいお話です。フランバーズシリーズ全5巻のなかでも読んでいて最も楽しい巻でした。
フランバーズ屋敷を逃げ出したウィリアムとクリスチナはそれぞれ就職します。ウィリアムは飛行機の学校で働いて飛行士としての腕をみがき、クリスチナはホテルでバリバリ働くことに。
サンディとドロシーという友達も新しくできて、生活は非常に楽しいものでした。またラッセルおじが死ぬかクリスチナが21歳になるか、どちらか早いほうのタイミングで結婚することに決まります。
『雲のはて』のころの飛行機は大変危険なものだったようで、たびたび事故が起きています。危険に憧れてしまうウィリアムはクリスチナにとって勇敢で魅力的に見えるのかもしれないけれど、パートナーとしてどうなのかなと思います。早死が予想できるじゃないですか。
残念ながらウィリアムの父親代わりだったダーモットさんと、優しいサンディが飛行機の事故で亡くなります。どうしてこんなやりきれない展開にしてしまうのか、著者のペイトンさんって相当ひねくれた性格なのかなあ。
フランバーズシリーズをこのブログで取り上げるのはいったん終わりにします。ちなみに全5巻全部読みました。第3巻は『風と共に去りぬ』のパクリという感じ。第4巻と5巻はマークとクリスチナの失態続きで、またまたディケンズ的な暗さのあるお話なのであまりお勧めしません。
