12月1日、中央区議会第4回定例会の最終日です。

区長提案の議案の採決が行われ、すべての議案が可決されました。

 

今定例会に提案された議案は全部で26件。

日本共産党区議団は、そのうち5件の議案に反対しました。

反対の理由は、区議団HPに掲載しています。

本会議での発言など|日本共産党中央区議会議員団 (jcpchuo-kugidan.jp)

 

まず今回は、議案第126号 指定管理者の指定について(子ども家庭支援センター分室)について紹介します。

 

 

最低賃金を知らせる厚生労働省のチラシ

 

区立子ども家庭支援センターは来年7月に勝どきから明石町の保健所の4階に移転します。現在の勝どき施設を「勝どき分室」、十思、日本橋もセンターの「分室」とし、管理運営を民間企業に任せる議案が11月議会に提案されました。
 

指定管理者に選ばれたのは株式会社テンダーラビングケアサービス。

ところがこの会社のHPで採用募集を見ると、契約社員で時給1,100円となっています。

東京都の最低賃金は、10月1日から1,113円であり、重大な法令違反です。
 

日本共産党区議団はこの会社を指定管理者に指定するのは止め、区直営で運営するよう求めましたが、議案は賛成多数で可決されてしまいました。

 

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この議案を審議した福祉保健委員会で、私は、委員外発言として、反対理由を述べました。

その発言内容を紹介します。

 

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日本共産党区議団は、議案第126号 指定管理者の指定について(子ども家庭支援センター分室)について反対します。以下のその理由を述べます。

 

本議案は、区立子ども家庭支援センターの十思分室、日本橋分室、勝どき分室の指定管理者に、株式会社テンダーラビングケアサービスを指定するものするものです。

 

日本共産党区議団は、本年3月の定例会で、子ども家庭支援センター分室の管理を指定管理者に行わせることができるという規定に変更する条例改正に反対しました。それは、指定管理者制度導入による効果として、一時預かり保育等使用料のキャッシュレス決済を含む窓口支払いや3~5歳児が過ごせる居場所を確保すること(子育て支援講座の夜間・土日の開催、子育て支援サービス利用申請受付窓口の拡大)などが挙げられていましたが、こうしたことは区直営や委託などこれまで通りの運営体制で可能であり、むしろ区直営でこそ相談機能なども充実させることができると考えるからです。

 

いうまでもなく、子ども家庭支援センターは、児童福祉法に定められた、18歳までのすべての子どもと、子どもがいる家庭の支援を目的に、児童相談所よりも身近な相談窓口として設置されているものです。虐待を受けた児童を児童相談所などで保護するための橋渡しはもちろん、広く一般の家庭の育児についてもさまざまな悩みを幅広く相談することができる施設です。子育て支援が社会の大きな課題とされる今、分室であっても、地域の子どもと家庭の支援のための施設を、指定管理者に任せることは問題です。

 

今回、指定管理者に指定する株式会社テンダーラビングケアサービスについて、昨日ホームページで採用募集を確認したところ、勝どき分室で保育士資格の正社員は月給22万6,400円から、十思分室では受付対応・パソコン入力・保育や保育補助の契約社員として、保育士資格がある方は時給1,400円、無資格の方は時給1,100円となっていました。東京都の最低賃金は10月1日から1,113円であり、重大な法令違反です。

 

指定管理者制度は、指定された事業者が、そこで働く職員の人件費を抑えることで利潤を確保するしくみで、しかも指定の期間が定められているため、専門性や経験が蓄積されない不安定雇用となります。働く人を大切にしない、ましてや最低賃金に満たない募集をかける事業所を指定するのは重大問題です。株式会社テンダーラビングケアサービスへの指定はやめるべきです。

 

子育て支援の中核を担う子ども家庭支援センターは、分室もこれまで直営で運営されてきました。今後とも本体と同じように直営で運営するよう求め、議案第126号に反対します。