(「私はいつも下を見て、下から見て...ときには前もちゃんと見るけど...歩いています。低姿勢です」とビーグル犬まろさんオス10歳)

 

 いよいよ兵庫県の百条委員会、昨日開かれましたが、そのインタビューの動画、ニュースの動画等を見る限り、もはや斎藤元彦知事が不信任案可決されて失職するしか方法が無い気がしました。もちろん、知事が議会を解散してしまうというのもありなのですが、時間と手間の無駄です。ここにきて、維新の責任を問うマスコミが出て来てるのは、自民党総裁選後に頼りない総裁になった時の保険として「維新もダメダメ」と印象付けようとしてるんだろうなと感じます。

 

 さて、斎藤元彦知事ですが、どうもこの方、どういう育ちをしているんだろうと思ってしまいました。「親の顔が見たい」という奴です。私も親の世代に近いからそういう見方になる。親だったら、「早く辞めて亡くなった方々のご家族に心からお詫びせよ、みっともない態度をさらすな」と叱りつけます。

 

 職員へのパワハラは「指導」という言葉を言われていたのだけれど、なぜこの方がそこまで自分を「指導する側」と勘違いしまくるのか、すごく疑問に思えたのです。「指導」といえば、たとえばスポーツのある種目の初心者がその種目の達人に教えを乞うような、そのことに対しての実力に客観的にみて相当な差がある場合に、そういう関係がなりたつと思うのです。でも、この斎藤知事にとっては、各部署の責任者や担当者よりも「自分だけが掟」状態になってしまって、誰のアドバイスも受け入れなくなってしまっているように見えます。

 たとえば私には、車止めのところで公用車を止めるということが、強く叱責とか「指導」とかにあたるようには全く思えないのですが、この方にとっては「指導すべき事柄」になってしまう。単に見解の相違とか、「なんでそうなるのか?」というのを訊けば明確な回答だって得られる場合でも思い通りの展開でないとパワハラをして、それを「指導」と強弁している、そのように報道を見る限り思えました。それ以前に、歩くのがそんなに嫌か、失礼なことか、「指導」を必要とすることか。夜中の業務連絡も、かなりおかしくて、そういう人がまともなわけがない。

 県の職員でも亡くなった方が二人もいるのに、「自分のせいで亡くなった」というでもなく、あくまでも自分が正しいかのような言い分に終始して、なにがこの人をそうさせるんだろう?と思えてしまいました。どうも、観察する限りでは「兵庫県知事として」という文言を多く言われたので、「知事」を「死ぬまで続く殿様」とでも思っているのではないかと。なにか、「よっぽど偉い」と勘違いしているのでは。でも、「誰かが必ず担うポスト」を誰かが担ったとして、それはそのときだけの役割であって、「偉いー偉くない」の関係とは本来は別物です。誰もが「人権」を持っていて、業務の遂行以上に人間としての尊厳を傷つけられるような扱いを受ければそれは「指導」なんてものではないのは普通の人には分かるけれども、この方には分からない。

 だから、この方、知事を失職して無職になって非正規労働者にでも一旦、なってみたらよいのではないかなと思うのです。それで自分が「業務を教えられる立場」になってえ、世間の人はどのように「指導」しているのか、その指導が酷くてパワハラと言えるようなものだったらどうなのか。それを知ることが大切なのでは。

 

 「そんなのとんでもない、俺様がそんな経験などする必要ない、あくまでも指導する立場」と思うのであれば、せめて県庁でも「帯刀(たいとう)」を許したらどうでしょう。いや、ここまでいうとホント、空想の話ですが、自分が接する職員たち一人一人が、二本差しの刀を持って、切れ味鋭く直ぐに使える状態だとしたら。自分の態度次第でいつでも自分に斬りかかれるとしたら。その刀を抜いて知事に斬りつけてきて、たとえば知事の首を刀で斬り落とす、そこまでいかなくても斬りつけて手首を落とすとか重傷を負わせるとか、そんなことをすれば重罪ではある。斬りつけてきた犯人は捕まって家族が路頭に迷うから、なかなかそんなことにはならない。でも、自分のパワハラで相手が激高して斬りつけてくることだって万に一つあるかもしれない、と思って職員に接するのと、自分はあくまでも殿様で、指導するだけ威張り散らしても何も問題ないと思って職員に接するのでは、やはり大分違うんじゃないかなと思うのです。パワハラ以前に人として失礼だと思うのです。

 

 今は平和で、平和すぎるからかえって「パワハラ」が起きておかしなことにもなっているわけですが、「相手だって、同じ人間。違う経験をしている人たちがいても、自分だって学ぶ面が沢山ある。相手の行動には相手なりのロジックがある」ということに気が付かない人は、人の上に立ってなにかをするなんて、他の人の意見を聞いてことをなすなんて、とうていできないと思うのです。