(「僕はいつでも緊急発進OKです...いや、暑いときはやめときたい」とビーグル犬まろさんオス10歳)

 

 昨日、中国軍の情報収集機Y9が、昨日26日に長崎県男女群島沖の領空を侵犯したために、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したそうです。

 中国はなにかにつけて、たとえば神社の参拝とか資料館に見に行くだけでも「日本が軍国主義化している」とか非難するのだけれど、尖閣諸島しかり、今回のこともしかり、さらには台湾に侵攻する日が近づいている、とかいう話もまことしやかに伝えられる中で、むしろ中国の方が軍事行動を活発化しているような気がするのです。

 

 そこで、航空自衛隊の緊急発進数というのをグラフにしてみました。横軸は年度(4月~翌年3月)、縦軸は緊急発進の数です。

(図1:航空自衛隊緊急発進数) 

 中国が習近平国家主席になって以来、緊急出動しないといけない原因はロシアではなくむしろ中国が多くなっているのが分かります。また、その前に第2次安倍内閣が発足してそれ以降、2020年に菅義偉首相に交代するまで安倍内閣が続き、その間中国は2016年度まで活動を活発化しています。2016年度には習近平首相が1強体制を確立したそうです。

 2019年度から2020年度にかけてはコロナの影響か自衛隊が緊急出動しないといけない動きは減っているように見えます。2022年度には安倍首相が亡くなりましたが、時を合わせるようにして航空自衛隊の緊急出動の数も減りました。

 その間ロシアは自衛隊の緊急出動をしないといけないような動きを減らし、ウクライナ侵攻以降はさらに減らしています。

 

(表1:年度ごとの日本の首相と中国、ロシア、アメリカの元首、防衛大臣)

 

 さらに、上のグラフの年度と合わせた形で日本の首相、中国の国家主席、ロシアの大統領、日本の防衛大臣(防衛庁長官も含む)を表にしてみました。

 防衛大臣については短期間に随分と交代しているもので、これってタカラトミーから出ている玩具の「黒ひげ危機一発」(危機一髪、ではなく)というのを想像してしまいます。樽にナイフを刺していくのと同じで、自分の任期中になにか起きませんようにって次の人に回すような感じ。実際は個々に失言で辞任とか内閣改造による交代とか政治資金問題での辞任とか色々と交代の理由があったのですが、それでも替わりすぎな気がします。首相交代の頻度に比べてすら。安心して防衛問題を任せられるような腰の据わった政治家はいないのでしょうか。アメリカが後ろ盾だから防衛大臣は腰掛でもいいという考えなのでしょうか。

 自民党の総裁選挙だ、「自民党は変わった」と思わせるには、若い人がふさわしいとか、そんな内向きな論理で騒いでいるうちに取り返しのつかないことになったらと思うと心配です。ウクライナの戦争は2024年8月で既に始まって2年半、中東の戦争も始まって10ヵ月、戦争が起きたらなかなか終わらないのですから。