(「私は毎日ちゃんと朝晩食事できてお散歩ができて自分の居場所があればいいんですけど、人間は難しいですからね」と考え込むビーグル犬まろさんオス10歳)

 

 岸田首相が次期の自民党総裁選挙に立候補しない意向だと発表されました。

 旧統一教会の問題、自民党の裏金問題、安倍首相の国葬問題、身内である御子息を重用し失敗、少子化対策も変な方向に、能登半島地震の遅い対応、等々色々な課題や事件がありながらあまりスッキリとせずに政治不信を拡大させたという面ではいたし方ないのだろうなと思います。

 それで、自分が次期総裁選に立候補しないことで「自民党が変わった」と示すという意向というのも退陣の理由の一つのようなのですが、なにをもって「自民党が変わった」と判断するべきなのか、「どういうものからどういうものに変わった」とすることがはっきりしないので、国民にはよく分からないのです。これ、コンサルの用語だと、自民党のAS IS(現状はどうなのか)とTO BE(将来的にどうするべきなのか)が明確に示されていないので、「結局、岸田さんだと選挙に勝てないと判断されたから長老の支持も得られず仕方なく次の総裁選にでないことにした」としか見えないのです。岸田さん、もしかして次の広島の選挙区の選挙で例の石丸伸二さんに負けるかもしれないし。

 

 さらに悪いことに、次の総裁候補と名前の挙がっている方々には次の方をよく目にしますが、

*石破茂・元幹事長(67)2世(祖父の村長まで数えれば3世)議員

*小泉進次郎・元環境大臣(43)4世議員

*茂木敏充・幹事長(68)

*河野太郎・デジタル大臣(61)4世議員

*高市早苗・経済安保担当大臣(63)

*上川陽子・外務大臣(71)

*小林鷹之・前経済安保担当大臣(49)

*加藤勝信・元官房長官(68)政治家の婿養子

 

 結局はここでも世襲的な方々が多く出ているようでもあります。

 さらに、麻生さん(83)5世、森さん(87)父が町長、菅さん(75)、二階さん(85)父が県会議員、みたいな老齢の方々がかなりの影響力をもっている様子が見えてしまっている現状では、岸田さんが次期総裁選から身を引いたとて、誰が次期総裁になっても、とてもとても「自民党が変わりました」なんて見えないのは明白なんだけど...と思ってしまいます。そうしたら、それこそ自民党がまた選挙で大負けして野党になることもありそうです。しかし野党も頼りないし。

 

 子供の頃、天皇陛下を別格というか別の次元の人とすれば、総理大臣と言うのは日本で一番偉い人、優秀な人なんだと思っていました。それでとても優秀な人、多方面に理解の深い神のように優秀な人がなるものだとも思っていました。だから総理大臣がいくら日本で一番偉かろうが、自分にはとうていできない、コツコツとひとつのことをやっていく方が自分は好きだ、だから私は「科学者か漫画家になりたい」と思っていたのでした。それが、中学校の頃に田中角栄内閣ができ、盛んに尋常高等小学校卒で自分の母と同じ学歴だけれども「コンピュータ付きブルドーザ」の実行力のある首相だというので日中国交正常化とかやっていたので、総理大臣にはそういう人もなるんだなと思ったものでした。

 子供の頃の「総理大臣は日本で一番偉いんだ優秀なんだ」と純粋に思っていた時代はアメリカも「先進国」も元気で日本は極端なことを言うと「アメリカと仲良くして侵略から守ってもらえば良い」みたいな雰囲気が確かにあったように思います。田中角栄はその中でなにかアメリカの機嫌をそこねるようなことをしたのでロッキード事件で刺されたという説もあります。ではあっても、当時は順調に経済も成長し、ほとんどの人が配偶者を見つけて結婚することを実現し人々の生活も良くなっていく、安定した時代...いやテロ事件とか色々な事件も起きたから単純に安定、とは言えないけれども少なくとも国民の不満が目立たない時代ではあったと思います。

 でも、今は日本のかじ取りは世界情勢がより複雑になって、経済も社会もより複雑になって、昔ならおきていなかった少子化とか貧困とか格差拡大とか、それによって結婚もままならず一生独身の人が多く生まれてしまうような、それを「多様性」若しくは「個人の自由」という言葉でごまかす時代、さらにはデフレとか他国に比べて相対的に給料が落ち込んだとか、何かあれば写真を取られたり妙な報道されて地位を築いていた人たちがその地位から引きずりおろされたり、一般の人が公然と色々と意見を言うようになったりしたり、犯罪者もネットで募集されるような、なにやら難しい時代になったものだと思います。今の政治家は、本当は、本当に難しい時代にかじ取りを任せられているものだと思うのです。

 

 それで、そんな「難しい時代」に出てくる総理大臣候補(正確には自民党の総裁候補)がこれ...

 「地頭が悪い」と揶揄されるような方、環境大臣とか内閣府特命担当大臣(原子力防災担当)しかやっていない方が「本命かもしれない」と評論家から言われる事態って、今の政治って本当にヤバくない?って思えてしまいます。小泉さん以外にもなにか経験が浅そうな方々が出馬に意欲、有力候補だって言われているのも。

 「日本のかじ取りを安心して任せられる人」というよりは「選挙の顔として『自民党は刷新された』という印象を持たせられる人」、裏では依然として長老たちが候補たちの支持を操ってキングメーカーになって、総理大臣にしたら「相談された」って名目でああだこうだ総理大臣に指示していくのだろうかなって想像すると、今の政治はなかなかスリリングだなあと思えてしまいます。子供の頃の「もの凄く優秀な人しか総理大臣なんてなれないんだ」という思いが裏切られたというのかなんというのか...「本当にそういうのが有力候補?裏にいる『有力者』も優秀とも思えないし」