「ヘタレ勇者☆御一行様」第62話 | 〈アクエリアスの星☆のもと〉 私、ゆきえもん(^-^)v

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日々の事を書いたり、創作活動の場にしたいと思ってます。まだまだ作品数は少ないですが、気に入った作品があったら感想を聞かせてくださいね。

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奥へと進んでいくと急に開けた場所に出た。

そこは、ドーム型の空間になっていて、所々天井部分に穴が空いている。そこからは外の光が差し込んでいて、地面には草の生えている場所もあった。

「この辺りかな?」

「そうねえ」

「とりあえず探してみましょう」

「しかし、ワシらでは『ハテナシ草』がどんなものか分からんぞ」

キットのように薬草に詳しい訳でもないアレスたちは、どうしたものかと頭を悩ませる。と、

「仕方ない。ちょっと働くか」

キットが再び目を覚まし、ドイルの背中からそろりと降りた。

地面に足を着けると、骨折していた方の足をトントンと軽く足踏みし、大丈夫だと分かるとニカッと笑った。

「すげえ、治ってる!」

「優秀な神官さんで良かったわね」

「えっ?」

今更ながらに、そこにリィナがいることにキットが驚く。

「リィナ!?」

「なによ」

「何でここにいるんだ?」

「何でって……」

リィナが言葉に詰まったのを見計らうと、すかさずドイルがフォローを入れた。

「お前が戻らないって聞いて、心配してついてきたんだ」

「そっか……。って、俺、どれだけ倒れてたんだ?」

「最低でも3日は経ってるでしょうね」

「3日!? マジか……」

セオの言葉に驚くキットだったが、その横で不機嫌な顔をしているリィナには全く気付いていない。

アレスは苦笑いすると、キットの頭をポカリと叩いた。

「イテっ!」

「ったく、心配させやがって。ガウルじいさんや村の人も、みんなお前の事心配してんだぞ?」

「……悪かったよ」

キットはバツの悪そうな顔をすると、素直に謝罪の言葉を口にした。

「ほら、リィナにも」

アレスが促すと、キットは頭をかきながらリィナに向かい合った。

「心配かけて悪かった」

「べ、別にいいわよ。でも、叔父さん達にはちゃんと謝りなさいよ。叔父さんたら、『自分が探しにいく』って聞かなかったんだから」

「うへぇ。帰ったらどやされるかなあ?」

キットが情けない顔で言うのに、リィナがクスッと笑った。

ようやくリィナに笑顔が戻った事に安心しながらも、キットに対して素直になれない妹分に、アレスもドイルもやれやれと首を降った。


「それにしても、どうして一人でこんな所に?」

セオが尋ねると、キットは照れ笑いを浮かべた。

「いや、実はさ。ある人を助けるために……」

「ある人?」

「ああ。ルコダの街の――」

そこまで言いかけて、キットはハッとした表情になる。

「おい、なんだアレ?」

「えっ?」

キットが指差した方を見ると、そこには巨大な植物が生えていた。

「花?」

しかし、その花は見たこともないような毒々しい色をしていて、とても『愛でる』ような代物ではなかった。

「あれがハテナシ草か?」

「バカ、違うよ!」

顔をしかめて言うアレスに、キットが即答する。

セオが袋の中から本を取り出し調べ始める。と、その手がピタリと止まった。

「あれは……『悪魔の花』です!」

「悪魔の花?」

「なんか、ヤバそうな名前ね」

「植物系の魔物の中でもかなりの強敵です。出来れば余り刺激をしないで、目的の物だけ持ち帰りましょう」

「わ、分かった。キット、ハテナシ草ってどれなんだ?」

アレスが尋ねるとキットが地面を指差す。

「アイツの足下にある、アレだ」

「えっ?」

見ると、悪魔の花の根本(?)部分に、小さな青い花をつけた草が生えている。

「あんなのどうやって採るんだよ!?」

「近付いて採るしかないだろ」

「近付いてって……」

アレスは改めて悪魔の花を見る。薄明かりの中にある毒々しい姿は、見るだけで士気が下がってくるようだ。

「む、無理……」

「ったく、情けねぇな。それでも勇者かよ。ヘタレは相変わらずか?」

「なっ……! い、行くよ! 行けばいいんだろ?」

アレスは半ばやけくそで悪魔の花に近付いていく。

そんな後ろ姿を見て、キットがペロッと舌を出した。

「ったく、発破掛けやがって」

ドイルが苦笑いしながらキットの頭を小突いた。

「へへっ。アレスのやつ、ああ見えて負けず嫌いなとこあるからな」

「ホント意地悪よね、キットって」

「バーカ。勇者様を奮い立たせてやったんだろ?」

「もう……」

調子を取り戻したキットには、誰も口では勝てそうにないようだ。



ゆっくりとした足取りで近付いていくアレス。悪魔の花にじっと視線を合わせながら、慎重に歩みを進める。

近くに行って分かったのだが、悪魔の花はそこに〝生えている〟わけではなかった。

2シャール(メートル)以上ある茎部分の根本は、地面に埋まってはいなかったのだ。

その代わり、うねうねとうねる触手のようなものが生えている。

「う、動いてる……?」

そろりと上を向いたアレスと、悪魔の花の花弁部分が向き合う。

「!」

一瞬固まるアレスに、悪魔の花は嘲笑うかのようにその花弁の中心を開いた。

その中にはギザギザに尖った歯らしきものが見える。

「ギャー!」

悲鳴を上げ逃げるアレスに、悪魔の花の触手が伸びる。

足を絡め取られたアレスはそのまま地面に倒れこんだ。

「ぐっ……!」

「アレス!」

仲間たちが駆け寄ろうとするが、もう3体の悪魔の花が現れた。

「やべぇ……」

「お前のせいだぞ。きっちり方つけろよな」

「他人事みたいに言うなよ」

げんなりするキットにドイルがニヤリと笑う。

「手を貸してやる。その代わり、この前の砥石、少しまけろよな」

「ちぇ、分かったよ」

キットとドイルが剣を構え悪魔の花に向かっていく。

「あ、待って!」

その後からリィナも続いた。

「私達も行きましょう。彼らだけでは無理でしょうから」

「もう、仕方ないわね」

「まあ、アレでこそアレスじゃがな。ホッホッホ……」

「笑ってる場合ですか?」

「フフッ。じゃあ行きましょう」

リディアたちも武器を構えると、悪魔の花との戦闘に加わっていった。


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間を開けないと言っておきながら、結構開いてしまいました(汗)

このところ仕事が忙しく、残業や休日出勤をしていたら、とても書く気力が出ませんでした。

でも、ようやく更新です。

二組のパーティーの活躍、楽しみにしててくださいね(^ω^)