鶏糞(けいふん)と米糠(こめぬか)という、園芸において「最高峰のコストパフォーマンス」を誇る2つの有機素材を組み合わせてボカシ肥料を作ると、お互いの弱点を完璧に補い合った、驚くほど理想的で万能な有機肥料が完成します。
この2つを混ぜて発酵させたときに現れる「具体的な肥料効果」と、気になる「pH(酸度)」について詳しく解説します。
1. 鶏糞×米糠ボカシの「抜群の肥料効果」
生のまま撒くと植物の根を痛めやすい両者ですが、微生物の力で完全に発酵(ボカシ化)させることで、以下のような素晴らしい相乗効果が生まれます。
① 「速効性」と「持続性」を兼ね備えた万能バランスに
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鶏糞の強み: チッソ・リン酸・カリがバランスよく含まれ、有機質肥料としては「速効性」があります。
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米糠の強み: チッソと、特に「リン酸」が豊富で、土の中でゆっくり分解される「遅効性(持続性)」があります。 この2つが合わさることで、施肥した直後から初期生育を促しつつ、その後も長期間にわたってじわじわと栄養を供給し続ける、理想的な効き方になります。
② 実肥・花肥である「リン酸」が超強化される
バラや果樹、実を生らせる植物にとって最重要とも言える「リン酸(P)」が非常に豊富になります。 米糠にも鶏糞にも多くのリン酸が含まれていますが、生のままだと土の中の鉄やアルミと結合して植物が吸えなくなってしまいます。しかし、ボカシ肥として発酵させるプロセスで、微生物が植物の吸収しやすい「可給態リン酸」へと変化させてくれるため、花付き・実付き、そして根張りが劇的に良くなります。
③ 土壌微生物が爆発的に増え、土がフカフカになる
発酵のスターターとなる米糠は、土の中の善玉菌(放線菌や乳酸菌など)の大好物です。これを施肥することで、土壌内の微生物相が豊かになり、フカフカの団粒構造を作ります。結果として、病原菌(黒星病やうどんこ病などのカビ類)が繁殖しにくい「病気に強い土壌環境」が整います。
2. 完成したボカシ肥料の「pH(酸度)」は?
発酵が完了した「鶏糞×米糠ボカシ」のpHは、およそ 【 pH 7.0 〜 8.0 前後(弱アルカリ性〜アルカリ性) 】 に落ち着きます。
なぜアルカリ性になるの?
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米糠単体で発酵させると、乳酸発酵などが進むため、初期〜中期は一時的に「酸性(pH4〜5程度)」に傾きます。
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しかし、ここに鶏糞が混ざることで形勢が変わります。鶏糞には大量のカルシウム(石灰分)が含まれていること、そして発酵の最終段階でチッソ成分が「アンモニア」に分解されることから、最終的には酸性が完全に中和され、弱アルカリ性へと変化します。
💡 使うときのポイント(pHの活かし方)
日本の土壌は雨(酸性雨)の影響でどうしても「酸性」に傾きがちです。そのため、この弱アルカリ性のボカシ肥料を土に混ぜることは、酸度を中和して多くの植物が好む「弱酸性〜中性(pH6.0〜6.5)」の理想的な土壌に近づけるという、非常に優れた土壌改良効果を持ちます。
⚠️ 注意点 ブルーベリーやサツキ、ツツジなどの「酸性土壌を強く好む植物」の根元にこれを大量に施肥すると、土がアルカリ性に傾いて生育が悪くなることがあるので注意してください。(バラや果樹、一般的な野菜には文句なしに最高のpHバランスです!)
💡 より上質なボカシにするためのコツ
発酵させている最中、強烈なアンモニア臭(ツンとする臭い)がする場合は、チッソ成分がガスになって空気中に逃げてしまっている(=肥料効果が落ちている)サインです。
これを防ぐために、仕込む際に「くん炭(炭粉)」や「ゼオライト」を全体の5〜10%ほど少し混ぜてあげると、炭の微細な穴がアンモニアガスや水分をガチッと吸着してボカシの内部に閉じ込めてくれます。臭いも劇的に抑えられ、さらにミネラル分も補給された「極上のボカシ肥料」に仕上がりますよ。
手塩にかけて発酵させた自家製ボカシは、市販の化成肥料には出せない「奥深い味わいと活力」を植物に与えてくれます。ぜひ素晴らしい肥料を完成させてくださいね!